「サッカー」の記事一覧(15 / 43ページ)

Jリーグ開幕戦でDAZNがトラブル連発! それでも「スカパー!より好印象」のワケ

Jリーグ開幕戦でDAZNがトラブル連発! それでも「スカパー!より好印象」のワケの画像1
イメージ画像(Thinkstockより)

 2月25日、Jリーグが開幕した。ほとんどの試合が1万5,000人前後の観客を集め、鹿島アントラーズ×FC東京戦は約2万8,000人、セレッソ大阪×ジュビロ磐田戦は3万3,000人、横浜F・マリノス×浦和レッズ戦には3万9,000人が詰めかけた。平均入場者数は、昨年を上回る2万2,000人という大盛況ぶり。

 それもこれも、Jリーグの放映権を動画配信大手パフォーム・グループのスポーツライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」が10年間約2,100億円で購入したおかげだ。それにより、今年のJリーグ優勝チームには、賞金や配分金含めて昨季の4倍となる約21億円が支給されることになった。現在、Jリーグ1位の営業収益を誇るのは浦和レッズの60億円。今までは優勝しようとも、浦和に追いつくことができなかったが、今年の優勝チームは、一躍ビッグクラブに成り上がれる。そのため、各クラブが大型補強を行い、その期待感から観客が集まるという好循環が生まれているのだ。

 とはいえ、浮かれてばかりはいられない。そのDAZN中継が、トラブルを連発しているのだ。開幕初日は、16時50分から約20分間にわたって画面が頻繁に止まっていたが、この時間に試合があったのは1試合のみ。しかも、ハーフタイムを挟むという幸運もあった。問題は翌日のガンバ大阪×ヴァンフォーレ甲府戦。キックオフとなった17時から約90分、試合がまるまる視聴できない状態となってしまった。視聴者からは抗議が殺到し、DAZN側は「自社のシステムエラーが原因」と謝罪したが、一般サポーターからはそこまでネガティブな声が上がっていない。一体なぜなのだろうか? サッカー関係者に聞いた。

「実は開幕戦は、ほとんどの試合が、ホームチームの地元テレビ局かNHKで放送されていたんです。スカパー!が放映権を持っていた昨年までは、人気クラブの試合が地上波で放送されることはほぼありませんでしたが、今年は横浜×浦和戦もテレビ神奈川とテレビ埼玉が放送しています」

 また、トラブルが起きたガンバ大阪×甲府戦も、Jリーグの公式YouTubeチャンネルに90分のフル動画がアップされている。サービス開始1年目とあって、客寄せのために地上波やネットでの放送規制を緩和したDAZNだが、その方針が今回のトラブルでは功を奏したようだ。また、テレビ埼玉では現時点で、浦和がホームの試合を第12節まで放送することが決まっている。

 開幕早々、トラブル続きのDAZNだが、Jリーグ普及のための努力は、昨年以上になされているようだ。
(文=TV Journal編集部)

49億円もらってホームシックでトンズラ? テベスの中国脱出大作戦は成功するのか

40億円もらってホームシックでトンズラ? テベスの中国脱出大作戦は成功するのかの画像1
上海申花公式サイトより

 昨年末、母国アルゼンチンのボカ・ジュニアーズから中国の上海申花へ移籍した元アルゼンチン代表FWカルロス・テベスが世界中のサッカーファンの間で話題になった。年俸49億は、レアルマドリードのクリスティアーノ・ロナウドやバルセロナのリオネル・メッシをもお凌ぐダントツの世界一だ。しかし、そんなテベスが、早くも中国からの脱出プランを考えている可能性があるという。

 中国での生活になじめていないとたびたび報じられてきたテベスだが、先日のアジアチャンピオンズリーグ敗退からチームや監督にまで不満を抱いており、アルゼンチン復帰を考えているとアルゼンチン誌「Ole」が報じている。しかし、週給でおよそ100万ドルという莫大な給料をもらっているテベスは、そんな簡単に母国アルゼンチンへ戻れるのだろうか?

 実はテベスと上海申花との間には特別な契約が結ばれていた。それは“中国になじめなければ、2017年11月までにボカ・ジュニアーズが上海申花に支払った移籍金の6割である約7億8,000万円を支払えば、引退、もしくはボカ・ジュニアーズに戻ることができる”というもの。これは、なかなか珍しい契約条件だ。一体なぜテベスはこのような契約を盛り込んだのだろうか?

