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『母になる』最終回が残念すぎる!! 3歳児神話、育児は母メイン、子供の幸せが母親の幸せ…母性信仰を強化しまくるドラマだった

日テレ水10枠『母になる』が最終回を迎えました。何も悪いことしていないのに3歳の息子を誘拐され、夫とも離婚して天涯孤独となり、9年後に再会した息子は自分とは別の女性を「ママ」と慕う……そんな理不尽極まりない状況下におかれているのにも関わらず、ピュア~で健気な女性・結衣さん(沢尻エリカ)がこのドラマの主人公でした。彼女は「息子のためなら何だってできる!」といろいろ奮闘。ごめんなさい、私はあまり好きになれませんでした。回を追うごとに、この主人公には共感できなくなっていきました。子どもにとっての幸福追求を極めたい、そんな“子ども本位に物事を考える清く正しく賢い母親像(キラキラ後光が差してる)”を、ヒロインに背負わせ、それを肯定するスタンスのまま、ドラマは幕を閉じました。

ぜんぶ「子供への愛情」でカバーするんだね

自分たち家族の人生を大いに狂わせた麻子(小池栄子)対するもやもやした思いがうまく消化できず、「憎しみ、怒り、嫌悪、許せない、許してたまるか」と思っている、けど「そういうイヤな気持ちを抱えたままでいる自分がイヤになった」という結衣さんは、麻子がいざ東京を離れるとなると、ほんとうにそれでいいのか……? と逡巡。陽一パパ(藤木直人)広がこっそり打ち明けた本音「お母さんて、2人いちゃいけないのかな」を知った結衣は、麻子宛に広のマラソン大会の案内を送ります。「人を憎む自分がイヤ」なのに加えて、広のことを考えた末……の選択なんでしょう。

でも、結衣ママの愛情表現って、けっこう身勝手で一方的ではないでしょうか。広に断りなくスニーカーの中敷きに『ガンバレ』ってマジックで書いちゃうし、それを広に「ダサい」と咎められても謝るどころか「書いちゃったぁ、えへ☆ 履いたら見えないからぁ」と返答するっていう。もし子供側が「ほんとにやめて!」と心からイヤがっていたとしても、「でもママはあなたのためを思って」って平行線になりそう、話が通じない・真剣に取り合ってもらえない感じがしてしまうんですよね。9年間離れていた広に対する愛情が有り余ってこぼれちゃうんでしょうけど……ドラマ内では「まあしょうがないよね」って見逃されている感じ……。

児童相談所の児童福祉司・木野(中島裕翔)も、ドラマ序盤からなかなかの強者だったように思います。中島裕翔は、ジャニーズらしからぬモサッと感で熱演しているんですけど、木野の発言内容はとにもかくにも“母親絶対”主義。最終回では「3歳までにたっぷりと愛情を受けた子は大丈夫」とまさかの3歳児神話を展開、「広くんが理不尽な状況に置かれたのに心が歪まなかったのは、3歳までに母親からたっぷりと愛情受けて育ったから」と結衣を励ますんですけど、オイオイ陽一パパは? 児相職員が“母親主体の育児”を肯定するなんて……。いや、あくまでも、結衣を肯定して彼女に親としての自信を与えるための方便なのかな、という解釈もできますけど。でも木野ってそんな賢いタイプではない(ように描かれている)し、これまでの母親絶対主義ぶりからして、方便でもなんでもなく3歳児神話をヨシとしているように見えました。つらぁ。『あなたのことはそれほど』(TBS系)は、「子供は親を選んで産まれてくる」というファンシーな説を「都市伝説だ」と切り捨てていたんですけどね。

一方、結衣からマラソン大会の案内を受け取った麻子さんは、新職場の旅館で過去バレして早くもクビになりました。カウンセリングを受ける中で、広を育てたのは自分のエゴ、自分の孤独を埋めるためだったと悟っていきます。また、自分が一生懸命子育てしていたのは亡き母親に褒めてもらいたかったから。でもきっと、母になるってそういうことじゃない、母になるってどういうことだろう……としきりに考えているようです。まあ、エゴそのものがいけないというより、エゴのために他者の権利を侵害したのが(麻子の場合は柏崎家に対して)いけなかったんですけどね。そうでなければ、自分たちのエゴでセックスして子どもを作って産んで育てたって咎められはしません(むしろそれが普通)。エゴではなく、国民の義務だの少子高齢化問題に貢献だのと考えてセックス~子育てに至る親もひょっとしたらいるのかもしれませんが、“義務や貢献をしたい”だって生まれてくる子どもにとっては関係ないという点でもうエゴじゃん。

