「03カルチャー」の記事一覧

発売即完売の日本列島縦断9泊10日じゃ物足りない!? もっと苦行な鉄道旅行が欲しい……!!

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 国鉄民営化から30周年を記念したJR7社共同企画のイベントツアーが、発売即完売となり話題を集めている。

「24の列車で繋ぐ じっくり日本列島縦断10日間」と題された、このツアーは9泊10日。費用は39万から48万円と告知されていた。

 旅程は、ほぼ列車に乗りっぱなしで日本中を巡るという、かなりの強行軍。初日は、上野から寝台列車・カシオペアで北へ。新青森駅からは新幹線に乗り換え、さらに列車を乗り継いで札幌へ。翌日は本州に戻り仙台で一泊した後、東京~名古屋経由で西へ。さらに北陸から四国・九州も巡った後に東京へ戻ってくるというもの。日によって異なるが、食事もあり、観光時間もある文字通りのツアーである。

 とはいえ、かなりの駆け足。一種、苦行のようなプランであることは間違いない。

 実は、こんなスパルタなツアーは他にも企画されていて「新幹線で行く 日本列島縦断3日間」は、1人15万円。初日、新函館北斗から、新幹線を乗り継いで3日目に鹿児島中央駅に到着する。こちらは、2日目にいったん新幹線を離れて、四国に渡り金比羅宮の参拝までついている。

「鉄道を用いたエクストリームな旅を求める人というものは、昔から絶えないものです」と、話すのは最長片道切符の旅に挑戦したこともある、鉄道マニア氏。最長片道切符とは、日本列島の鉄道を一筆書きで旅するというもの。ルートに変遷はあるが、現在では稚内駅から肥前山口駅までが最長ルートとされている。特急などを利用しなければ10万円を切るので、安いといえば安い。とはいえ、膨大な時間と我慢が強いられる旅である。

「在来線で長時間ロングシートに座っているとか、苦行ですよね。それに比べると件のツアーは苦行っぽい雰囲気を味わうもの。観光のついでにお寺の宿坊に泊まってるのと同じ、気軽さがありますよね」(同)

 とはいえ、その旅程を記録した故・宮脇俊三さんの『最長片道切符の旅』(新潮文庫)が、いまだにロングセラーになっているあたり、いつかは挑戦をしたいという人が絶えないということか。やがては、ラグジュアリーな雰囲気の9泊10日程度では物足りないという声も出てくるだろう。そのうち、最長片道切符ツアーとか企画されるかも。

 しかし、どんな苦行の鉄道旅行も、宮脇俊三さんには太刀打ちできない側面も。何しろ、宮脇さんは編集者として中央公論社(現・中央公論新社)の『世界の歴史』シリーズなどの名著を担当。最後は同社の常務取締役になった人物。そんな多忙の合間に、まさに必死に鉄道に乗って、国鉄全線完乗を成し遂げたのである。

 必要なのは「いつかは……」の憧れじゃない。今すぐ旅立つ思い切りとやる気だ。
(文=昼間たかし)

「人を食う」はOKで「おっぱいポロリ」はNG? 世界の「R-18」をTokyo Otaku Modeに聞く

<p> 日本のオタク文化はクールジャパンとして世界で大人気」――言葉としては聞くが、実態はどうなのだろうか?</p>

<p> 日本のオタクグッズを海外に販売する通販サイト「Tokyo Otaku Mode」を2012年から運営している、Tokyo Otaku Mode Inc.共同創業者・秋山卓哉氏、MDチーム・高橋裕氏に前編(<a href=”http://www.cyzo.com/2017/10/post_34943.html” target=”_blank”>http://www.cyzo.com/2017/10/post_34943.html</a>)から話を聞いている。こちらの後編では、「海外のオタクイベントの様子」や「世界のR-18の尺度の違い」について伺っていく。</p>

世界130カ国にオタクグッズを配送! 世界のオタク事情をTokyo Otaku Modeに聞く

<p>「日本のオタク文化はクールジャパンとして世界で大人気」――言葉としては聞くが、実態はどうなのだろうか?</p>

<p> どの国の人が、どんな作品の、どんなグッズを購入しているのか? 日本のオタクグッズを海外に販売する通販サイト「Tokyo Otaku Mode」を2012年から運営している、Tokyo Otaku Mode Inc.共同創業者・秋山卓哉氏、MDチーム・高橋裕氏に話を聞いた。</p>

「図書館の選書を理解していない」と、厳しい指摘も……「文庫本の貸し出しやめて」の要望に図書館関係者は唖然

「図書館の選書を理解していない」と、厳しい指摘も……「文庫本の貸し出しやめて」の要望に図書館関係者は唖然の画像1
(イメージ画像 Photo By LWYang from Flickr)