「テベスは何も、相手が中国だからこの契約内容にしたわけではありません。イタリアでもイングランドでも、同様の契約を交わしていたといわれています。なぜなら、そのワイルドな風貌からは想像もできないのですが、すぐにホームシックにかかってしまうからなんです。そのことはファンの間ではかなり有名ですよ。テベスの代理人は今のところ移籍を否定していますが、十分にあり得る話だと思います。言葉が通じるヨーロッパでさえダメだったんですから、中国が無理なのは当然のことだと思います」(スポーツライター)

 かといって、今までイタリアやイングランドではその権利を行使したことはない。果たして今回はあり得るのだろうか?

「この違約金をテベスが払うのか、ボカ・ジュニアーズが払うのかはわかりませんが、テベスはすでにこの2カ月で7億8,000万円を払えるほど、十分に週給でもらっています。なので今帰っても、テベスもボカも損はありません。さらに、契約のギリギリ11月までいれば40億円以上も儲けることもできるんです。さすがにそこまでするとは思えませんが『ケガをしたから、治療をするために11月までアルゼンチンに帰る』という手だってあるんですよ。イタリアやイングランドでそれをやると一生消えない汚名を着せられることになってしまいますが、サッカー後進国の中国相手だったら、0%とは言い切れませんね。なにせテベスは、金で中国へやってきたわけですから」(同)

 上海申花は、テベスを要しながらアジアチャンピオンズリーグのプレーオフで敗退してしまった。チームとしての士気はかなり下がっているといわれている。いつ移籍を決断するかはわからないが、目標のないまま中国に居座り続ける可能性も、それほど高くないように思える。
(文=沢野奈津夫)

高校時代から“塩対応”……スペインリーグ移籍・柴崎岳「不安障害」の原因は?

高校時代から塩対応……スペインリーグ移籍・柴崎岳「不安障害」の原因は?の画像1
「柴崎岳(鹿島アントラーズ) 2017カレンダー」(TRY-X)

 鹿島アントラーズからスペインリーグ2部のテネリフェに移籍した柴崎岳が苦しんでいる。

 当初より、サッカー関係者たちは、柴崎がスペインリーグで成功することは極めて難しいと予想していたが(参考記事)、柴崎はそれ以前の問題に苦しめられている。心身ともに不調で、トレーニングに参加できていないのだ。これまで多くの日本人選手が海外に移籍したが、移籍直後に胃腸炎になり、「不安障害」などとウワサされた選手はいない。

「見ての通り、柴崎は人とのコミュニケーションが得意なタイプではないんです。高校時代から注目を浴びていたにもかかわらず、取材陣を避けて裏口から帰ってしまったり、取材を受けても対応はそっけない。記者たちに『あいつは何様なんだ?』なんて陰口を叩かれる高校生なんて、初めてですよ。マスコミ嫌いの中田英寿だって、高校時代は違いましたから。柴崎は、今風にいえば“塩対応”なんです」(サッカーライター)

 プロ入り後も、柴崎が得点後に喜びを表さないことに疑問を呈するサッカー関係者が多く、「日本なら許されても、海外ではチームメイトにのけ者にされてしまうのでは?」などと指摘する声もあった。そんな柴崎も、近年では得点後にゴールセレブレーションに加わるようになり、周囲の関係者らは「日本代表に選ばれたことで、柴崎が変わり始めた」と期待していたが、その程度変わったくらいでは、情熱の国といわれるスペインの生活にはなじめなかったようだ。

「日本では、鹿島アントラーズや番記者が守ってくれていた。Jリーグの番記者は、クラブの広報のような存在で、記者に対し、常に目を光らせている。そのため、柴崎に厳しい質問をしてくるメディアは皆無。でも、スペインでは、そうはいかない。メディア対応を間違えば、即バッシングを受ける。スペイン語でチームメイトとコミュニケーションを取らなければならないというストレスに加え、メディア対応も求められる。このダブルパンチで、参ってしまっているのではないでしょうか?」(同)

 スペインリーグで成功するためには、プレー以前に「スペイン語力」「メディア対応」など、コミュニケーション力が要求される。柴崎はスペインでのプレーを熱望していたが、性格的に合うのは陽気なラテン系のスペインではなく、日本人と国民性が似ており、かつ多くの日本人選手が在籍して成功を収めたドイツのブンデスリーガだったような気がする。
(文=TV Journal編集部)

激化するサッカー中継バトル、「スカパー!」撤退で「ドコモ VS ソフトバンク」に?

