「昼間たかし」の記事一覧(5 / 7ページ)

トイレまで破壊する迷惑な輩も……全国各地で絶えない“マナーの悪い観光客”たち

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 観光客が押し寄せる沖縄の観光スポットが、マナーの悪さから立入禁止となり、注目を集めている。

 問題の場所は、沖縄県本部町備瀬の「備瀬のワルミ」。数年前から、そそり立つ岩壁の割れ目から見える海の美しさが話題になっていたスポットだ。ここが、子宝に恵まれるなどの「パワースポット」として取り上げられるようになったことで観光客が殺到。多数のレンタカーが路上駐車されたり、ゴミが捨てられたりと、地元住民は迷惑を被っていた。

 もちろん、そうした心ない観光客はごく一部。だが、そうした人々の存在によって、多くの人が見たいものを見られなくなるという事態は、今までも数多く起こってきた。

 最もよく知られるのは、都心部にあり、気軽に訪れることのできる観光スポットとして人気の築地市場。ここでは2008年以降、観光客の増加により、市場の業務に支障を来す事態が発生。一時は見学禁止を行うなどの措置も取られた。

 だが、これはまだ「観光したい」という意欲があるからマシなほう。

 15年5月に無期限閉鎖となったのが、栃木県の塩原温泉にある「不動の湯」だ。ここは露天の共同浴場として知られていたのだが、訪れる人々の目的が観光や温泉を楽しむとは違う方向に進化。女性客を待ち構える不届きな人々どころか「風紀を乱す行為に及びビデオ撮影など」まで行われていたのだとか(下野新聞15年5月29日付)。

 長野県上田市では、「稲倉の棚田」が農林水産省の「日本の棚田百選」に選ばれたことをきっかけに、10台ほどの駐車場を備えた観光スポットとして整備したものの、予想以上に観光客が殺到。路上駐車はまだしも、撮影スポットを求めて、あぜに入る観光客も増加。中には「崩れたあぜに掛けたシートが撮影の邪魔になるとして、外すよう求めた人もいた」とか(信濃毎日新聞17年7月1日付)。

 田んぼのあぜに勝手に入ると農家に怒られるというのは常識かと思っていたのだが、どうも世の中にはそうでない人のほうが多かったのか。

 また、北陸新幹線の開通で観光客が増加した石川県金沢市では、歓楽街の片町でコンビニのトイレを酔っ払った客が汚す、便座を壊されるなどの被害が相次ぎ、今年6月からは夜間のトイレ使用を禁止しているという。北国新聞17年6月28日付では「2015年3月の北陸新幹線開業以降、トラブルが増えたとして、『観光客は旅行気分で気が大きくなる人が多いのだろう」とあきらめ顔だ。観光客が問題を起こした場合、当事者が県外に戻っていることが多く、弁償などの事後対応も長引くという」と、コンビニ関係者の声を紹介している。

 いまや、インターネットを通じて情報は次々と広がる時代。さまざまな話題の観光スポットを訪れたくなる機会も多いもの。とはいえ、あくまで観光客は観光客。カネを落とすのだから何をしてもよいと思ったら、大間違いである。
(文=昼間たかし)

なんで、こんなんしまっていたのだろう……いつの間にか資料棚が歴史の宝庫になっていた話

<p> なんで、こんなモノを後生大事にしまっていたのだろう……。</p>

<p> 取材して書くことを生業にしていると、どんどんと資料がたまっていくもの。だから普段からため込まないように気をつけてはおります。</p>

<p> 作家・吉村昭は作品を書き終えると、次に必要としている人のために資料を放出していたそうです。</p>

<p> ところが筆者の場合、ちょっと事情が違う。</p>

<p>「これもいつか役に立つかもしれない……」そう考えれば捨てるに捨てられず、しまいこんでしまうのであります。</p>

そろそろ松重ゴローちゃんの大失敗も見たかったなあ……『孤独のグルメ Season6』を総括する

<p> ああ、ついに深夜の飯テロも終わってしまったか……。</p>

<p>『孤独のグルメ Season6』(テレビ東京系)は、6月30日深夜の「東京都品川区五反田の揚げトウモロコシと牛ご飯」を最後に、今シーズンの放送を終えた。</p>

<p> ついに第6期に突入したドラマ版『孤独のグルメ』であるが、相も変わらず好評であった。第1話では大阪を舞台に、お好み焼きはご飯のおかずであることを知らしめた。</p>

<p> 続く第2話では、定番の豚バラ生姜焼き定食を投入。第3話では趣向を変えて、谷村美月が演じる、なんかメンヘラっぽい不安定すぎる店員に目が離せないという、新手のスタイルで物語を紡いだ。さらに、第5話では回転寿司。第9話ではゴローちゃんの過去の恋を描いたり……。</p>

<p> とにかく、制作陣はさまざまなアイデアを投入して物語を濃厚なものにしようと企図していた。</p>

単なる“つまらん街”になっていく……「カフェ本」もなくなった本郷の街に、訪れる価値などあるのか?