そして迎えた広のマラソン大会、結衣は麻子と対面し、待ってましたと言わんばかりに、自分の母性観を披露していきます(ちなみに結衣は、広から「絶対絶対絶対ぜーったい来ないで! 絶対来るな!」と応援を拒否されていたんですけど、来ちゃいました)。

「あなたを許したわけじゃありません。許せるわけありません。ただ、誰かを憎みながらこの先ずーっと生きていくのかと思うとぞっとします。もやもやした思いを抱えながら子育てをしても楽しくありません。だから、いつかわたしはあなたを許さなきゃいけない」
「私はまだ、母になる途中なんです」
「いつかあなたに何を言われても、何を聞かれてもびくともしないで、笑っていられるような母になりたい。例えばあの子に『お母さんて、2人いちゃいけないのかな』って言われても、『そうだね、それも楽しいね。いいよ、2人いてもお母さん全然いいよ。楽しいね!』。そう笑って言える母になりたい。……なぜなら、それが広の幸せにつながることだから。あなたを許す時が、許せる時が来たら、広を連れて会いに行きます」
「ひとつだけあなたにお礼を言うとしたら……、何でもない日常がどんなに幸せか、母になることがどんなことか考えもしなかった。おはよう、いってらっしゃい、いってきます(中略)……そういう言葉を言える相手がいることがどんなに幸せなことか、あなたに奪われた9年間がなければ気づかなかった。ありがとう。あの子を育ててくれてありがとう」

結衣さんがアツく語るほど、筆者は血の気が引いてきました。結衣さんのこの語りこそが、このドラマで伝えたかったこと? これが、「母になる」ということ? 我が子の幸せや成長のためなら、自分の中の負の感情を殺せるのが、そうでありたいと願うのが、母親? ものすごい、ムチャぶりなんですけど。っていうかそれ、結局、古臭い母性神話じゃん!!!!!

架空の話とはいえ、公共の電波を使ったドラマで極限状態に陥った母親を描いてこの結論付けって、無神経じゃないでしょうか? 結衣と陽一は、実は生きている息子に死ぬまで会えなかったかもしれないし、発覚しなければ麻子はずうっと広を実の息子として育てていたかもしれないんですよ? とんでもなく恐ろしい話でしょ。にもかかわらず、結衣にしろ陽一にしろ広にしろあまり精神的に参っていないし、親子の距離もあっさり縮まるし、やけに話が軽快に進んでいるとは感じていましたが……。ドラマの時系列は放送期間に沿っているようですけど、たかだか数カ月で決着する話じゃないっつうに。麻子は感無量で涙するし、結衣と陽一は晴れて再婚し、早い話がハッピーエンドだったんですけど、重いテーマを軽く扱い過ぎていて、もやっとします。

中学生にもママべったりがいいの?

そしてですね、最終回ではもうひとつもやっとする展開が用意されていました。結衣のママ友で良い母になれないと悩む莉沙子(板谷由夏)とその夫・西原教授(浅野和之)のことです。莉沙子は初回からずっと、ヘアメイクの仕事と苦手な育児との狭間で揺れている状況でしたが、物語中盤に西原教授が「俺が母になる。君は仕事していい」宣言をしたことで、仕事に力を入れるようになりました。でも、どことなく浮かない表情を見せていたんですね。ってか西原教授は「父」のまま家事育児をすりゃあいいんですけどね。家事育児=「母」の役割っていう感覚を改めろよっていう。でも、残念ながらといいますか、西原教授のその感覚は最後までそのままです。

仕事に本腰を入れるはずだった莉沙子でしたが、最終回では、夢のワールドツアーも断念し、娘の繭が高校卒業を迎えるまでは、仕事をセーブしながら続けると決意しました。理由は、「まだまだ私は母親として、人生の先輩として、繭に教えてあげなきゃいけないことがたくさんある」「あの子に寄り添って成長を見届けなきゃ」と思ったからで、仕事よりも育児を優先させたいということなんですよね。いや、それもまた彼女の選択だから尊重すべきなんですけど、そんな莉沙子を通して「母親は子ども最優先であるべき、これ正解」というメッセージが発信されている感が、どうにもいただけないわけです。親の責任は果たすべきだけど、いろんな母親がいていい、にはならない。そんな莉沙子に西原教授が語った台詞「母親っていっつもそばにいるから誰よりも子供の成長を一番に感じられる。羨ましい。いいな母親って。大変なことのほうが多いんだろうけど」もまた、結局遠回しに母性神話を肯定しているし、やはり“育児は母親主体”という前提ありき……。

せっかく結衣・莉沙子・麻子という全然違うタイプの女性3人をクローズアップしたのに、オチが「自分の好きな仕事よりも、自分が抱く負の感情よりも、優先すべきは自分の子ども」「母は強し」かぁ。んー残念です!