激化するサッカー中継バトル、「スカパー!」撤退で「ドコモ VS ソフトバンク」に?の画像1
イメージ画像(Thinkstockより)

 先月、Yahoo!ニュースにJリーグの放映権を獲得したパフォーム・グループのスポーツライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」に対し、「DAZNで中継視聴 IT弱者に壁」という記事が掲載された。記事の中身自体はDAZNへの批判ではなかったが、見出しのインパクトは大きく、ネガティヴなイメージを持ったユーザーも多いだろう。

 そんなパフォーム・グループとNTTドコモが、国内外の人気スポーツ映像が見放題となる新サービス「DAZN for docomo」を2月15日より開始することを発表。DAZNと個別に契約した場合、月額1,750円だが、ドコモ契約者であれば月額980円で利用可能になる。さらに、支払い方法も携帯電話料金との合算払いが可能になる。

 サッカーライターの間では、冒頭のYahoo!ニュースについて、「Yahoo!とソフトバンクは、イングランド・プレミアリーグやスペイン・リーガエスパニョーラの試合が視聴できる『スポナビライブ』を共同運営しているので、DAZNへのネガティヴキャンペーンだったのでは?」といった話が上がっているようだが、ソフトバンクグループが焦るのも無理はない。

 昨年12月15日にサッカーJリーグの放送から撤退すると発表したスカパー!は、12月末の時点で3%も視聴者が減少している。さらに、1月末時点でJリーグセットの契約者を強制解約したことにより、前月末比でマイナス6万7,487件となった。この数字は、Jリーグセットを解約した件数ではなく、スカパー!自体を解約した件数のため、かなりの打撃だ。今後も減少が予想される。
 
 一方、DAZNをテレビで快適に見られるAmazonの「Fire TV」は品薄が続いており、1カ月待ちの状態だ。これらの背景を見れば、ドコモの加入者数が伸びるのは必至。だが、そうなると、パフォーム側の取り分が減る。パフォームの運営は大丈夫なのだろうか?

「パフォームは国内の加入者だけではなく、合法的な賭博ビジネスが盛んな、海外の視聴者を見込んでいるのでは? 海外の賭博の対象は、『最初にスローインを行うチームは?』『最初のファウルは?』など試合内容に無関係なものも多く、Jリーグのプレーレベルは重視されていない。むしろ、しっかりと時間通りに試合が始まるなど、Jリーグの運営面は魅力的です。天候や暴動で試合が中止になることもない。Jリーグの開催期間中、欧米はオフシーズンなので、Jリーグは賭博ビジネス側には魅力的だと思います」(サッカーライター)

 パフォームとNTTドコモの提携が発表されてすぐ、ソフトバンクもスポナビライブの料金改定を発表した。2017年からのJリーグ放映権をめぐり、昨年「パフォーム VS ソフトバンク VS スカパー」が勃発したが、今回新たにパフォーム側にドコモが加わり、サッカー中継バトルは「ドコモ VS ソフトバンク」の携帯キャリア対決に。果たして、勝つのはどちらだろうか?
(文=TV Journal編集部)

ACLで“爆買い”上海申花が敗退! 「年俸数十倍」なのに、中国はどうして負けてしまうのか?

