なぜ、人はそこに集うのか? 新店舗には喫茶ルームもできた「カストリ書房」に、サウダーデを見た
<p> 次々と風景を変えていく現代の東京で、よくも、こんな建物が残っていたものだと驚いた。</p>
<p>「カストリ書房が引っ越したそうですよ」</p>
<p> 知人からそんな話を聞いて、ようやく取材に出向く機会が巡ってきたと思った。</p>
<p> 昨年9月にオープンしたカストリ書房は、各所で話題になっていた。遊郭や赤線、歓楽街などのジャンルを専門に扱う「カストリ出版」が手がけるこの店舗は、すでに多くのメディアによって紹介されている。高尚な物言いをすれば、崇高な性の営み。とはいえ「売春」という公序良俗に相反する猥雑な、体制の埒外にあるものをお堅い新聞や雑誌も盛んに取り上げている。しかも、客の多くを女性たちが占めているという。それも、中には女子中学生もいるというのは、以前に新聞の記事で読んだ。</p>