「14ウーマン」の記事一覧(3 / 175ページ)

水味としか言いようがない水と「男はこういうもの」という枠

 水がまずい。味のしないような、するような、苦いような、酸っぱいような、えぐいような、甘いような、旨味があるような、生臭いような、鉄っぽいような、一言で表現しがたい、気持ちの悪い味がする。疲れているときやストレスを感じているときはいつもそうだ。色々なものの味がわからなくなるけど、特に「水」が一番おかしな味になる。普段はおいしく飲んでいるのに。

 しょっちゅうおかしくなるものだから、私は自分の味覚が信用できない。昨日まで食べたくて仕方なかったものが、今日には匂いを嗅ぐのも嫌になる。いつもおいしいと思って食べている料理が、急に変な味になる。とくに複雑な味のものが食べられなくなる。味覚がおかしくなっているときは、とにかくわかりやすい味のものを求めがちだ。コーラにドリトス(サルサ味)にファミチキ。うー、舌がびりびりする。コーラとドリトス(サルサ味)とファミチキの味、としか言いようのない味。

 水を特別まずく感じるのは、たぶん「水味」というものがないからだと思う。これは「水味」、だからこういう味。そういうふうに、一言で表すことができない味。複製ができない味。これがたとえばコーラだったら、一口飲むだけで「ああ、コーラの味だな」と納得することができる。コーラの味を表現するのに、「コーラ味」以上のことを考えたり、言葉を尽くしたりする必要もない。ガムやグミやキャンディーに「コーラ味」の一言が添えてあるだけで(それからちょっと茶色くするだけで)、私たちの舌は簡単にそれを「コーラ味」だと思い込む。

 水の味は複雑で、口の中で探れば探るほど奥行きのある味がする。味がしない飲み物だと思われているけど、本当は味わい深い、というより、味覚に訴えてくる情報量がすごく多い。多いだけじゃなくて繊細だ。だから疲れきった舌と頭では、うまく処理ができない。「現代人は食べ物そのものではなく情報を食べている」なんて言われるけれど、ものを食べるとき、情報によって補助線を引かれている部分はかなり大きいと思う。

 たとえば、一人ひとり違っているはずの個人を男女の枠にくくること。「女性」はこういうもの、「男性」はこういうもの。世の中には「女が怒ったときはこうやって対処しよう」「男はこういう生き物だから許してあげよう」みたいな話がそれはもう大量にあって、ある程度は当たっている部分はあるにしても、すべてがその枠に収まるわけじゃない。

 本当は、枠組みや属性を抜きにして、一からその人個人のことを考えられればいいのだ。でも疲れていたり、ストレスに晒されたりしていると、一言で表せる以上のことを感じ取ったり、考えたりするのがどうしても億劫になるのかもしれない。だから私も、コーラとかドリトス(サルサ味)とかファミチキとかを選んでしまう。健康によくないとわかっていても、ついジャンクでわかりやすい味のものを食べたくなってしまうし、どうしても分かり合えない人に対してもつい「男だからしょうがないよ」とか思ってしまいそうになる。

 考えるためには体力がいる。だからもう、ドリトスしか食べたくないみたいなときだってあるし、コーラばっかりがぶがぶ飲んじゃうときだってある。人のことなんていちいち考えていられないときだってある。そのことを、私はあまり責める気にはなれない。

 今日も水はおいしくない。だけどおいしくない水を口に含んでは、その味について考え込んでしまう。「水味」なんてものは存在しない。じゃあこれは、一体どんな味だろう。やっぱり考えるのがしんどいときは、静かに体を休めよう。そのうち体力が戻ってきて、また水をおいしいと感じられるときもくるはずから。

疲れマラの上に乗ってみた! 長距離バスでセックスしに来た24歳「ザブングル加藤似」男子

 こんにちは! 白雪魔夢子です。先日、飲みの席で「最近、笑った瞬間に尿漏れしちゃうんだよね」と恥ずかしながら語ったところ、「それはマンコが緩くなったせいだよ!」と友人に指摘されました。正確には骨盤底筋が弱ってるかもしれないってことみたいですが、まるで、笑うセールスマンに『ドーン!』されたくらいの衝撃だったよ! “ユルマン”って何かすごい嫌だよ! さて今回は、ガッツだけは人一倍のM氏(24歳)のお話です。

 M氏と出会ったのは、実はもう1カ月ほど前に遡ります。『むねでか! せふれになろーよ!(^_-)-☆』という頭の悪そうなコメントが来たのが9月の始め。「めんどくさっ」と白雪はこのコメントを無視。すると、一週間に一度くらいのペースで『おーい』『魔夢子ー』『まむこまむこまむこー』とコメントが来るようになりました。

 男性は一回メッセージを送るごとに50円。しかも、たしか女性のページを見るだけで何円かかかるはず。コメント自体には何の魅力も感じませんが、人一倍のガッツは伝わってきました。ただ、彼の住んでいる場所は私の住んでいる県からはかけ離れていたので、彼は私と何がしたいのか? 文通的なコメントのやり取りがしたいだけなのか? 不思議に思った私は返信してみることにしたのです。

白雪「すみませんが、何目的なのでしょうか」
M氏「カラダ!」

 即答かよ!!

白雪「だって、Mさん○○県住みなんでしょ?」
M氏「そうだよ! 会ってくれるなら夜行バスで行くよ!」
白雪「直通の夜行バスなんて出てないと思うけど……」
M氏「一度、東京まで出て、そこからまたバスに乗るから」

 え、14時間くらいかかるよ……? しかし、彼は「会ってくれるなら行く」の一点張り。M氏の写真を見てみると、顔は映っていないもののスーツをびしっと着たかっこよさげな男性が映っていました。

 出会い系サイトで出会った女とセックスするためだけに14時間もかけてバスに乗るイケメンなんて聞いたことがないから、きっとこれは『拾い画』か『奇跡の一枚』。とはいえ、そんな時間をかけて出会い系サイトで知り合った女性に会いに行くM氏という男性に白雪は興味が湧いてきました。近所まで来てくれるなら、会ってみよう、かな?