ACLで爆買い上海申花が敗退! 「年俸50倍」なのに、中国はどうして負けてしまうのか?の画像1
上海申花公式サイトより

 8日に行われたAFCチャンピオンズリーグ2017(以下、ACL)のプレーオフは、ブランドン・ボレロとトミー・オアーのゴールでブリスベン・ロアー(オーストラリア)が2-0で上海申花(中国)を見事下し、ACL本戦出場権を獲得した。この試合は結果以外にも、近年、選手の爆買いが話題になっている上海申花と、オーストラリアリーグのブリスベンの年俸格差が話題になっている。

 上海申花に昨年末加入した元アルゼンチン代表カルロス・テベスの年俸は、およそ49億円ともいわれている。英紙「ザ・サン」によると、これは現在の世界最高年俸だ。2位はレアルマドリードのクリスティアーノ・ロナウドが満額で29.5億円なのだから、いかに場違いな金額なのかがわかる。テベスの年俸1人分で、クリスティアーノ・ロナウドと同じくレアルのベンゼマを両方雇っても、数億円のお釣りがくる計算だ。

 対するブリスベンが所属するオーストラリアリーグの平均年俸は1,000万円。いくら強豪とはいえ、大物助っ人もおらず、同国代表選手も2人しかいないブリスベンの年俸は、ここからそれほど離れた金額ではないだろう。つまり、テベスはブリスベンの選手の数十倍ももらいながら、何もできずに敗退してしまったのだ。

 上海申花は他にも“グアリン砲”でおなじみのコロンビア代表MFフレディ・グアリンの約7.5億円、おなじくコロンビア代表ジョバンニ・モレノの約3億円、ナイジェリア代表の快足FWオバフェミ・マルティンスの約9億円など、高額年俸の選手がそろっている。テベスの49億円のせいでインパクトに欠けてしまうが、助っ人外国人枠として見れば世界トップレベルの年俸だ。では、いったいなぜこんなにもお金をかけている上海申花が負けてしまうのだろうか?

「理由はいろいろありますが、一番は年俸の払い方でしょうね。例えば、クリスティアーノ・ロナウドの29.5億円というのは出来高込み。基本の19億円に、活躍してはじめてプラスされる値段なんです。これはバルセロナのメッシにしても同じ。もちろん彼らはお金なんて関係なしにスーパープレイを見せてくれるスターですが、テベスの場合はちょっと違います。なぜなら中国スーパーリーグでいくら活躍しても、評価は一切上がらないんですよ。テベスのようにヨーロッパで活躍していた選手が、中国でモチベーションを保つのは難しいみたいですね。基本給を下げて、出来高で満額49億円にしていたら全然違うプレーをすると思うんですけど。これは中国で爆買いされた助っ人選手みんなに言えることです」(スポーツライター)

 かといって年俸で駆け引きしてしまうと、中国のようなサッカー界の僻地にはスター選手は来てくれない。ちょうどいい落としどころを探ってオファーを出すか、もしくは諦めて自前の中国の選手を鍛えるしかないのかもしれない。
(文=沢野奈津夫)

W杯2002赤モヒカンの戸田が意外なキャリア? 監督として期待される理由とは

W杯2002赤モヒカンの戸田が意外なキャリア? 監督として期待される理由とはの画像1
戸田和幸公式ブログより

 2002年日韓W杯で活躍した“赤モヒカンの男”戸田和幸を覚えているだろうか? 当時、清水エスパルスに所属していた戸田は、誰よりも激しくピッチを駆け回り、全試合フル出場でトルシエジャパンのベスト16進出に大きく貢献した。宮本恒靖、柳沢敦、川口能活など、イケメンといわれる選手が多い中、戸田は同性からの支持を多く集める選手だった。いまだにファンの間では、日本サッカー史上最高の“潰し屋”との呼び声も高い。

 荒々しいのは、プレースタイルだけではなかった。チーム内でのもめ事も珍しくなく、ジーコが代表監督に就任すると確執が生まれ、召集されなくなった原因ともいわれている。しかし、お世辞にも賢いタイプには見えなかった戸田が、今は驚くことに解説者として成功を収めている。

「現在の戸田は、NHKやスカパーでビッグマッチの解説を任される日本トップクラスの解説者です。先日行われたチャンピオンシップ決勝でも抜擢されていました。現役時代はイエローカードをもらって喜んでいるような男でしたからね。まさか、解説ができるとは、近しい関係者以外、誰も思っていなかったと思いますよ。現役時代とは打って変わって、落ち着いた声での丁寧な解説が評判です。少しテレビでは言いにくい本音のようなことまであっさりと話すところも人気の秘訣でしょうね」(スポーツライター)