<p>「なんか、かねやすが閉まってるよ」</p>

<p> そんな話を人づてに聞いたのは春頃のこと。</p>

<p>「本郷も かねやすまでは 江戸の内」</p>

<p> と長らく伝えられ、その言葉を記した看板もある、本郷三丁目角のかねやす。確かめに行くと、確かに閉まっていた。江戸の始まりから400年以上も続く老舗もついに……と感慨深くなりつつも、多くの人はこう言う。「ところで、なんの店でしたっけ?」と。</p>

『孤独のグルメ Season6』第11話 ゴローちゃんに強力ライバルが出現? 最も食べたい料理は水煮牛肉

<p> 気がつけば、暑い季節がやってきました。</p>

<p> そんな季節に食べたいのは、冷たいものとか辛いもの。そんな視聴者の気持ちに合わせてテーマを決めてくれるスタッフには、感謝の気持ちすら湧くのが、今回です。</p>

<p> さあ、今回ゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)がやってきたのは、文京区は茗荷谷。つくづく思うのですが、初見の人にはまったく読めない地名です。だいたいの読めない人は「……(読めない)……たに?」とかいうのですが、一度だけ「いらにや」と読む人に遭遇したことがあります。</p>

<p> ともあれ、今回ゴローちゃんがこの街にやってきた理由は取材。片桐仁演じる編集者にインテリア雑誌の取材を受けることになったのです。初っぱなから「撮影のほうから始めさせていただきます」と言われて「こんなハズじゃなかった……」と戸惑うゴローちゃん。おまけにインタビューになれば「モテそうな部屋のデザイン」を聞かれてしまい、苦笑するしかありません。<br />
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行ってみて聞いてわかった 御朱印帳のネット転売で、なぜ宮司は「もう来ないで下さい」と書いたのか

<p> その日はいつもとは違う一日だった。</p>

<p> 140文字の10倍100倍1,000倍と、言葉は紡がれていた。紡がれる言葉は、日常の中が身体にこびりついた穢れを払っているように思えた。</p>

<p>「よかったのか悪かったのか……地域の方は“悪いことやってるんじゃないからいいんだよって”と声をかけてくれます。“売るヤツが悪いんだから! トンデモねぇだろう”と電話をかけてきてくれる氏子の方もいらっしゃいました」</p>

<p> ようやく涼しい風の吹き始めた初夏の夕方。場所は、茨城県守谷市の八坂神社。清浄な雰囲気に満ちた神社の拝殿で、宮司の下村良司は、神職らしく背筋がぴんと伸びた丁寧な姿で言葉を綴っていた。相対する私は、時折自分の背が曲がっているのに気づき、姿勢を正しながら言葉と周囲の状況を書き記していた。<br />
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東京オリンピックによるビッグサイト使用中止問題解決へ向け、ついにデモが開催

東京オリンピックによるビッグサイト使用中止問題解決へ向け、ついにデモが開催の画像1
東京オリンピックによるビッグサイト使用中止問題解決へ向け、ついにデモが開催の画像2

 果たして、コミケは、そしてビッグサイトはどうなるのか。

 2020年、東京オリンピック・パラリンピック開催のために東京ビッグサイトが使用できなくなる問題。コミックマーケットのみならず、数多くの産業の展示会などの開催が困難になり、巨額の損失や倒産が危惧されている。

 これにより被害を受ける企業や業界団体は、すでにさまざまな形で東京都への働きかけや署名活動を行っているものの、結果は芳しくない。昨今、マスコミでの報道は増えているものの、オリンピックで東京ビッグサイトをメディアセンターとして使用することと、そのために1年あまりの閉鎖期間が設けられるのは、既定路線になっているのだ。