夜行バスで14時間。そして駅前で4時間待っていた男

 土曜日の朝。本当に彼はバスで私の地元にやってきました。朝8時頃に目を覚まし、寝ぼけまなこで携帯を確認すると、『ついたよ!』『まむこ、起きたら連絡してね』などなど6件ものラインが来ていました。メッセージが最初に送られてきた時刻は4時半……。ちょ、M氏、今どこにいるんだい!?

 急いで電話をすると、M氏ののんびりとした声が返ってきました。「駅前のバス停でだらだらしてた~。今から迎えに行くよ」駅前のバス停って、野ざらしで寒いとこじゃん!!  大丈夫!? ってかもっと待てる場所あったでしょ! 慌てて準備した白雪は、小1時間後、彼と無事に合流しました。

 M氏は、写真のびしっとしたスーツ姿とは正反対のゆるゆるの長袖ボーダーシャツ。顔はエラが飛び出しているぶん角ばって見えます。顔の造作は可もなく不可もなく、サブングルの加藤さんをたれ目にした感じ。

 話を聞くと、朝の4時半に駅に着き、それから駅前のバス乗り場の前でずーっとスマホをいじっていたとのこと。「魔夢子ちゃんとどんなプレイをしようかと思って、エロ動画見てた~」とかいうものの、その表情は冴えません。

M氏「バスがさ~、四列で、しかも俺、座席の倒し方がわからないからずーっと普通に座ったままだったんだよね。だから、一睡もできなかった~」
白雪「大丈夫? とりあえず、ホテル入ったらちょっと仮眠したほうがいいよ」
M氏「寝るなんてもったいないって。今日はやってやって、やりまくりっしょ!」

 疲れている時にこそあそこが元気になっちゃう『疲れマラ』というのもありますし? 私はいっぱい寝て元気ですし? 疲れマラの上に乗って、騎乗位でぐいんぐいん責めて、M氏を気持ち良くしてあげて、「はるばる来てよかった~」と感動してもらうプランが良いかもね!

立派な疲れマラ

 ホテルに着くとさっさとお風呂に入り、抱き合った白雪とM氏。「俺のここ見て。すごいっしょ」と言いながら、M氏はギンギンのチンチンを私に触らせてくれました。お~、立派!! さすが24歳。若いだけあって、反り返らんばかりのチンチンです。

白雪「M氏疲れてるでしょ? 私が上に乗ってあげる」

 気遣いのできる女こと白雪は彼を誘ってベッドへ。そして、ゆっくりと腰を落とし、彼のチンチンを迎え入れてあげました。はあ~、気持ちいぃ。最初はゆっくりゆっくり動いて、彼が『もっと……もっと激しくして』と切なげに言うの♡

白雪「M氏。私の中、どう?」

 腰をゆっくりとグラインドさせながら、上からエロい流し目で彼の顔を見つめる白雪。内心『キマッた!』と思っていた……のです、が。

M氏「すぅ……すう……スゥ……」

 え。ちょ……M氏目を閉じてる!! さらに腰をぐいんぐいんさせてみる。そして、じっとM氏の顔を見つめてみる………。

M氏「すぅ……すう……スゥ……」

 やっぱり、こいつ。寝とるやんけ!!!

今回の教訓『睡眠欲は性欲に勝る』

 結局、騎乗位を10分ほど続け、白雪はすっと彼の上から降りました。チンチンだけをギンギンにさせたまま、彼は寝続け、いつの間にか私も寝ていました。目が覚めたのは夕方。慌ててさくっと10分くらいで挿入だけのセックスをして外に出ました。

 私的には可もなく不可もなくだったのですが、彼的には『ただバスに揺られてお金を使って10分間のお手軽セックス』……。「また来るよ!」と去って行った彼の背中は哀愁が漂っていたような。

 夜行バスを使う時は、最低二泊三日は必要だなあと思いました。やっぱり、性欲は睡眠欲には勝てないのね……。

成宮寛貴、インスタで「丸刈りマッチョ姿」披露!! 山本裕典、江角マキコら引退芸能人は今

 昨年12月、突如芸能界から引退した成宮寛貴の近況が、10月17日発売の「女性自身」(光文社)で報じられた。海外でビジネスを行うといったウワサが昨年時点から浮上しており、現在はスウェーデンに移住しているという。

 成宮は「フライデー」(講談社)で2週に渡って、薬物使用疑惑を報じられていた。そして第2弾が発売される直前、「芸能界から消えてなくなりたい」などとする直筆FAXをマスコミ各社に送付し、その芸能人生に幕を閉じたのだ。

「その後、成宮の元交際相手を自称する男性がネット上に現れ、騒動の真相を明かすなどとしていましたが、その後は音沙汰がなくなっていました。一方、成宮はここ最近、本名を名乗るインスタグラムのアカウントを開設していたんです。顔を出した写真を何点も投稿しており、中には丸刈り頭で鍛え上げられた筋肉を披露しているものもあります」(芸能ライター)

「自身」によれば、成宮は懐事情の都合もあって、デザイナーなど新たな道を模索していたというが、業界内では「それでも成宮は、芸能界に未練を残している」(同)とされているという。薬物のイメージも完全には払拭できていないため、簡単に復帰とはいかないだろうが、新たな動向に注目したいところだ。

 一方で、3月に所属事務所が「契約内容に違反した」などとして、突如解雇されてしまったのが山本裕典。異性交際の激しさ、また事務所を通さず、複数のバーを経営していたなど、知られざるプライベートが次々と報じられていた。

「その後、山本は『自身』の直撃取材に『(芸能活動を)やりたい気持ちもありますが、現時点でどうするか、正直決められない』などとしていたものの、いまだ復帰の話はとんと聞こえてきません。山本に肩入れしていたテレビ局幹部の主導で、一時期は映画制作会社や大手プロダクションなど、“身元引受人”になれる人材を探していたようですが、結局頓挫してしまったようです」(映画プロデューサー)

 不倫疑惑報道がきっかけとなり、引退宣言した江角マキコは、この2人とは違って芸能界への未練を一切持ち合わせていないようだ。

「不倫疑惑が報じられた時点で、すでに江角は芸能活動から身を引きつつあったため、そのまま呆気なくフェードアウト。しかし、“疑惑”をかけられた男性が、詐欺事件で逮捕されたいわくつきの人物だっただけに、騒動当時、かなり波紋を呼びました。江角は当初、自身が投資した大金の返済交渉を行うため、男性のマンションに出入りしていると話していたものの、この関係は現在でも続いているようです。テレビ局勤務の夫とも、いまだ別居生活が続いているので、『芸能界よりも疑惑の男性との関係を選んだのでは』と言われても仕方ない行動でしょう」(芸能プロ関係者)