 順調なセカンドキャリアを積んでいる戸田が、自身のブログで、監督になるためにS級ライセンスを取得したことと、現在ヨーロッパで勉強をしていることを発表した。

「ガンバ大阪の長谷川健太監督、名古屋グランパスエイトの風間八宏監督、元日本代表の岡田武史監督など、良い解説者は良い監督になりやすいんですよ。もちろんサッカーに詳しいからっていうのはありますが、プロでやっていた人なんて、みんな解説をできるくらいの知識は持っています。ただ、良い解説者というのは、お話がうまい。これが大事なんですよ。監督というのは、最終的には、どれだけ思っていることを選手に伝えられるかですから。サッカーをいくら理解していても、話術がダメなら監督には向いてないといえると思います。日本代表の監督も、通訳を介さないといけない外国人監督に頼るのは、そろそろやめた方が良いと思いますよ」(同)

 2002年当時、あの赤いモヒカンの戸田がここまで優秀な解説者になるとは誰も思っていなかった。この調子でファンの予想を裏切り、監督して大成し、いつかは日本代表を率いる日が来るかもしれない。
(文=沢野奈津夫)

「日本人は、スペインリーグでは通用しない!?」柴崎の2部移籍と、清武のJ復帰が意味すること

「日本人は、スペインリーグでは通用しない!?」柴崎の2部移籍と、清武のJリーグ復帰が意味するものの画像1
『明日への足音』(小学館)

 サッカー日本代表の海外組がパッとしない。

 長きにわたり日本代表のエースに君臨していた本田圭佑は、ACミランの10番をつけているものの、試合にまったく出場できず。一方、香川真司も、一時期はマンチェスター・ユナイテッドのスターティングメンバーに名を連ねていたが、現在はドイツ・ブンデスリーガに出戻っている。しかも、以前のような輝きを見せられていない。沈む2人と同様、昨季、プレミアリーグをレギュラーメンバーとして制した岡崎慎司も、現在は1.5軍扱いと苦しんでいる。

 そんな本田、香川、岡崎の不調に引きずられていた日本代表の救世主となったのが、清武弘嗣だ。清武は、ブンデスリーガのハノーファーのエースとして君臨。好調そのままに、昨年6月にスペインリーグ・リーガエスパニョーラのセビージャFCへ移籍した。さらに日本代表でも、11月に行われたサウジアラビア戦でスターティングメンバーの座を奪うと、ハリルホジッチ監督の就任以降、最も高いパフォーマンスで勝利に貢献。「中田英寿→中村俊輔→本田」に続く「清武時代」の到来を告げたかに思えたのだが、スペインリーグで清武はまったく通用せず。地元紙に「冗談のような補強」と嘲笑されてしまった。なぜ、清武は調子を落としたのか?

「清武が調子を落としたというより、日本人選手がスペインリーグで通用した前例がありません。スペインリーグとプレミアリーグの2つは、欧州の中でもランクが違います。ドイツでは活躍できても、スペインリーグでは通用しません。さらに、スペインリーグは、ほとんどの選手が英語ではなく、スペイン語を話します。ラテン系が多く、コミュニケーションが重要。わかりやすい例が、俊輔の失敗です。俊輔は、チームメイトと積極的に交流するタイプではなく、英語圏のスコットランドではそれが受け入れられたのですが、スペインでは“変わったヤツ”と敬遠されてしまった。スペインと日本では、文化・アプローチの違いが大きいんです」(サッカー関係者)

 スペインリーグで失敗した清武は、今季からJリーグに復帰する。その清武と入れ替わるように、鹿島アントラーズの柴崎岳がスペインリーグに移籍したが、チームは2部。「代理人は1部チームと交渉していましたが、清武の失敗もあり、1部のチームが日本人を獲ろうとは思いません」(同)とのこと。

 Jリーグに移籍してくる東南アジアの選手に対し、「マーケティング関連」とメディアもファンも懐疑的に見ている。事実、東南アジアの選手で、Jリーグで活躍した選手はいない。それと同じ目線を、スペインリーグの関係者は、日本人に対して持っている。「清武は通用せず、柴崎は2部にしか移籍できないのは当然」というのが真相のようだ。
(文=TV Journal編集部)

スペイン1部断念、柴崎岳2部のテネリフェへ! 半年契約の妙とは?