「そんなに文春文庫って買ってたかな……」

 昨週開催された「全国図書館大会 東京大会」で、文藝春秋の松井清人社長が行った、図書館に文庫の貸し出しを止めるように求める報告が、さまざまな論議を呼んでいる。

 大会前から、各所で話題を呼んだ報告は、大会内の「公共図書館の役割と蔵書、出版文化維持のために」をテーマにした分科会で行われたものだ。報告前に「朝日新聞」などで報じられたこともあってか、分科会の会場は立ち見も出る盛況となった。

 発表要旨は大会のサイトで読めるようになっているが(http://jla-conf.info/103th_tokyo/index.php/subcommittee/section21)、松井氏は「確たるデータはないが、近年、文庫を積極的に貸し出す図書館が増えている」として「文庫市場低迷の原因などと言うつもりは毛頭ないが、少なからぬ影響があるのではないか」としている。

 確かに、これまでも世間でブームになっている話題の本の購入希望が利用者から殺到。図書館が、それに応えて同じ本を大量購入するところもあり、その是否が問われたりもしていた。しかし、松井氏の報告に対して、図書館関係者からは疑問の声のほうが多い。

 中には「文春文庫をそんなに揃えている図書館ってあったっけ……」という声も。

「タイトルによっては、最初から文庫本でしか発行されないものもあります。それを貸し出ししないということは、利用者の目的をゆがめることにもなりかねません。そんなことを、出版文化を担う人間がいってよいのでしょうか」

 そう話すのは、広島女学院大学特任准教授の西河内靖泰氏。以前は、荒川区内の図書館にも長く勤務していた西河内氏は、この問題を報じた「朝日新聞」10月12日付の記事(http://www.asahi.com/articles/ASKBC4CTMKBCUCVL00D.html)を取り上げて解説する。

 この記事では、出版社側の意見を次のように解説している。

「出版社側の調べでは、文庫本の貸し出し実績を公表していた東京都内の3区1市で、15年度、荒川区は一般書の26%を文庫が占めた。ほかの区市では新書も合わせた統計で2割前後に上った」

 これに対する、西河内氏はこうだ。

「確かに荒川区では文庫本の貸し出しが目立ちます。というのも、選書にあたって講談社学術文庫や東洋文庫など、学術的な文庫を多く購入してきた実績があるからです」

 また、今年3月に、荒川区では中央図書館の機能を備えた「ゆいの森あらかわ」がオープン。この際に移動させた蔵書もあるため、パッと見で文庫本の蔵書が目立つという指摘も。

「図書館は、文庫本に関しても従来よりバリエーションを持った選書をおこなっているものです。そのことをわかっていないのは迷惑ですね」(西河内氏)

 出版不況が常態化した昨今、出版業界が解決策を求めて四苦八苦する中での椿事なのだろうか。
(文=昼間たかし)

「ウェブ再録」の同人誌は売れるのか? 実際に頒布してみた!

<p> 先にウェブで発表した作品を、後から紙の書籍の形で販売する「ウェブ再録」。同人誌に限らず商業出版でも見かけるが、そういった作品のAmazonレビューを見ると「タダで読めんじゃん。星一つ」など辛口なものも見かける。一方で「手元に形として残しておきたいから再録はうれしい」と言う声もある。そんな意見の割れる「ウェブ再録」に、ある同人作家(私)が初挑戦してみた。</p>

9月25日午後8時、たつき監督はなぜツイートをしたのか──『けものフレンズ』わからなかったこと、そして、わかったこと。

<p> 大勢の人がドリンクを手にしていた。すでに次の仕事を抱えて、忙しい中で駆けつけた者。まだ、次の仕事で組む相手を探している者。いずれにしても、一つの仕事が大成功に終わったことに、万感の思いはあった。単なる生活の糧を得るための作業だったはず。それが、空前のヒットとなったのは驚きだった。自分が関わったのが、わずかの部分に過ぎないとしても、ボクは、ワタシは、ヤツガレは「アレをやったんですよ」と言えるのは、自慢だった。世の中では注目され、尊敬されるかと思いきや、内実は決して陽の当たることのない職業。「儲かりもしないのに、よくやってるよ」「どうしてそんな仕事を?」口には出さなくても、家族や友人の目が、そんな言葉を語っていることがある。でも、今回ばかりは、そんな想いも吹き飛んだ。作業の最中だって、嫌なことは数え切れないほどあった。でも、作品はヒットした。別に、作品がヒットしたからといって、自分の名前がグンと大きくクレジットされるわけではない。給料だって増えるわけじゃない。でも、作品のヒットは、そうした俗な想いを吹き飛ばしてくれるのだと思った。これから先の人生はわからない。でも、ひとまずは今日は会場に集うみんなと、一つの仕事を終えた感動を共有しよう。誰もが、そんなことを考えていた。</p>

紙の本にアクセスする機会も増加する? Amazonの「Prime Reading」は便利だと認めよう

<p> Amazonプライム会員向け新サービス「Prime Reading」の日本での提供が始まり、話題を集めている。</p>

<p> すでに多くの人がプライム会員に登録して、映画やドラマなどの見放題「プライム・ビデオ」を利用しているハズである。映画見放題の時点で「あなどれないサービス」であることを実感した人は多いだろう。</p>