 彼らが“一般人”となってから、まだわずかしかたっていないものの、今後芸能界に戻る日は訪れるのだろうか。

紗栄子「私に普通の女性の幸せは訪れない」発言…「普通」とは何か? 映画『月と雷』に見る、「普通」の獲得

 いろいろな女性ファッション誌にモデルとして登場する一方で、ネットニュースでは「嫌われ者」と「女子の憧れ」の両方の扱いをされている紗栄子(30)さんが、10月13日に放送されたトークバラエティ番組『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に出演して、「私に普通の女性の幸せは訪れない」と発言していました。

 彼女は「他人の(男性の)お金で豪遊している」という印象を持たれているけれど、実際はビジネスをして自分で大金を稼いでいる、という話の流れで出た発言でした。「普通の女性の幸せは訪れないと思うから、自分で稼ぐ」という意味なのでしょうか。ここで紗栄子さんが想定されている「普通の女性の幸せ」とは、おそらく、優しくて頼り甲斐のある旦那様(と可愛い子供)に恵まれ、手厚い庇護のもとで安定した家庭生活を送ること――なのだと思います。離婚して自力で稼ぐことは「普通の女性の幸せ」ではない、と。

 でも「普通の女性の幸せ」を、ただひとつに絞ることなど到底出来ません。「普通」とは何か? ひとびとの生活の実態は多様です。誰も「これぞ普通」を定義することは、不可能ではないでしょうか。10月7日から公開中の映画『月と雷』は、まさにその「普通」に捉われ、「普通」に生きられないひとびとのストーリーです。

紗栄子「私に普通の女性の幸せは訪れない」発言…「普通」とは何か? 映画『月と雷』に見る、「普通」の獲得の画像2
映画『月と雷』公式webサイトより
 原作は角田光代さんの小説。主人公の泰子(初音映莉子)は、普通に生きたいのに普通に生きられない、という女性です。泰子の幼少期、泰子の父(村上淳)がシングルマザーの直子(草刈民代)と浮気をし、泰子の実母は出奔してしまいました。家には、直子とその息子・智(さとる/高良健吾)が居着き、まだ幼かった泰子は彼らとの暮らしを無邪気に楽しみます。直子が子供の面倒を見たり叱ったりしないので、泰子と智は好き放題に遊べたのです。

 しかしある日、直子と智はいなくなりました。父と二人、家に残された泰子には、もう、彼らが来る前の「普通」はありません。実母は帰らず、父は新しく身の回りの世話をしてくれる女性を迎えますが彼女は自殺、父も酒に溺れて亡くなりました。父と母のいる家庭で、穏やかに育つことが「普通の子供時代」だとしたら、泰子はその「普通」を失ったまま大人になったわけですね。

 父が遺した家にひとり暮らし、近所のスーパーにてレジ打ちのパートをしている泰子は、「普通」の友人がいる様子もありません。誰にも心を許していなさそうで、自分にも他人にも希望や期待を抱けない。過去から逃れ「普通」にありつきたい気持ちもある、けれど「普通」を甘受することに対する戸惑いや自信のなさも持ち合わせています。どういうわけか婚約者はいるのですが、彼女はこの男性にも心を許していません。

 そんな泰子の前に20年ぶりにふらりと姿を現したのが、大人になった智です(原作では30年ぶり)。智の母の直子は、定職も経済力も生活能力もなく子供を養育する能力もない女性ですが、いつも親切な誰かが助けてくれて母子共々食事や寝床の面倒を見てくれました。しかし定住して決まった相手と決まった暮らしを繰り返すことができない性分の持ち主でもあり、そんな直子を母に持った智は、直子と共にあちこち転々とする子供時代を過ごしました。泰子同様、「普通」とは無縁の流浪の少年だったというわけです。そして大人になった智も、女の子との恋愛関係が持続しないなどやっぱり「普通」に生活することができずにいます。

 20年ぶりに智と再会した泰子はその夜、家に智が泊まることを許し、自分から誘う形でセックスしました。それからというもの泰子は、これまでずっと自分の中にくすぶっていた怒りや憤りや疑問を、次々と表出していきます。自分から「普通」を奪った直子に、裕福に暮らす父親違いの妹に、ふらりと現れてまたいなくなるであろう智に感情をぶつける泰子が、自分にはどうすることもできなかった過去の経験に縛られたままでいることが、ありありと伝わってきます。

 縛られているといえば智もまた同様で、大人になり直子と別々に暮らしていても、直子が男の元からいなくなったと報せを受けるや否や探しに向かいます。一見、どこにも属さず縛られず、自由と表裏一体のだらしない生活をしているかのようでいて、過去や親の呪縛から逃れられないアラサー男女である泰子と智の姿。原作小説も映画もフィクションですから、観客として「いやいや別に過去とか親とか捨てたっていいし逃げたっていいのに」ともどかしさを感じますが、けれど敢えて距離をとらずに鑑賞してみると、うっすら共感も覚えます。だって実際、すっぱり忘れるのも縁を切るのも簡単じゃないと思うから。

 「“普通”にこだわらなくたって、自分らしく生きればいい」なんて綺麗ごとは通用しません。「普通に捉われないで」なんて凡庸なメッセージを送らない代わりに、「普通でない」ことで他人に取り返しのつかない傷を与え、とんでもない迷惑をかける可能性があることまで、『月と雷』は示唆します。それでいて「普通でいられない人」を糾弾するでもなく、静観し、突き放すのです。

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 かつて自分から「普通」を奪った上にどこかへ行ってしまった直子に、泰子は「直子さんは気ままに出ていったんだろうけど、置いてかれた人のそのあとに何が起こるかなんて考えたことないでしょ」と投げかけます。どこかに定住して定職につき日常を送ることが「普通」だとするならば、その「普通」の生き方ができず、あちこちに居着いては出ていくことを繰り返してきた直子は、泰子に限らずこれまで関わった相手から「普通」を奪い続けていたのかもしれないし、とことん傷つけてきたかもしれないわけです。