スペイン1部断念、柴崎岳2部のテネリフェへ! 半年契約の妙とは?の画像1
鹿島アントラーズ公式サイトより

 スペインリーグ1部ラス・パルマスとの契約が破談となった鹿島アントラーズMF柴崎岳が、同じくスペインリーグ2部のテネリフェへ移籍することが決定した。テネリフェは、ラスパルマスと同じカナリア諸島に本拠地に置くクラブであり、代理人のロベルト佃氏が“保険”として用意していたクラブと見られている。

 本人の強い希望で実現した今回のスペイン移籍。当初、移籍先と見られていたラス・パルマスはスペイン1部だが、テネリフェは2部だ。とはいえ、現在昇格プレーオフ圏内の6位に位置しており、半年後に1部に上がる可能性が十分にある。しかし、念願のスペイン移籍が、契約期間たったの半年というのはどういうことなのだろうか?

「サッカーではよく移籍金という言葉が使われますが、正しくは違約金のことです。所属クラブとの契約が残っている選手を引き抜きたいとき、その違約金として移籍先のクラブが移籍元のクラブへ支払う金額のことを指しているんです。逆に今回の柴崎のように鹿島との契約が切れてから移籍する場合は、0円での移籍が可能です。テネリフェとの契約が半年間というのは、代理人のロベルト佃氏が柴崎のために交渉し、取り付けた契約でしょうね。これが2年も3年も契約してしまうと、もし、テネリフェが昇格できなかった場合大変です。高い移籍金を払ってくれるクラブが現れないと、柴崎は長い間2部にいなければならなくなってしまいますから。つまり、活躍して昇格すれば契約延長、活躍しても昇格できなかったら夏に他のクラブへ移籍、活躍できなかったら0円でJリーグへ。というように、さまざまなパターンを想定しての半年契約なんですよ」(スポーツライター)

 いきなり1部に挑戦するよりも、半年間2部でスペインの水に慣れることができるのもいい。昨今、Jリーグから0円、もしくは安い移籍金でヨーロッパへ移籍して、活躍できずにすぐに高い移籍金で日本に戻る事が問題になっている。テネリフェとの半年契約は、もしかしたら当初予定していたラス・パルマスとの契約より、結果的によかったのかもしれない。
(文=沢野奈津夫)

“ジリ貧”東京ヴェルディ「宗教団体」とパートナー契約で波紋……Jリーグ規約抵触の可能性も?

ジリ貧東京ヴェルディ「宗教団体」とパートナー契約で波紋……Jリーグ規約抵触の可能性も?の画像1
半田晴久公式HPより

 サッカーJ2リーグに沈んでいる名門の東京ヴェルディが、久しぶりに話題を集めている。

 1月10日、国際スポーツ振興協会(ISPS)とコーポレートパートナー契約を締結したことを公式サイトで発表。それに伴い、なんと新監督にミゲル・アンヘル・ロティーナを招聘したという。ロティーナ監督はスペインリーグのセルタ監督時代の2002年、チームを欧州チャンピオンズリーグ出場へ導き、ベスト16に輝いた。05年にはエスパニョールの監督を務めて国王杯を制すなど、華々しいキャリアの持ち主。財政状況が芳しくなかったヴェルディが、なぜそんな監督を招聘できたのか? サッカー関係者に聞いた。

「今季からJ1上位チームには昨季の4倍近い金額が支払われるため、各クラブが大型補強を行っています。しかし、ヴェルディの昨季の成績はJ2で18位。Jリーグの流れに乗って補強をしているというより、単純にコーポレートパートナー契約をしたISPSが、招聘にかかる費用を持ったということでしょう」

 では、ISPSとは、どのような団体なのか? 調べてみると、スポーツに関する事業、社会福祉活動及び国際協力の活動を行う団体で、特に障害者ゴルフへの支援に力を入れているようだ。その一方で、キナ臭い書き込みも散見される。というのも、ISPSの半田晴久会長は、「深見東州」の別名でも知られ、スピリチュアル研究家であり、宗教団体「ワールドメイト」の教祖なのだ。ヴェルディは新ユニフォームの胸部分などに「ISPS」に加えて「HANDA」の文字が入ることも発表しているが、これに対し、「ヴェルディとISPSの契約は、Jリーグ規約第3条5項が禁じる宗教的デモンストレーションに当たるのではないか?」といった声が上がり、ネット上を中心に騒ぎとなっている。実際、今回の契約は、Jリーグ規約に違反していないのだろうか? 

