友達と好きな人が同じになってしまったら……どうする？

思い切って打ち明けることが友情の証です。

状況を客観的に見てみましょう。

小説仕立てにしてみましたので、まずはお読みください。

ついてない。ほんとついてない。

なんで友だちと同じ人を好きになっちゃったんだろう。

しかも好きになったのは由美のほうが先で……あたしは仲良しグループにもこの気持ちを打ち明けることができてない。

「ねぇ、咲は好きな人いないの？」

「え、い……いないよ！」

ほら、またこうして嘘をついちゃった。

「大樹くんってほんとかっこいいと思うんだぁ。さっき話しかけられちゃった！」

えー、ほんと？　いい感じじゃんー、と言い合うみんな。

あたしはいつの間にか取り残された気分。

「咲、元気なーい。どしたの？」

「いや、別に……」

「ね、咲も応援してよね！」

「あ、うん……もちろん！」

ばかばか、あたしのばか。応援なんて……したくないよ。

「ごめん！　あたし先帰るね！」

そう言って逃げるように教室を後にする。

なんだかみんなとの距離が遠くなってしまった。好きな人ができただけなのに、それが友だちと同じだったからって、こんな罪悪感持たなきゃいけないなんて……。

「大丈夫？」

いきなり声をかけられて、びっくりした。声の方向を見てみると、同じクラスの翔太くんだった。

「また明日なーって言っても、何も言わねぇんだもん」

「ご、ごめん……」

優しそうな雰囲気に、あたしは思わず悩んでいることを打ち明けてしまった。

「なんだ、そんなことで悩んでたのかよー」

「そんなことって……！」

「しょうがないじゃん」

「え？」

「しょうがないんだよ。友だちと同じ人を好きになるのも、それにあとから気づくのも」

そうなのかな。あたしは悪いことをしてるんじゃないのかな。

「悪くないって！　悪いっていうんなら、友だちに嘘ついて隠してるほうが悪いんじゃねぇの？」

「あ……」

「仲良しなんだろ？　正直に打ち明けて、お互いがんばろって言ってたほうがいいんじゃねぇの」

そっか。そうなんだ。そういうこともできるんだ。

「あ、ありがと！　あたしちょっと教室戻る！」

そう言って廊下を走り出す。

待ってて、由美。ちゃんと話すから。それは裏切りじゃないよね。

いかがでしたか？

翔太くんが作中で言っているとおり、“友だちと同じ人を好きになるのも、それにあとから気づくのもしょうがないこと”です。

そして友だちを裏切りたくないと思う気持ちもわかりますが、嘘をつき続けて楽しい学校生活が送れるとは思いません。“正直に打ち明けること”は友だちを裏切ることではありませんよ！

学校生活に友だちは欠かせません。恋愛と上手く両立させていきましょうね。

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