 一緒に暮らすというのは大抵の人にとって、大きな意味を持つ行動です。「親しい間柄になった」ことであり、そのような相手が自分の目の前から突然いなくなるというのは大きな喪失体験で、泰子と父親は、直子の登場と失踪によって激しく心乱されました。直子の「普通」じゃない生き方が、関わる人を傷つけるという「迷惑」な側面を持っていることは、否定できません。規範と節度の狭間で、みんなバランスをとって器用に生きられたらいいのに。

 そして、自分から「普通」を奪った相手である智および直子と再び関わることが、多少なりとも泰子の心を解放させたのですから、皮肉な話です。泰子は智の子を妊娠しましたが、女にとって妊娠と出産・育児は「普通」の枠内に置かれているアクションです。ではこれまで「普通」を希求してきた泰子がこの先「普通」に生きていけるのか、お腹の子に「普通」を与えてやれるのかというと、それはきっとまた別問題なのでしょう。そもそも泰子が望む「普通」は、生育環境や生活条件のことではないのだと思います。人間を当たり前に信頼できるかどうか、喪失感に怯えずにいられるかどうか、つまり彼女の心の内側にそうした「普通」の安心が欲しいということだったのではないでしょうか。とすれば、変えることの出来ない過去ではなく、これからの未来次第で彼女が、彼女にとって必要な「普通」を獲得することが可能だと考えることも出来ます。

 この物語の枠外、つまりこの現実社会でも同様に、自分にとって必要な「普通」を獲得できれば人は生きていけるのではないかと思います。たとえば冒頭にテレビ番組での紗栄子さんの「普通の女性の幸せ」発言を取り上げましたが、紗栄子さんは彼女にとって必要な「普通」を獲得し、そのことに納得しているように見えました。一律の共通概念としての「普通」など機能しないのだと彼女は知っているはずです。

『今からあなたを脅迫します』妊娠中で撮影に挑む武井咲に“腹パン”シーンで視聴者ザワザワ

 武井咲(23)とディーン・フジオカ(37)がW主演を務めるドラマ『今からあなたを脅迫します』(日本テレビ系)の第1話が15日に放送された。先月、EXILE・TAKAHIRO(32)との“できちゃった結婚”を発表した武井。ネットには、現在妊娠4カ月中で撮影中の武井を心配する声が多数上がっている。

 警察や探偵では扱えない事件を脅迫で解決する脅迫屋・千川完二(ディーン・フジオカ)と、お人好しすぎる女子大生・金坂澪(武井咲)がさまざまなトラブルに巻き込まれていく本作。第1話では、澪のアパートに突如、差出人不明のDVDと電話番号が届く。その映像では脅迫屋を名乗る男が「振り込め詐欺で騙し取った金を返さないと恋人を殺す」と“恋人”の佐藤(稲葉友)に銃を突き立てていた。しかし、澪はその男にまったく覚えがない。恋人なんていないからだ。しかし、澪はお人好しなため佐藤を助け出そうと動き出してしまう、というストーリーだった。

 作中ではアクションシーンもあり、ディーンが敵をバタバッタと倒していく。武井もトラブルに巻き込まれていくので、第1話では手足を拘束されるシーンがあったうえ、敵にみぞおちを殴られて失神させられる、というシーンでは、さすがに妊婦の腹を叩くことはできないので、腹部は映さず、叩いているように見えるよう撮影していた。スタッフ側も身重の武井を気遣っているのだろうが、視聴者からは「ハラハラする」「落ち着いて見られない」といった声も上がっている。

 先日行われたドラマのイベントで武井はディーンについて「口癖のように『安全第一』と言ってくださり、現場を引っ張ってくれています」と話していた。また、ドラマの番宣についてもディーンがほぼ一手に引き受けている状態だ。おそらく万全の体制で撮影しているとは思うが、ネットには「やっぱり妊娠中だから心配」「つわり大丈夫かな……」「武井咲のお腹が気になってしまう」と武井を心配する声が多い。また、「アップになるとかなり疲れが見える」「咲ちゃんの目のクマ酷すぎ」とも。

 たしかに、ドラマの武井は若干目元が疲れているように見えるカットもあったが、容姿は妊娠前とさほど変わらない。服装に関しては、デニムのオーバーオールやゆったりとしたパンツスタイルだが、女子大生という役どころなので、たいして気にならなかった。

 なお、第1話の平均視聴率は8・0%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)という、まずまずな数字。武井も身体を張っているだけに、数字も振るってくれるといいのだが。

石原さとみと山下智久、破局していた! ジャニーズ側は「そもそも交際してない」一点張り!?

 かねてから交際が取り沙汰されている、石原さとみと山下智久だが、両者はすでに破局を迎えたようだ。9月、一部週刊誌には「交際が黄色信号」という記事が出ており、関係者によれば「この記事が出た時点で、別れていた」という。

 交際のきっかけは、2015年放送の月9ドラマ『5→9 ~私に恋したお坊さん~』(フジテレビ系)での共演とされている。その翌年から、「女性セブン」(小学館)と「フライデー」(講談社)両誌が、双方の自宅マンションへ2人が訪れる様子を報じていた。

「ジャニーズ事務所、ホリプロとも交際は認めていないものの、タイミングが合えば週の半分はどちらかの家で過ごしていただけに、結婚秒読みだといわれていました。石原は、昔から、結婚願望が強いという情報が出ていたので、ネット上でも『ビッグカップル誕生か?』と騒がれたものです」(週刊誌記者)

 ところが9月、「セブン」が、近頃2人は会う機会もなくなり「破局説も出ている」という記事を掲載した。

「確証はないものの、結婚を意識する石原と、その気はまだない山下だけに、バランスが取れなくなっているのでは……との推察記事でした。どうやらこの時点で、すでに石原と山下は関係を解消していたそう。原因はさまざまあるでしょうが、やはり“宗教の壁”が大きかったのでは」(芸能プロ関係者)

 代々にわたって創価学会員とされる石原は、当然、結婚相手にも入信を希望していたという。

「以前の交際相手も、結局はそこがネックとなって別れを切り出したとか。山下の家族も、交際自体は応援していたものの、宗教に関わる面には、あまり前向きにはなれなかったのでしょう」(同)

