「孤独のグルメ」は下戸の自営業中年男性が仕事の合間に飲食店に立ち寄りひたすら一人メシする漫画だが、一方で、同じようにおひとりさま外食を楽しむ中年女性も存在する。だが世の中は、まだ女性のおひとりさまには厳しい目を向けてしまうようだ。
貧乏アラフォー主婦・毎日一人で外食
「タイトル通り、貧乏なアラフォー主婦です」というが、実はこれはのちのトピ主レスからアラフィフィの間違いであることがわかる。トピ主はアラフィフ女性、既婚者であり夫の扶養範囲内でのパートタイマーをしている。パートの帰り、ほぼ毎日ひとりで外食しているのだそうだ。とはいえ大した食事ではなく、ハッピーアワーのビール1~2杯と軽食などで、平均1000円前後。いわゆるセンベロだ。
トピ主はバブル世代。大学進学と同時に一人暮らしを始め、「週2日位は男性が奢ってくれましたが、残り5日は自腹で一人メシ」の毎晩外食だったのだという。
「就職後は仕事がハードで、毎日同僚と夕飯を外食しては会社に戻って深夜まで残業する生活でした。結婚してからも退職後もその習慣が抜けず、いまも続いています。数えてみたら、もう35年くらい、ほぼ毎日外食しています。その80%以上が『一人メシ』です」
そんな一人メシをあれこれ言われるのもイヤなのでパート仲間には内緒にしているが、職場の近くで一人で飲み食いしているので誰かに見られているかもしれないとトピ主は言う。
「他に私のような人を知らないのですが、私自身もそうなように、こっそりやってる人はいるのかも知れません。私のような人はいませんか?」
と、お仲間を探すトピである。
中年女性が仕事上がりにハッピーアワーでちょい飲み……楽しそうではないか。だが、トピ文を「アラフォー」と書き間違えていたことから“バブル世代ならアラフィフでは?”というツッコミと、もうひとつ“貧乏な専業主婦なのに毎日飲んでいるのか”、“主婦なのに食事は作らないのか”という批判が集まった。
「本当に貧乏なら毎日1000円×約30日=ひと月あたり3万円の余裕が無いです」
「主婦なのに毎日外食 旦那さん大変な嫁をもらったなあ。我が娘なら叱ります」
「女性でも独身なら主様のような生活解りますが、家庭がある人としては驚きです。ご主人の夕飯はどうされているのですか? お子様は? 普通なら家庭を持てばどんな女性でも夫婦で夕飯を食べる(外食でも)と思うのですが」
「ずっと貧乏なままですね。アラフォーがアラフィフになりアラカンになっても主さんの上には『貧乏』が付いてまわります。1人メシお好きになされば宜しいが老婆心ながら夫さんどうしていらっしゃるのかしら? 夫婦で1人メシ? バブルはとっくに弾けたんですよ」
もちろんコメントには同意するものもあるが、こうした批判が多めである。そしてようやくトピ主レスが書き込まれた。
改ページ
「何十年も『おひとりさま』やって自分が浮いているのを感じていたので(=中毒患者のように、やめられないのも後ろめたく)、発言小町でも、何度か同じ趣旨のトピックを立てたことがあります。でも同じような方がいらっしゃらなくて…
アラフォーの頃には『40代なら高級な店に行くでしょ。私は○○に行ってます。安い店に行くから同類がいないんじゃないの?』みたいな、要するに自慢レスが多くて、
そういうことじゃないんだよな~
と毎回がっかりしてました。
週末の外食は家族一緒ですし、平日ランチも同僚達と一緒なので、平日夜くらいは誰にも気兼ねなく一人でいたいのが本音です。
それならとっとと帰宅すればいいのですが、どうも帰宅途中で引っかかってしまう。
先日TV番組で、サラリーマンならぬ『ブラリーマン』とかいうのを特集してました。
まっすぐ家に帰るのがいやで、用もないのにぶらぶらして時間を潰しているサラリーマンが増えているらしい。
でもあまりお金がないので、缶ビール買って公園で飲んだり、以前なら一駅分歩くところを最近では二駅分歩いてわざと時間をかけたりしてるとか。
私はそのおばさん版っていう感じでしょうかね」
夜は一人メシだが、昼間はお弁当か買い食い。そんなトピ主は最近、ファミレスでちらほらと中高年の一人女性客を見かけるようになったため、もしかしてお仲間が増えているのではないか? とトピ立てに踏み切ったそうだ。確かに近所のファミレスで筆者も中高年一人女性の食事を見たことがある。ちなみに筆者も日高屋でのちょい飲みや、仕事上がりのサイゼリヤが好きなタイプなので、トピ主のお仲間かもしれない。
さてツッコミで多かった“家族の食事はどうしているのか”という件についてもレスがあった。トピ主夫妻に子供はおらず、夜遅めに帰宅する夫は、トピ主の手料理が好き。なので、パート上がりに一人メシをして帰宅した後食事を作り、夫が帰宅したら一緒に食卓を囲むのだという。トピ主は食べてきているので、おかずをつまむ程度らしい。なんだか幸せそうで良いではないか。