 そうした閉塞状況の中で、6月22日、ついに「ビッグサイトを使わせろ!!」と呼びかける都庁一周デモが開催され、400人あまりが集まった。

 このデモを呼びかけたのは、展示会には欠かせないディスプレイ業に携わる人々を中心とした「展示会産業で働く人々の生活と雇用を守る会」。ディスプレイ業の中には東京ビッグサイトで開催される展示会の仕事が収益の多くを占めている企業が多く、オリンピックによって使用できなくなることは、完全に死活問題となっているという。

 今、デモという形で声を上げることを決意した理由を、同会の下茂貴樹さんは語る。

「ビッグサイトをメディアセンターに使うのは、本当にやめてほしい!! もうオリンピックまで時間がありません。2年後の今頃には、ビックサイトの利用制限はすでに始まっています。多くの関係者が小池都知事と都に働きかけ、署名も集まっています。その署名、14万7,000筆以上を都に渡していますが、返事もありません。このままでは、状況が変わるようには思えなかったんです」

 下茂さんの語る、ディスプレイ業界への影響は驚くべき規模のものだ。

「当社では3~4割。中には、東京ビッグサイトでの仕事が8割という会社もあって、東京ビッグサイトが使えないと潰れてしまいます。ホントにどうしたらいいかわからないという声も聞いています。関係各所に引き続き働きかけていきたいとは思っています。なんとか小池都知事には耳を傾けてもらいたいんです。もう時間はないんです」

 参加者の中には、同人誌業界の関係者も。その中の一人、同人誌印刷を専門とする株式会社・緑陽社の武川優さんは、もっと同人誌関係者にも声を上げてもらいたいという気持ちを、次のように語る。

「割りとマスコミが協力してくれています。だから、サークルさんも声を上げてくれるといいと思っています。もっと盛り上がってくれないと……」

 こうして、集合場所の新宿中央公園を出発したデモは50分あまりかけて都庁を一周。ディスプレイ会社に勤務するという女性からは、こんな熱い言葉が。

「死活問題です。これで状況を変えるのは難しいかもしれないけど、何もやらないよりはやるほうがよいです。オリンピックも成功して、私たちの生活も守られるようにしたい。そうじゃないと、オリンピックが楽しめません!!」

 また、デモそのものが初体験という、同じくディスプレイ会社勤務の女性は「新入社員で入ったばかりなのに、こんなことになってるなんて……」と、さらに変わらない状況への焦燥感を滲ませていた。

 東京オリンピックによって、コミックマーケットのみならず、あらゆるイベントや関連企業が死活問題という状況は、一向に変わる様子を見せていない。この状況に都は、まだ無視を続けるのか……。
(文=昼間たかし)

『孤独のグルメ Season6』第10話 タイアップが露骨すぎる(笑)まるで旅行番組みたいな鋸山アピール!!

<p>ホント、ゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)ってば、商売のためなら、どこにだって足を運ぶのですね。</p>

<p> ええ、今回やってきたのは千葉県は富津市の浜金谷駅。東京湾フェリーの千葉県側の港のある街ではありますが、いわば地の果て。</p>

<p> それでも、プチ出張は苦にならないのがゴローちゃん。<br />
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ゴローちゃんの過去の恋が次々と暴露……謎の女・ジョセフィーヌが気になる『孤独のグルメ Season6』第9話

<p> ゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)は行く、東京に住んでても、まず訪れる機会のない街へと……。東京と一口にいっても、狭いようで広いもの。10年20年と暮らしても、一度も訪れたことのない街というのは多いのです。この『Season6』だけでも、東大和市とか世田谷区太子堂とか、マイナーな場所柄ゆえのワクワク感でおなかを空かせた人も多いのではないでしょうか。</p>

<p> さて、今回ゴローちゃんが訪れるのは、品川区は旗の台。個人的な話ですが、筆者は20代の数年間住んでいたことがあります。この街は東京の中でも特殊なカオス。何しろ、下町なのか山の手なのか。ザーマスと大衆とが渾然一体となった、不思議な土地なのであります。</p>

100万円以上払えば一日町長になれる……規制の一方で増殖しそうな「ふるさと納税」の“ブッ飛んだ”お礼品

100万円以上払えば一日町長になれる……規制の一方で増殖しそうな「ふるさと納税」のブッ飛んだお礼品の画像1
中之条町公式サイトより

 お礼の品物をもらえるのだから、単に税金を納めるよりは、必ずオトク。

 そんな意識もあって、存在感を増していた「ふるさと納税」。しかし、近年になり全国の地方自治体の競争は過熱。メインは特産品だったはずが、地域内に工場があるからと、外付けハードディスクやヘッドフォン、さらには地域で使える商品券やアイスクリーム券などを、お礼にする自治体まで登場。そうした、換金性の高いお礼には、転売目的の人も殺到。こうした状況の中で、今年4月に総務省は、全国の自治体に「お礼は寄付額の3割まで」と通知。これを契機に加熱した競争は、ひとまず鎮静化しつつある。