 しかし、両者の破局を断定するメディアは現在も皆無。その理由は「事務所の都合」なのだという。

「それこそ片手では足りないほどのメディアが、ジャニーズサイドに問い合わせを敢行したそうなんですが、何度聞いても『破局うんぬん以前に、そもそも付き合っていない』と突っぱねられてしまう。こうなると当人に直接聞く以外に、破局を立証する手立てがないだけに、新聞や週刊誌は破局報道が出せないというわけです」(スポーツ紙デスク)

 こうして「結婚秒読み」から一転、フリーとなってしまった石原。しかし、先月発売された写真集『encourage』(宝島社)は間もなく売り上げ10万部突破、また来年1月からは、主演ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)も控えているとあって、仕事面では絶好調だ。今後はひとまず、仕事に打ち込む日々を送るのだろうか。

女ひとりメシが楽しい! アラフィフ主婦の「平日夜くらいは誰にも気兼ねなく一人でいたい」本音

「孤独のグルメ」は下戸の自営業中年男性が仕事の合間に飲食店に立ち寄りひたすら一人メシする漫画だが、一方で、同じようにおひとりさま外食を楽しむ中年女性も存在する。だが世の中は、まだ女性のおひとりさまには厳しい目を向けてしまうようだ。

貧乏アラフォー主婦・毎日一人で外食

 「タイトル通り、貧乏なアラフォー主婦です」というが、実はこれはのちのトピ主レスからアラフィフィの間違いであることがわかる。トピ主はアラフィフ女性、既婚者であり夫の扶養範囲内でのパートタイマーをしている。パートの帰り、ほぼ毎日ひとりで外食しているのだそうだ。とはいえ大した食事ではなく、ハッピーアワーのビール1~2杯と軽食などで、平均1000円前後。いわゆるセンベロだ。

 トピ主はバブル世代。大学進学と同時に一人暮らしを始め、「週2日位は男性が奢ってくれましたが、残り5日は自腹で一人メシ」の毎晩外食だったのだという。

「就職後は仕事がハードで、毎日同僚と夕飯を外食しては会社に戻って深夜まで残業する生活でした。結婚してからも退職後もその習慣が抜けず、いまも続いています。数えてみたら、もう35年くらい、ほぼ毎日外食しています。その80%以上が『一人メシ』です」

 そんな一人メシをあれこれ言われるのもイヤなのでパート仲間には内緒にしているが、職場の近くで一人で飲み食いしているので誰かに見られているかもしれないとトピ主は言う。

「他に私のような人を知らないのですが、私自身もそうなように、こっそりやってる人はいるのかも知れません。私のような人はいませんか?」

 と、お仲間を探すトピである。

 中年女性が仕事上がりにハッピーアワーでちょい飲み……楽しそうではないか。だが、トピ文を「アラフォー」と書き間違えていたことから“バブル世代ならアラフィフでは?”というツッコミと、もうひとつ“貧乏な専業主婦なのに毎日飲んでいるのか”、“主婦なのに食事は作らないのか”という批判が集まった。

「本当に貧乏なら毎日1000円×約30日=ひと月あたり3万円の余裕が無いです」

「主婦なのに毎日外食 旦那さん大変な嫁をもらったなあ。我が娘なら叱ります」

「女性でも独身なら主様のような生活解りますが、家庭がある人としては驚きです。ご主人の夕飯はどうされているのですか? お子様は? 普通なら家庭を持てばどんな女性でも夫婦で夕飯を食べる(外食でも)と思うのですが」

「ずっと貧乏なままですね。アラフォーがアラフィフになりアラカンになっても主さんの上には『貧乏』が付いてまわります。1人メシお好きになされば宜しいが老婆心ながら夫さんどうしていらっしゃるのかしら? 夫婦で1人メシ? バブルはとっくに弾けたんですよ」

 もちろんコメントには同意するものもあるが、こうした批判が多めである。そしてようやくトピ主レスが書き込まれた。

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「何十年も『おひとりさま』やって自分が浮いているのを感じていたので(=中毒患者のように、やめられないのも後ろめたく)、発言小町でも、何度か同じ趣旨のトピックを立てたことがあります。でも同じような方がいらっしゃらなくて…

アラフォーの頃には『40代なら高級な店に行くでしょ。私は○○に行ってます。安い店に行くから同類がいないんじゃないの?』みたいな、要するに自慢レスが多くて、

そういうことじゃないんだよな~

と毎回がっかりしてました。

週末の外食は家族一緒ですし、平日ランチも同僚達と一緒なので、平日夜くらいは誰にも気兼ねなく一人でいたいのが本音です。

それならとっとと帰宅すればいいのですが、どうも帰宅途中で引っかかってしまう。

先日TV番組で、サラリーマンならぬ『ブラリーマン』とかいうのを特集してました。

まっすぐ家に帰るのがいやで、用もないのにぶらぶらして時間を潰しているサラリーマンが増えているらしい。

でもあまりお金がないので、缶ビール買って公園で飲んだり、以前なら一駅分歩くところを最近では二駅分歩いてわざと時間をかけたりしてるとか。

私はそのおばさん版っていう感じでしょうかね」

 夜は一人メシだが、昼間はお弁当か買い食い。そんなトピ主は最近、ファミレスでちらほらと中高年の一人女性客を見かけるようになったため、もしかしてお仲間が増えているのではないか? とトピ立てに踏み切ったそうだ。確かに近所のファミレスで筆者も中高年一人女性の食事を見たことがある。ちなみに筆者も日高屋でのちょい飲みや、仕事上がりのサイゼリヤが好きなタイプなので、トピ主のお仲間かもしれない。

 さてツッコミで多かった“家族の食事はどうしているのか”という件についてもレスがあった。トピ主夫妻に子供はおらず、夜遅めに帰宅する夫は、トピ主の手料理が好き。なので、パート上がりに一人メシをして帰宅した後食事を作り、夫が帰宅したら一緒に食卓を囲むのだという。トピ主は食べてきているので、おかずをつまむ程度らしい。なんだか幸せそうで良いではないか。

