「20パンドラ映画館」の記事一覧(14 / 14ページ)

マイノリティー側から眺めた世界はかくも美しい! 早熟の天才が描く社会派ドラマ『Mommy/マミー』

<p> 映画とはコドクな人間によく効く薬である。医者の処方箋なしで手に入り、気分をハイにもダウナーにもしてくれる。ただし、粗悪品が多く出回っているので、カスを握らせられることもままある。その点、いま注目度急上昇中のグザヴィエ・ドランは非常に純度が高い新銘柄だ。不純物だらけの映画にすっかり馴らされていた人でも、グザヴィエ・ドランの最新作『Mommy/マミー』には心地よいトリップ感を味わうことができるだろう。<br />
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障害者コミュニティは壮絶なヒエラルキー社会!? 字幕、吹替えなしの肉弾ドラマ『ザ・トライブ』

<p> 聾唖学校を舞台に、手話による交流を描いた青春感動ドラマなのだろうと勝手に想像していた。上映が始まり、自分の思い込んでいたイメージとは180度異なり唖然呆然となる。ウクライナ映画『ザ・トライブ』は聾唖学校が舞台だが、そこで描かれているのは暴力とセックスが横行する世界。障害者たちのコミュニティ内でのヒエラルキーの凄まじさに凍り付いてしまう。字幕も吹替えもなし。実際の聾唖</p>

体罰&モラハラの洗礼から真の芸術は生まれる? サディスティック教師の流血指導『セッション』

<p> ムチで打たれたような衝撃がある。映画でここまでの体験をしたのはいつ以来だろうか。映画『セッション』の原題は『Whiplash(ムチ打ち)』。パワーハラスメントやモラルハラスメンなんて言葉はここには存在しない。弱肉強食、体罰上等! それでもOKなヤツだけ徹底的に鍛えてやるぜ。そんなサディスティックな鬼教師と音楽の世界で名前を残すことを願う野心満々な青年との狂気の師弟関係を描いたドラ</p>

麻薬王が賛美されるメキシコ無法地帯の叙事詩! 『皆殺しのバラッド』に見る麻薬カルチャーの現実

<p> さかしまの世界がスクリーンに映し出される。警官は覆面を被って顔を隠し、麻薬の密輸で成功を収めたギャングたちは英雄として賛美され、彼らを主人公にした歌や映画が大ヒットしている。そして、街にはギャングたちの抗争の巻き添えをくらった罪なき市民たちの死体が犬や猫のように転がっている。街の人たちは血に染まった路上の清掃で忙しい。近未来のディストピアを描いたSF映画かと勘違いしてしまいそうだが、そうではない。『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』は歴然としたドキュメンタリー映画だ。毎年1万</p>

修羅場経験者ウディ・アレンが語る“恋愛の極意”奇術師の恋『マジック・イン・ムーンライト』

<p> 恋愛とは男女の騙し合いである。恋する男と女はそれぞれ男優と女優であり、アドリブで筋書きのない芝居を演じ続ける。簡単に馬脚をあらわすのは三文役者であり、名優になればなるほど相手に心地よい夢を見させてくれる。ウディ・アレン監督の最新作『マジック・イン・ムーンライト』は、恋多き人生を送ってきたウディ・アレンが79歳にして辿り着いた恋愛観を主題にしたコメディ。ウディ・アレンの分身役を英国の実力派男優コリン・ファースが務め、米国の若手女優エマ・ストーンと恋に堕ちていく様子を描いている。<br />
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