なのにトピ主レスを続けるごとに、コメントは批判的なものが増えてゆく。“貧乏じゃない”、“夫には和牛を食べさせて自慢か”、“トピ主は浪費をしている”、“普通の思考じゃない、カウンセリングを受けた方がいい”などなどだ。かわいそうに……。一人メシでカウンセリングをすすめられるなんて(涙)。普通の思考じゃない、って、大きなお世話すぎる。
とはいえ一方で「私も!」と手をあげるお仲間もいた。よかったねトピ主。
「私も一人メシ、一人呑みが多いです。何よりの至福のときです。誰かに見られていたらかっこ悪いなぁーとは思いますが、別に悪い事をしている訳じゃないんだからと、開き直って楽しんでいます。一人呑みが平気になって、人生の楽しみが増えました。オバさんになって良かった事の一つです。ただ、気も遣っていますよ。一人でテーブルを占領するのは、お店に悪いので、混む時間は避ける。カウンターや二人用のテーブルに着く。サクッと呑み食いしてサッサと帰る。などを常としています。『一人が一番気が揃う』私の好きな言葉です」
「海外一人旅が多かったので一人飯は当たり前、六十歳過ぎた今でも一人で外食しますよ。結構エンジョイできています」
「私は一人ランチしてます。友達少ないし、食べたい時にすぐ食べたいので、一人カウンター寿司、一人会席、一人フランス料理、なんでも来いです。主人は、美味しいご飯を食べたい時にたくさん食べるように勧めてくれているので、それでストレスも発散できますし、とっても健康です」
「私も一人で昼飯を食べます。職場の人にバレても、知らん顔していればいいや~位にしか考えていません。職場での私は相当な飲んだ暮れキャラが確立しているため、1人飲みしているところを見られて、驚かれたとしても、『何を今更・・・』と返してしまいます。
先日は、一人で回転寿司を食いました。誰にも邪魔されないし、自分が食った分だけ支払えばいいので、やっすいなぁ~と思いました」
「人間、食べられなくなったらおしまいですよ。お金が続くなら、ケチケチしないで美味しく食べましょう。その方が、かえって医療費もかからずに済んだりします」
「私も50代。子育て期間は独りで外食なんて考えてもなかったです 子育てが終わり独りご飯楽しんでます!」
「私もです。私はバブルを経験してないアラフォーです。バブル羨ましいな。
貧乏なとこも一人外食が多いのも同じです。週5日パートに出て、週に4日は外食してます。モスとかが多いです」
意外と多い! そうそう、チェーンの店での一人メシがなんだか楽しいんですよね~。お仲間ではないが「うらやましい!」という声もあった。
改ページ
「人が好きなことを自由にするのに『ふつうか、そうじゃないか』なんて気にしなくていいと思うな。それが反社会的で人に迷惑かけるようなことでないかぎり、誰だって好きなことして人生楽しんだ方が、世の中だって楽しくなるんじゃないかな。
ハッピーアワーにちょっとアルコールやりながら、今日の疲れを癒してのんびり待ち行く人々を眺めたり、いーなあ、私もやってみたい。黄昏時に、ハイボールでもひっかけながら、子供の世話とかダンナの夕食とか明日の準備とか考えずに、ひたすらぼーっとしてみたい」
多分トピ主もそれが大事な息抜きの時間なのかもしれないなぁ。とはいえ、こんなコメントもあった。
「私も、時々ご飯作るのめんどくさい時なんかに、衝動的に1人飯します。
でもある日、会社帰りにファミレスで夕食とっていたら、隣のテーブルにいた女子高生2人組にジロジロ見られ、『ねぇねぇ、あの女の人1人で食べてるよ。友達いないのかなぁ』『ちょっと、聞こえるよ』みたいな会話しながら、ケラケラ笑っていました。
世の中にはまだまだ、1人でご飯食べる女性=ボッチ飯、友達がいない。という発想の人もいるのです。友人に、私が1人でラーメン食べに行った事を話したら『えー!? 1人で入ったの? 変な目で見られなかった?』みたいな感じで驚かれました。
同僚、ご近所など女性の知人には絶対知られないようにするのが身のためだと思います」
なんとなんと中年女性が一人メシをするとさみしい人間と思われることもあるのだ。だが中年女性の一人メシは、先のトピ主レスやコメントでの賛同意見のように、わびしいどころか当人たちはそれを楽しんでおり、一服の清涼剤として生活の大事な習慣にすらなっているのである。男性の一人メシと同じく、女性の一人メシを変な目で見るのはやめてほしいものだ。
(ブログウォッチャー京子)

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