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大島優子、山田哲人との熱愛疑惑が再浮上! 「成績不振はお前のせいか!」と怒りの声も?

大島優子、山田哲人との熱愛疑惑が再浮上! 「成績不振はお前のせいか!」と怒りの声も?の画像1

 4日に放送された『ウチくる!?』(フジテレビ系)に出演した芸能リポーターの井上公造が、“スポーツ選手Yさん”と“元・国民的アイドルの女性”が熱愛関係にあると発言。これを受けてネット上では、「ヤクルトスワローズの山田哲人と大島優子?」「山田、大島好きだって言ってたもんな」などと臆測する声が飛び交っている。

「井上は『すごいマークしているので漏れちゃダメ』と、毎度おなじみの情報の出し惜しみをして視聴者をやきもきさせていたのですが、“元・国民的アイドル”というフレーズと、画面に映し出された女性のシルエットがショートカットだったため、『大島優子では?』と指摘する声が広まりました。山田は、2015年に放送された『プロ野球珍プレー・好プレー大賞』(同)に出演した際、MCの中居正広から『AKB48とかはお好きではない?』と聞かれ、『大島優子さん好きですね』と発言。これは、スタジオに現役のAKB48グループメンバー・指原莉乃がいたためのウケ狙いだったのですが、その後ネット上では、『指原を介して大島にお近づきになったのでは?』と疑う声がささやかれていました。それだけに、井上のイニシャルトークをきっかけに、大島と山田の熱愛疑惑が再浮上したようです」(芸能関係者)

 山田といえば、昨年8月にはタレントの熊切あさ美との熱愛疑惑が報じられていた。そのため、山田の今シーズンの不調ぶりを「熊切のせいだ!」と指摘するヤクルトファンは少なくなかった。だが、ここへきて大島との熱愛疑惑が出たため、「お前のせいだったのか!」と、山田のスランプの責任は熊切から大島へと転嫁されつつある。

「熊切との熱愛が報じられた時ちょうど、山田は腰痛のために試合に出ていなかったため、『山田に夜のバットを使わせすぎるなよ』と熊切に対して非難の声が集中していました。とはいえ、それまで好調な成績を維持していたこともあり、昨シーズンは史上初の2年連続トリプルスリー達成という偉業を成し遂げました。しかし、今シーズンは開幕からずっと打率2割台と大スランプに陥り、チーム自体も低迷。そのイライラを熊切にぶつけるヤクルトファンもいるようですが、大島との熱愛疑惑が浮上したため、『スランプの原因はお前だったのか!?』と怒りの矛先は大島へと向けられ始めているようです」(同)

 シーズン前に行われた野球の世界大会『ワールド・ベースボール・クラシック』に出場した選手たちが軒並みスランプに陥ったため、山田の不調についても「WBC後遺症」と指摘する声があるが、あるいは原因は大島にあるのだろうか。

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緒方恵美が『幽☆遊☆白書』について語り大反響! 「本気で何が起こってるの」「再アニメ化?」と大盛り上がり

緒方恵美が『幽☆遊☆白書』について語り大反響! 「本気で何が起こってるの」「再アニメ化?」と大盛り上がりの画像1
「幽☆遊☆白書TVアニメ化25周年記念」公式サイトより。

「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載された冨樫義博によるマンガを原作とし、1992年~95年にかけてフジテレビ系で放送された名作アニメ『幽☆遊☆白書』。同作で蔵馬役を演じた声優・緒方恵美が自身のTwitter(@Megumi_Ogata)で『幽☆遊☆白書』について語り、「なんか新展開あるのかな?」と話題になっている。

 6月6日に52歳の誕生日を迎えた緒方。翌7日には、「誕生日明けのひとつめが、コレの仕事でした…!」と、幽助、飛影、桑原、蔵馬が描かれたポスター画像をアップ。さらに、「佐々木望さん、千葉繁さん、檜山修之くんと、再会。会って、話せて、よかった。良い意味で変わらなさすぎる…でもずっと前を向いている方々との対話は、刺激的で、かつ明日へのチカラを貰えました」「愛してるよ。幽助、飛影。桑原君。ずっと」と続けた。

 佐々木、千葉、檜山は『幽☆遊☆白書』でそれぞれ幽助、桑原、飛影を演じた声優たち。この豪華メンバーにファンは「佐々木さんと千葉さんと檜山さんと緒方さんが!? え!? ふぁお!?」「緒方さんが幽白の仕事って何が起こるんだ」「もしかして四人の会話がまた聞けるのか…?」「最後の一文が蔵馬の声で再生されて泣けた」と反響の声が上がっている。