 なのにトピ主レスを続けるごとに、コメントは批判的なものが増えてゆく。“貧乏じゃない”、“夫には和牛を食べさせて自慢か”、“トピ主は浪費をしている”、“普通の思考じゃない、カウンセリングを受けた方がいい”などなどだ。かわいそうに……。一人メシでカウンセリングをすすめられるなんて(涙)。普通の思考じゃない、って、大きなお世話すぎる。

 とはいえ一方で「私も!」と手をあげるお仲間もいた。よかったねトピ主。

「私も一人メシ、一人呑みが多いです。何よりの至福のときです。誰かに見られていたらかっこ悪いなぁーとは思いますが、別に悪い事をしている訳じゃないんだからと、開き直って楽しんでいます。一人呑みが平気になって、人生の楽しみが増えました。オバさんになって良かった事の一つです。ただ、気も遣っていますよ。一人でテーブルを占領するのは、お店に悪いので、混む時間は避ける。カウンターや二人用のテーブルに着く。サクッと呑み食いしてサッサと帰る。などを常としています。『一人が一番気が揃う』私の好きな言葉です」

「海外一人旅が多かったので一人飯は当たり前、六十歳過ぎた今でも一人で外食しますよ。結構エンジョイできています」

「私は一人ランチしてます。友達少ないし、食べたい時にすぐ食べたいので、一人カウンター寿司、一人会席、一人フランス料理、なんでも来いです。主人は、美味しいご飯を食べたい時にたくさん食べるように勧めてくれているので、それでストレスも発散できますし、とっても健康です」

「私も一人で昼飯を食べます。職場の人にバレても、知らん顔していればいいや~位にしか考えていません。職場での私は相当な飲んだ暮れキャラが確立しているため、1人飲みしているところを見られて、驚かれたとしても、『何を今更・・・』と返してしまいます。

先日は、一人で回転寿司を食いました。誰にも邪魔されないし、自分が食った分だけ支払えばいいので、やっすいなぁ~と思いました」

「人間、食べられなくなったらおしまいですよ。お金が続くなら、ケチケチしないで美味しく食べましょう。その方が、かえって医療費もかからずに済んだりします」

「私も50代。子育て期間は独りで外食なんて考えてもなかったです 子育てが終わり独りご飯楽しんでます!」

「私もです。私はバブルを経験してないアラフォーです。バブル羨ましいな。

貧乏なとこも一人外食が多いのも同じです。週5日パートに出て、週に4日は外食してます。モスとかが多いです」

 意外と多い! そうそう、チェーンの店での一人メシがなんだか楽しいんですよね~。お仲間ではないが「うらやましい!」という声もあった。

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「人が好きなことを自由にするのに『ふつうか、そうじゃないか』なんて気にしなくていいと思うな。それが反社会的で人に迷惑かけるようなことでないかぎり、誰だって好きなことして人生楽しんだ方が、世の中だって楽しくなるんじゃないかな。

ハッピーアワーにちょっとアルコールやりながら、今日の疲れを癒してのんびり待ち行く人々を眺めたり、いーなあ、私もやってみたい。黄昏時に、ハイボールでもひっかけながら、子供の世話とかダンナの夕食とか明日の準備とか考えずに、ひたすらぼーっとしてみたい」

 多分トピ主もそれが大事な息抜きの時間なのかもしれないなぁ。とはいえ、こんなコメントもあった。

「私も、時々ご飯作るのめんどくさい時なんかに、衝動的に1人飯します。

でもある日、会社帰りにファミレスで夕食とっていたら、隣のテーブルにいた女子高生2人組にジロジロ見られ、『ねぇねぇ、あの女の人1人で食べてるよ。友達いないのかなぁ』『ちょっと、聞こえるよ』みたいな会話しながら、ケラケラ笑っていました。

世の中にはまだまだ、1人でご飯食べる女性=ボッチ飯、友達がいない。という発想の人もいるのです。友人に、私が1人でラーメン食べに行った事を話したら『えー!? 1人で入ったの? 変な目で見られなかった?』みたいな感じで驚かれました。

同僚、ご近所など女性の知人には絶対知られないようにするのが身のためだと思います」

 なんとなんと中年女性が一人メシをするとさみしい人間と思われることもあるのだ。だが中年女性の一人メシは、先のトピ主レスやコメントでの賛同意見のように、わびしいどころか当人たちはそれを楽しんでおり、一服の清涼剤として生活の大事な習慣にすらなっているのである。男性の一人メシと同じく、女性の一人メシを変な目で見るのはやめてほしいものだ。
(ブログウォッチャー京子)

全身リップ、フェラ、素股も教わる、風俗嬢の通過儀礼・講習の中身とは?

 女性が体を売る、風俗の仕事に就く理由はさまざまです。私の友人風俗嬢たちは私が元ホス狂いということもあって、「ホストに貢ぐため」であることが多いですが、その友人たちに聞くと「生活費を稼ぐため」「目標があるから」「楽にお金を稼げるから」「出勤すればお金がもらえるからダラダラ在籍している」……という理由で風俗をやっている子もいるそうです。

 風俗は店舗の数も多いため、“働こうと思えば”、基本的に誰でも働くことができてしまうお仕事です。この間は風俗の面接について、ピンサロ・ヘルス・ソープとさまざまな業種&店を経験した現役風俗嬢のりりあさん(23歳/仮名)に話を聞きましたが、今回は面接の後に待ち構える「講習」について教えてもらおうと思います。

▼風俗の面接って何をするの? 意外と簡単に入れてしまう風俗業界

男性スタッフと“実技あり”の講習

 風俗における「講習」とは、お客さんをどのように接客するか、一連の流れをスタッフがレクチャーするというもの。もちろんプレイ内容の説明もありますが、りりあさんいわく、「お客さんを楽しませてあげよう、癒やしてあげよう、という精神的な部分も教え込まれる」そうです。

 りりあさんの初風俗はヘルスでした。面接時に風俗業界は未経験であることをスタッフに伝えると、「じゃあ講習をしなくちゃね」と言われたそう。その店は都内に何店舗か展開しているグループ店だったので、講習にはグループの偉い人がやってきたといいます。もちろん男性です。