「フツーに税金を納めるよりもお得なものがもらえる」という魅力から人気となった「ふるさと納税」。総務省の通知を契機に、全国の自治体はより魅力的な特産物へとお礼の品をシフトさせようとしている。だが、そうした品々の中には「これ、誰が欲しがるのだろう」という、魅力的なのか? と、首をかしげてしまう品々も……。

 換金性を抑制された中で、いったいどんな品物に変わっているのか。調査をしたところ、もっとも驚いたのは、群馬県中之条町のお礼の一つ。100万円以上を寄付すると「一日町長就任の大感謝プラン」なるものがもらえるのだとか。説明文を見ると、寄付した人の希望によって「職員全員に訓示」「イベント参加」「町内視察」などが体験できるという。

 こんなお礼を目当てに「ふるさと納税」する人なんているのだろうか。さっそく町役場に尋ねてみたところ……。

「これまでも結構な数の方がいらっしゃっていますよ」

 なんでも、特に人気なのは職員への訓示と、本物の町長との懇親会だという。てっきり、アイドルがやる1日警察署長みたいに、1日ずっとイベントがあるのかと思いきや、訓示を選べば、訓示のみで終了なんだとか。100万円以上の寄付ということは、フツーに住民税でそれくらいの額の請求が来ることと、ほぼイコール。相当の金持ちである。金持ちの道楽なのかと思いきや、訓示では町へのアドバイスを書き連ねてきて読み上げる人もいるのだとか。

 なぜ、住民でもないのに、そんなアドバイスを。そして、もう一つの町長との懇親会も謎。町の公式サイトに掲載された町長の写真を見てみたが、この人と懇親会を開きたいという魅力はどこにあるのか……?

 金持ちの道楽か、あるいは「税金で取られるよりは……」と使っているように見える「ふるさと納税」は、高知県の四万十町にも。それが、25万円以上の寄付が必要な「田舎暮らししたい若者を29泊30日インターンシップさせてあげる寄付チケット(1名様ご招待)」。

 これは、もらえるのじゃなくて、自分のカネで田舎に住みたい若者を1名研修させることができるというもの。昔の金持ちは、将来見込みのある若者たちに経済的に支援するのが当たり前だったというが、それの現在形というところか?

 こうした名誉欲をくすぐる系の「ふるさと納税」が細かいのが神戸市だ。ちょっとややこしいが寄付金の使途を「市民福祉振興等基金」にした上で、1万円以上を寄付すると「市民文化振興基金HPへのお名前掲載及び神戸文化ホールへの銘板の提示」。寄付使途に「ハートフルベンチ」を選択した上で5万円以上寄付すると「市バス停留所のベンチ設置及びお名前の掲示」というものが。後者は、神戸市のどこかのバス停に置かれたベンチに、自分の名前がどーんと書いてもらえるというワケ。自分の名前が書いてあるベンチで、疲れた年寄りがホッと一息ついている。それを、そっと影から見守れば、とても満足した気分……かもしれない。

 熊本県は八代市では100万円以上で「最高級畳表『ひのさらさ』(6畳分)※畳表と床の新調」というものが。あの金閣寺や二条城にも使われている超高級な畳が我が家にやってくるというわけである。ま、100万円以上納められる人だから、それなりの部屋に住んでいるんだろうな……と羨ましくなるシロモノだ。

 せいぜい庶民が手が届きそうなのは、5,000円でももらえる、岩手県北上市の「北上製ナクレ ティッシュペーパー25個」あたりだろう。それでも一個あたり200円。安いか高いかは、思案のしどころだ。

 人気の一方で、お礼競争の加熱や、本来多くの人が住んでいる地域で住民税の収入が減少する問題も引き起こしている「ふるさと納税」。そんな問題があったとしても、取られるばかりのものが税金と考えれば、これほど美味しいものはない。規制の中で、どんな珍奇なアイデアが飛び出すのかが気になってしようがない。
(文=昼間たかし)

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