「Jリーグ理事会に問題視されることはないと思います。なぜなら、ヴェルディは宗教法人ではなく、あくまでISPSと契約したという建前があるからです。ヴェルディ社長の羽生英之氏は、もともとJリーグの事務局長まで上り詰めた人物。派閥争いに敗れてヴェルディに移ったものの、Jリーグの規約や体質は理解していますし、上への根回しもうまい。規約ギリギリに思えるパートナー契約ですが、羽生さんがセーフと踏んだということは、Jリーグが問題視しないと確信があったのでは」(前出サッカー関係者)

 ISPSとの契約金で、J2の18位とは思えない大型補強を敢行しているヴェルディ。J1復帰に期待がかかるが、「ロティーナは、近年は結果を残していない、過去の監督」との声もちらほら。華々しい新体制の発表だったが、その中身は危険をはらんでいるようだ。
(文=TV Journal編集部)

岡崎レスター、史上初の優勝から降格の可能性! 免れる条件は「わざと負ける」こと?

okazaki0125

 岡崎慎司が所属するレスターシティのプレミアリーグ制覇は、昨年のスポーツ界で一番のサプライズだったかもしれない。降格候補大本命といわれた弱小クラブが、世界有数の金満クラブを次々に打ちのめし、見事優勝トロフィーを獲得したその姿は、“おとぎ話”とまで称された。

 7部リーグにいた男ジェイミー・バーディが11試合連続ゴールでプレミアリーグ新記録を達成し、優勝オッズを5,000倍に設定していたブックメーカーに大打撃を与えた。数々の名シーン、記録を打ち立てたミラクルレスターだったが、昨シーズンがウソのように今季は不調にあえいでいる。

「ボランチのエンゴロ・カンテが抜けたのは大きいですね。今シーズンは明らかに守備の連動性を欠いてしまってますから。それと、レスターは基本的には守ってカウンターが得意なチームです。昨年は弱小と舐められていたので、相手チームが攻撃的になり、その隙をついて勝ってきました。しかし、今シーズンは他のチームも対策を取り、むやみに攻めてこなくなったのも負けてしまっている原因の一つですね。快足を誇るエースのバーディが今シーズン3試合でしかゴールを決められていないのも、それが大きな理由です」(スポーツライター)

 昨シーズンの全38試合終了時点の降格ラインは勝ち点37。そして今シーズンのレスターは、現時点で試合数22、勝ち点は21だ。これは完全に降格ペースに陥ってしまっている。もちろん今年も37がボーダーとは限らず、今のボーダーとは勝ち点5の差があるものの、かなり危ない数字といえるだろう。プレミアリーグ発足以来、王者が翌シーズンに降格するというのは、前例がない。しかし、今のままでも危ないレスターだが、これからもっと調子を落としてしまう不安要素があるという。

「レスターはチャンピオンズリーグでは調子がよく、なんとグループリーグを首位通過してノックアウトラウンドに進んでいます。これはいいことのように見えますが、これからさらに選手の疲労が蓄積してしまうので、選手層の薄いレスターにとっては、プレミア残留争いのハンディになってしまうでしょうね。チャンピオンズリーグの次の相手となるセビージャは、今シーズン絶好調でレスターが不利といわれています。しかし、セビージャは攻撃的なチームだけに、守備からのカウンターが得意なレスターにも勝つ可能性は十分にあります。一部からは『負けたほうがいい』『下手に勝ち進んで、消耗してしまったら元も子もない』『プレミア残留を優先した方がいい』という声が上がっていますよ」(スポーツライター)

 トップアスリートは負けず嫌いの塊だ。わざと試合に負けるなんてあり得ない話だろう。しかし、実際に彼らを降格に追い込む一つの原因が、憧れ続けたチャンピオンズリーグだというのだから、こんな皮肉な話はないだろう。
(文=沢野奈津夫)

サブコンテンツ

このページの先頭へ