「マンツーマンで、実際にお客さんを接客するプレイルームで講習が始まりました。まずは口頭での説明でしたが、実際に男性スタッフ相手にプレイもしました。一緒にシャワー室に入って、お客さんの身体のどこをどのように洗うだとか、全身リップやフェラ、素股のやり方だとかを実際にやっていきました。もちろん実際にスタッフのチンコを舐めましたよ。スタッフは勃起こそしていましたが、講習なので射精はせず。でも私の心臓はバクバクでしたよ。初対面のおじさんの前で裸になることも、肌を合わせるのもこれがはじめてだったので」

 講習でプレイ同然の行為をすること(もちろん無銭で)にりりあさんはどこか釈然としなかったそうですが、「口頭だけの説明だったら、実際の接客時に混乱しそうだから、仕方ないか」と状況を受け入れたといいます。

 しかし、後になって振り返れば、「講習は受けといてよかった」そうです。なんでも、講習で教えてもらった「無理矢理本番をしようとする客の回避方法、対処方法」が実際の接客でかなり役に立ったからだとか。

ソープでは挿入させられた

 その後、りりあさんはピンサロ、デリヘルを経験しましたが、そこでは口頭のみの講習だったそうです。「経験者だから省かれたのかもしれませんが」。しかし、ソープに入店した際、再び実技ありの講習を受けたそうです。

「ソープは必ずと言っていいほど、マットプレイがあるので、それを習う講習でした。その店もソープ経験者であれば、講習は省いているそうですが、私はマットプレイが未経験者だったのでありました。ソープは店によって女性の講習員がいたりしますが、私の店は店長が講習をしました。店長が一連のマットプレイの流れを実技アリで教えてくれるんですが、最初は私が客役になって、店長が私にマットプレイをしてくれました……。男性にマットプレイされることなんて、後にも先にもないんじゃないでしょうか(笑)」

 店長のマットプレイを堪能(?)した後、実際にマットプレイを実践したりりあさん。ですが、そこで驚くべきことが起きたそうです。

「自分がマットプレイをする側の時、教える流れで挿入されたことですね。ローションもあってすんなり入ってしまったのですが、講習でも挿入するんだと。びっくりしてキョトンとしていたら、店長に『接客の時はちゃんと反応するんだよ』って言われて。まあソープは本番アリだけど……。もし私がエッチな反応をしていたら、そのままセックスして射精するつもりだったのでしょうか。正直、それから当分は店長のことを信用できずにいました」

 りりあさんいわく、講習の内容は本当に店次第だそうです。ですが、彼女の話を聞く限り、業界未経験者であれば、ほぼ実技ありの講習があると思っていいでしょう。

全身リップ、フェラ、素股も教わる、風俗嬢の通過儀礼・講習の中身とは?

 女性が体を売る、風俗の仕事に就く理由はさまざまです。私の友人風俗嬢たちは私が元ホス狂いということもあって、「ホストに貢ぐため」であることが多いですが、その友人たちに聞くと「生活費を稼ぐため」「目標があるから」「楽にお金を稼げるから」「出勤すればお金がもらえるからダラダラ在籍している」……という理由で風俗をやっている子もいるそうです。

 風俗は店舗の数も多いため、“働こうと思えば”、基本的に誰でも働くことができてしまうお仕事です。この間は風俗の面接について、ピンサロ・ヘルス・ソープとさまざまな業種&店を経験した現役風俗嬢のりりあさん(23歳/仮名)に話を聞きましたが、今回は面接の後に待ち構える「講習」について教えてもらおうと思います。

▼風俗の面接って何をするの? 意外と簡単に入れてしまう風俗業界

男性スタッフと“実技あり”の講習

 風俗における「講習」とは、お客さんをどのように接客するか、一連の流れをスタッフがレクチャーするというもの。もちろんプレイ内容の説明もありますが、りりあさんいわく、「お客さんを楽しませてあげよう、癒やしてあげよう、という精神的な部分も教え込まれる」そうです。

 りりあさんの初風俗はヘルスでした。面接時に風俗業界は未経験であることをスタッフに伝えると、「じゃあ講習をしなくちゃね」と言われたそう。その店は都内に何店舗か展開しているグループ店だったので、講習にはグループの偉い人がやってきたといいます。もちろん男性です。

「マンツーマンで、実際にお客さんを接客するプレイルームで講習が始まりました。まずは口頭での説明でしたが、実際に男性スタッフ相手にプレイもしました。一緒にシャワー室に入って、お客さんの身体のどこをどのように洗うだとか、全身リップやフェラ、素股のやり方だとかを実際にやっていきました。もちろん実際にスタッフのチンコを舐めましたよ。スタッフは勃起こそしていましたが、講習なので射精はせず。でも私の心臓はバクバクでしたよ。初対面のおじさんの前で裸になることも、肌を合わせるのもこれがはじめてだったので」

 講習でプレイ同然の行為をすること(もちろん無銭で)にりりあさんはどこか釈然としなかったそうですが、「口頭だけの説明だったら、実際の接客時に混乱しそうだから、仕方ないか」と状況を受け入れたといいます。

 しかし、後になって振り返れば、「講習は受けといてよかった」そうです。なんでも、講習で教えてもらった「無理矢理本番をしようとする客の回避方法、対処方法」が実際の接客でかなり役に立ったからだとか。

ソープでは挿入させられた

 その後、りりあさんはピンサロ、デリヘルを経験しましたが、そこでは口頭のみの講習だったそうです。「経験者だから省かれたのかもしれませんが」。しかし、ソープに入店した際、再び実技ありの講習を受けたそうです。

「ソープは必ずと言っていいほど、マットプレイがあるので、それを習う講習でした。その店もソープ経験者であれば、講習は省いているそうですが、私はマットプレイが未経験者だったのでありました。ソープは店によって女性の講習員がいたりしますが、私の店は店長が講習をしました。店長が一連のマットプレイの流れを実技アリで教えてくれるんですが、最初は私が客役になって、店長が私にマットプレイをしてくれました……。男性にマットプレイされることなんて、後にも先にもないんじゃないでしょうか(笑)」

 店長のマットプレイを堪能(?)した後、実際にマットプレイを実践したりりあさん。ですが、そこで驚くべきことが起きたそうです。

「自分がマットプレイをする側の時、教える流れで挿入されたことですね。ローションもあってすんなり入ってしまったのですが、講習でも挿入するんだと。びっくりしてキョトンとしていたら、店長に『接客の時はちゃんと反応するんだよ』って言われて。まあソープは本番アリだけど……。もし私がエッチな反応をしていたら、そのままセックスして射精するつもりだったのでしょうか。正直、それから当分は店長のことを信用できずにいました」