 また、緒方は立て続けにもう一件ツイート。どうやら、現在アニメを再放送しているAbemaTVのスタッフに誕生日を祝ってもらったらしく、プレゼントらしき薔薇の花束、薔薇のケーキ、薔薇の紅茶と共に自身が写る画像をアップした。その投稿には「撮影と合わせて、蔵馬の自分が蘇ったひととき」との一文が添えられており、こちらも「本気で幽白に何が起こってるの」「なんかあるの…? なにがあるの…?」とファンは大興奮。「まさか再アニメ化?」「リメイクがくるのか!」といった憶測も上がっているが、緒方たちが何の仕事をしたのかは不明だ。

 今年でアニメ放送開始から25周年を迎える『幽☆遊☆白書』は、アニメ公式のTwitter(@yuhaku25th)や25周年記念サイトがオープン。さらに「アニメプラザ」とコラボしたカフェやグッズを販売するなど盛り上がりを見せている。アニメの主要メンバーが揃い、何かしらの仕事をしたことは間違いなさそうなので、続報に期待したい。

乱のデパート室町時代から新たな展開! 新書『観応の擾乱』に発売前から期待が高すぎて止まらない

乱のデパート室町時代から新たな展開! 新書『観応の擾乱』に発売前から期待が高すぎて止まらないの画像1
 Amazon.co.jp『観応の擾乱 - 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い』商品ページより

 つ、ついに来た!!

 中公新書の7月の新刊として告知された、亀田俊和著『観応の擾乱 – 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い』。まだ、発売前であり誰も読んでいないというのに、早くも話題沸騰の注目の本となっているのだ。

 亀田氏はこれまでも『南朝の真実:忠臣という幻想』(吉川弘文館)や『高一族と南北朝内乱』(戎光祥出版)といった、歴史クラスタならば必ず読んでおくべき本を書いてきた歴史家である。そんな人物が手頃な価格の新書で「観応の擾乱」を論じるというのだから、注目されるのも当然である。

 中公新書は、昨年には呉座勇一著『応仁の乱 – 戦国時代を生んだ大乱』を刊行。こちらは、硬派な本にも拘わらず現在37万部超えの大ヒット。また、平山優著『武田氏滅亡』(角川選書)も話題の本となっているなど、このところ歴史系の新書は良書が続々刊行され勢いづいてる。

 だが、今回歴史クラスタの熱狂する「観応の擾乱」。これを聞いて、多くの人は「そんなんあったっけ……?」と、ピンとこないはず。そう、南北朝時代の一大事件のはずなのに、教科書などではとにかく扱いが小さい。

 高校で日本史を選択していて、ようやくなんとなく覚えているレベル。手元にある小学館の『学習まんが 少年少女 日本の歴史』(初版)で確認したら3ページくらいで終わっている。一方、昨年から大人が読んでも面白いと話題になっている角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』では、けっこうなページ数を割いて扱っている。

 そんな時代と共に扱いが大きくなった「観応の擾乱」は、いうならば肉親やかつては共に戦った者たちの愛憎劇である。室町幕府の成立と共に、二つに割れた朝廷のうち南朝は次第に劣勢になる。敵の弱体化と共に征夷大将軍・足利尊氏の周囲には新たな内紛が起こる。ながらく自分を支えてきた弟・足利直義と家臣・高師直との対立である。文の直義に対し武の師直。体制が安定に向かえば、それぞれに抱える手下の都合もあって対立は当然。

 結果、どちらにつくか、そして、どちらを切るかを決心せざるを得なくなる尊氏の苦悩。さらには、直義の養子になってた尊氏の庶子・直冬(ようは妾の子)の愛憎などが絡み合う……それら昼ドラのごとき泥沼が戦乱を引き起こしたというわけである。

 もっともこれも一面的な歴史観。果たして、亀田氏がどういう歴史観で論じているかも注目すべきポイントだ。もしも「観応の擾乱」がネットで話題になったので興味を持ったが、よく知らないという人は今から前述の角川まんが学習シリーズで予習をしておくべき。

 ちなみに、この本。湊川の戦いが1ページ+1コマで終わったり、新田義貞がわずか4コマで戦死したり、後村上天皇がなぜか悪人顔だったり歴史のとらえ方がとても新しいので、いろいろと「スゴイ」の一言である。作者は南朝に何か恨みでもあるのか……?

「応仁の乱」に続いて話題となりつつある「観応の擾乱」。だが、室町時代はまだまだ戦乱はいっぱいの「○○の乱」のデパート。次に来るのは「嘉吉の乱」か「享徳の乱」か、はたまた「天文法華の乱」なのか。大義もクソもない戦乱になぜ、みんなこんなに心を引かれるのだろう。
(文=昼間たかし)

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