日本最強サラリーマン『島耕作』 その出世遍歴を振り返る

<p>突然ですが、みなさんは出世してますか? 僕はしてません。それはともかく、僕らの思い描く、 サラリーマンが「出世」するマンガといえば、やっぱり『島耕作』シリーズですよね?</p>

<p> 1983年に「週刊モーニング」(講談社)で連載がスタートした『課長 島耕作』は、派閥にも属さず、自分の信念を貫く、日本一カッコイイ中間管理職を描いたマンガとしてサラリーマンの熱い支持を得てきた作品ですが、約10年間課長を務めた後、ついに部長に昇進、 92年からはタイトルが『部長 島耕作』となります。</p>

「アダルトグッズ+催眠音声」の可能性を追求するトランスイノベーションへの誘い

<p> 世に「変態紳士」というスラングがあるが、そんな言葉がピタリとあてはまる人に初めて出会ったと、思った。</p>

<p> それが、このルポルタージュのテーマである催眠音声付きアダルトグッズという新たなジャンルを切り拓く、トランスイノベーションを立ち上げたT氏の第一印象であった。</p>

<p> その日の待ち合わせは、都内某所のターミナル駅。約束の5分程まえに、指定された改札の前で、私は柱にもたれかかった。</p>

2期開始・友軍艦隊実装発表もあまり盛り上がらず……いよいよ『艦これ』はオワコンになっているのか

2期開始・友軍艦隊実装発表もあまり盛り上がらず……いよいよ『艦これ』はオワコンになっているのかの画像1
『艦隊これくしょん-艦これ-』公式サイトより

 爆発的なヒットとなったブラウザゲーム『艦隊これくしょん-艦これ-』も、試練の秋(とき)を迎えているのだろうか。

 去る9月16日、東京ビッグサイトにて行われた『第肆回「艦これ」観艦式』にて、2018年春に「艦これ2期」が開始されることが発表された。2期の開始にともなって「HTML5移行」と「友軍艦隊」が実装されることも告知されている。

「友軍艦隊」は、ゲームがリリースされて以来、いつになったら実装されるのかとウワサされていた機能である。その内容がどんなものかは、まだ明らかにはなっていない。ただ間違いないのは、運営側は、まだゲームのサービスを継続する意志があるということである。

 実のところ、体感として既に『艦これ』は過去の作品となっているという人も多いのではないだろうか。

 口の悪い人は「艦これはオワコン」という言葉すら使う。そこまでではないにしても、もはや『艦これ』も新規ユーザーを獲得するよりは、現在もゲームをプレイしているユーザーにどこまで続けて遊んでもらうかが焦点になっている。もはや「たられば」にしかならないが、やはりテレビアニメ放送はひとつのターニングポイントであった。作品の問題点を、今さら叩く気はないが、ネットを通じて広まった実態以上の「悪評」によって、新規ユーザーはいよいよ確保できないものになってしまったのだと思う。

 もはや、キャラ重視で話題になるゲームといえばFGO(『Fate/Grand Order』)。『艦これ』の話になると、とにかくみんな冷めている。

「いや~、もう1年以上ログインしていないですよ」

 だいたい『艦これ』の話題をした時に返ってくる答えはこれだ。むしろ共通する話題はFGOに今月は、いくら課金したかということくらい。

 実際、もはや『艦これ』に注目される要素があるかといえば、思いつかない。海外艦の投入において、連合国艦船が登場した時には注目を集めた。しかし、一方では「いくらなんでも、連合国と一緒には戦えない」と、引退する者もいた。

 ともあれ、どんな手を使ったとしても、登場する艦船の数には限りがある。正直、日本海軍に関していえば、ほぼ出し切った感がある。昨年の追加実装では、太平洋戦争の時点で既に最古級となっていた神風型駆逐艦が投入されたが、この時点でネタ切れ感は疑いようもなかった。

 今後、三笠や松島など日清・日露戦争の時代まで遡るのだろうか。それは、なんとも無理がありそうな選択だ。

 そうした中で、いよいよ2期と共に実装が期待されているのが信濃である。

 信濃といえば、当初は大和型戦艦の三番艦から設計変更され誕生した巨大空母。その恐るべきスペックにもかかわらず、一回も実践に参加することなく瞬く間に撃沈された艦として知られている。もし、この艦が登場するとしても、鳴り物入りというよりは史実とリンクした「艦これ」の末期感を演出することになりそうだ。

 そろそろ「艦これも、いずれはサービス終了する時期が来るのか」と覚悟を決めなければならない時期なのかも。とはいえ、まだ改二となっていない艦娘たち(天龍田とか)が、改二になるまでは、どうにか頑張って欲しい。
(文=是枝了以)

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