 りりあさんいわく、講習の内容は本当に店次第だそうです。ですが、彼女の話を聞く限り、業界未経験者であれば、ほぼ実技ありの講習があると思っていいでしょう。

PMS(月経前症候群)という新しい“市場”がつくる、“不安定な女性像”に対する懸念

 日本の女性たちが月経(生理)に関して抱える問題は、大きく分けて3つある。経血処置と月経痛とPMS(月経前症候群)である。

 経血を布や紙や脱脂綿で処置していた時代に比べれば、今日の生理用品は至れり尽くせりなので、経血処置の問題は概ね解決したと言っていいだろう。「使い捨てナプキン有害論」や「生理用品メーカー陰謀論」を唱える人もいるが、極めて一部の人たちだと思いたい。

 次に月経痛について。これは個人差が大きく、まったく感じないという人もいるが、重い人にとっては深刻である。しかし、薬品各メーカーが月経痛に特化した鎮痛薬を相次いで発売しており、それでも効かなければ、婦人科で有効な鎮痛薬を処方してもらえる。最近では、ピルを処方してもらい、月経自体をコントロールすることもできる。もちろん、それでも解消しない人もいるので、看過できない問題だが、一昔前と比べると解消の手段は増えている。

 このように、経血処置と月経痛という二大問題が解消されつつある今、にわかに存在感を増しているのがPMS(月経前症候群)の問題である。PMSとは、月経前に現れる頭痛、腹痛、浮腫みといった身体的不調や、不安感、憂鬱などの精神的不調を指す。

 生理用品、月経痛薬などの月経関連商品のなかで、今後最も売上げが期待されるのがPMS関連商品だろう。すでにPMSの症状を緩和するとされる市販薬やサプリメント、グッズが登場している。また、経血処置や月経痛についてはほとんど取り上げてこなかったメディアも、PMSについては積極的に取り上げている。

 例えば、まだPMSがあまり世間に認知されていなかった今から4年前、NHK『あさイチ』が「PMSによる精神変調」を取り上げていた。放送後、めったに取り上げられることのないPMSが取り上げられたためか、視聴者からは概ね好意的な意見が寄せられていた。しかし、放送内容には懸念を覚える点もあった。

 以下は、普段は温厚な性格であるにも関わらず、月経前一週間は夫に対する苛立ちを抑えることができないという女性の事例を再現したVTRの内容である。

女性は月経開始の前日、仕事で帰りが遅くなるため、保育園に通う子どもの迎えを夫に頼んだ。夫は「おれが迎えに行ってあげるよ」と承諾したのだが、妻は「あげる」という表現が気に入らず、「はあ? 迎えに行って“あげる”?」と怒り出した。妻をなだめるために食器を洗い始めた夫。「家事を手伝っていれば嵐が過ぎるとでも思ってるの? それで済むと思ってるの?」。ますます激昂した妻は、手元にあったリモコンを夫に投げつけた――

 この再現VTRを見たスタジオの女性ゲストは、「(自分と)同じ!」と相槌を打ち、こうしたイライラは月経前だけで、月経が始まれば収まるのだと補足した。たしかにそれが彼女にとっての実感なのかもしれないが、月経のあるすべての女性を代表しているかのような発言に、懸念を感じた。

 『あさイチ』という番組の欠点は、こうしたゲストの奔放な発言に対する専門家の補足が不十分な点である。

 番組ウェブサイトには、「あのイヤなイライラの正体は『月経前症候群』と呼ばれるもの。多くの女性にこの症状が現れると言われています」「生理のおよそ2週間前から数日前の間に始まる、イライラや落ち込み、頭痛、むくみなどの症状は『月経前症候群』です」とあったが、「多くの女性」が長ければ2週間もの間、些細なきっかけで激昂しやすい状態にあるのだとすれば、女性には理性がないも同然である。

改ページ

 PMSの症状は、身体的症状と精神的症状を合わせて150以上もあるといわれている。このうち1つでも症状が当てはまればPMSと診断されるため、月経のある女性のうち9割がPMSを経験しているという報告もある。しかし当たり前だが、それは9割の女性が月経前に理性を失うということではない。

 また、頭痛、腹痛、浮腫みといった一般的なPMSの症状はもちろん、重篤な精神変調(※)に対しての治療法も確立されつつある。 『あさイチ』は、再現VTRにあったような極端な事例を紹介するのであれば、治療法についても触れるべきだった。これでは、PMSに対する誤解を生み、いたずらに月経前の女性に対する偏見を煽っていると批判されても仕方がない。

 これは 『あさイチ』に限られた話ではない。普段は温厚で仕事もできる女性が、月経周期に翻弄されるという話を面白がる人たちが一定数いるので、同じような内容の番組がたびたび放送されることになる。

 女性の社会進出が進んできている今日、それでも女性にはハンディがあると言いたい場合、女性にしかない月経は利用のしがいがある。女性にとって結婚や出産が当たり前でなくなった今、月経は女性を「意味づける」ための最後の拠り所なのである。

 PMSという概念が日本社会に急速に浸透しつつあるなか、それがどのように伝えられ、定着していくかは、今後の女性の在り方に大きな影響をおよぼす。したがって、メディアによる偏った伝えられ方、描かれ方に注目していきたい。

 私は、医療によって痛みや苦しみから逃れられるのであれば、積極的に利用したいタイプの人間である。月経痛しかり、出産しかり、PMSについても症状が辛ければ婦人科を受診すればよいと考える。

 しかし、「ごく当たり前の月経前の不快症状」に診断名をつけて医療化すること自体が、女性全体にとって不利であり、“新たな月経タブー”だという考え方もある。したがって、PMSの症状には個人差があることが周知されなければならない。特に企業がPMS関連商品を発売するにあたっては、コマーシャルが女性観に与える影響を十分に考慮する必要がある。

※)月経前の重篤な精神変調を指す概念としてPMDD(月経前不快気分障害)があり、精神医学の分野で治療法などの研究が進んでいる。

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