緊迫感ない、台本があるような展開、ただ壊すだけ……Amazonプライム『戦闘車』に酷評も、テレビマンは「仕方ない」

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Amazonプライムより

 Amazonプライムで配信が始まった『戦闘車』。芸人、レーサー、俳優などの著名人たちが、ダウンタウン・浜田雅功率いる「浜田軍」と千原ジュニア率いる「ジュニア軍」に分かれ、車を使った命がけのバトルを繰り広げるというAmazonオリジナルの番組だ。一歩間違えば大事故にもなりかねない危険なカーアクションは地上波では到底放送できないもの。しかも、スタントマンではなく出演者自らが危険な運転をするというのだからなおのことだ。

 テレビCMも放送され、大々的に宣伝されている『戦闘車』だが、ネットでの評判は芳しくない。Amazonのカスタマーレビューでは、「笑いどころもなければ迫力も無い。緊張感も緊迫感も無い」「高級な外車や新車を集めたわけではなく、価値もないであろう中古車をただ壊すだけ」「明らかに台本があるような展開でつまらない」などと酷評されている。とあるバラエティー番組関係者は、『戦闘車』についてこんな印象を述べた。

「確かに地上波では絶対にできない番組を作ろうという意図はよくわかります。それこそ『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!』(日本テレビ系)のような往年のハチャメチャなバラエティー番組を意識した部分もありますが、何が起こるかわからないスリリングさに欠けるのは事実です。おそらくある程度の台本がある上でのカーアクションになっていると思います。つまり、ハプニングありきの番組ではない。ただ、それは当然のことですよ。もしハプニングありきの本当に危険な番組構成にしていたら、お蔵入りになってしまう公算が高い。地上波ではないのだから、それくらいやれよという声もあるでしょうが、確実に番組を成立させるには仕方のないことだと思います」

 テレビで派手に宣伝しているということもあり、ハードルが上がってしまった部分はあったのかもしれない。別の関係者はこう話す。

「Amazonとしては、松本人志の『ドキュメンタル』に続く、浜田雅功の『戦闘車』ですから、それはもちろん大きくアピールをしたいところ。そして、Amazonの目的は面白い番組を作ることではなく、Amazonプライムの会員を増やすことなので、番組の内容そのものよりも、大きく宣伝ができているという事実が重要。だからこそ、余計にハードルが上がったCMになってしまうわけです」

 なかなか厳しい状況の『戦闘車』だが、もし所属タレントに、この番組への出演オファーがきたら相当に困るだろうと話すのは某芸能事務所関係者だ。

「浜田さんの番組ということでオファーがくるのは本当にうれしいんですが、タレント本人に運転をさせてカーアクションをするというのは、リスクが高すぎます。もしものことがあった場合、そのタレントの収入を保障してくれるかどうかもわからない。とんでもなく高いギャラが出れば別ですが、普通のギャラであれば断ってしまうと思います」

 テレビ局が保守的になって番組がつまらなくなっていると言われて久しいが、同時に芸能事務所もかなり慎重になっているのかもしれない。

 とはいえ、まだまだ配信が始まったばかりの『戦闘車』。今後、視聴者が納得できるような激しいバトルが繰り広げられることに期待したい。

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