「27 100人にしかわからない本千冊」の記事一覧

みなさん……そんなに「イカ天」面白いと思ってなかったんじゃないか?

<p> さて、前回(リンク)に引き続き話題は「イカ天」である。</p>

<p> この番組を中心としたムーブメントについては、拙著『1985-1991 東京バブルの正体』(MM新書)でも多くのページを割いて執筆した。というか、途中からページが足りないので、編集者と相談してページ数を調整して、増やしてもらった。</p>

<p> それでも、まだ書き足りない。</p>

<p> この時代のバンドの音楽史的な位置については、専門の書き手がいるだろうから、そういう人たちの文献を参考にするといい。</p>

「女のコがパンツを脱ぐ!!」やらせ番組だと思われていた「イカ天」への期待

<p> 5月に上梓した『1985-1991 東京バブルの正体』(MM新書)は、ことのほかに話題となり、派生してさまざまな依頼もあり、ありがたいことこの上ない、今日この頃。</p>

<p> とはいえ、新書のページ数ゆえに、けっこうな部分を削除せざるを得なかった。というよりも、実際に本に記述したのは取材や調査で知った事実の十分の一程度か。まだまだ、書きたい衝動の収まらぬ事どもは、山の様にあるという具合である。</p>

バブル時代、東京から脱出を志す人々がいた──1989年「SPA!」地方会社の『ゆとり生活』を読む

<p> 何かと地方取材に行く機会が多い、今日この頃。どこの地方でも必ず、都会の喧噪を逃れて移住してきた人には出会うものである。</p>

<p> 最近は、地方の自治体が移住者を求めて、広く門戸を開く、いうケースも増えてきた。けれども、移住には覚悟が必要なもの。単に、都会に疲れて逃げてきたような人に、地方の狭い人間関係やしきたりは厳しい。そうして、せっかく移住した地域を恨んで姿を消す人も絶えない。</p>

<p> これだけさまざまな情報が飛び交い、移住のために最低限必要なことがわかっている時代であるにもかかわらず。</p>

住むならどっち!? 多摩と湾岸で迷ったバブル時代と80年代雑誌の“ユルさ”

<p> タイトルで「どっち」と書いたけれども21世紀の今、ほぼ決着がついているのは、ご存じの通り。</p>

<p> 多摩地域のボロ負けである。</p>

<p> その名前の通り、まるで神殿のような街が建設されたパルテノン多摩は陳腐なものになってしまった。そして、高度成長期以降、多くの人々が夢を抱いて住んだ多摩ニュータウンは、もはや完全なオールドタウン。歩道と車道の完全分離のように考え抜かれた都市計画も、いざやってみると夜道が危ないなどの危険ばかりを生み出した。</p>

パソコン通信で彼女ができる? アマチュア無線では“オタサーの姫”が殺されていたバブル時代

<p>「パソコン通信で、彼女ができる!!」</p>

<p> ああ、これを読んでパソコン通信を始めたヤツもいたんだろうなあ~。そんな感慨に耽ってしまう記事が掲載されているのが「スコラ」1989年5月25日号。</p>

<p> この記事読んでいるだけで、ホントにパソコン通信を始めたら彼女ができるんじゃないかというほどにテンションが高い。なにしろパソコン通信を「電脳空間に広がる一大ナンパワールド」と煽り、こんなふうに誘惑する。</p>

黒木香の焼肉屋は良心的だった!? タレントショップの流行に煽られた「一般人のサイドビジネス」

<p> やたらとみんな稼いでいたと誤解されがちな、バブル時代。でも、好景気が正社員の給与に反映されるまでには、長い時間がかかった。</p>

<p> 大卒初任給がようやく20万円台を突破したのは1989年のこと。アルバイトの時給が高騰する一方で、正社員の給与は低く抑えられていた。</p>

<p> 現代では、好景気の割に意外と儲かっていないサラリーマンも多かったというバブル時代の真実は、忘れられている。みんな経費が使い放題だったとか、給料はすぐに上がったという神話を信じて、お得な人生を送ったバブル世代に対する怨嗟を滲ませているのである。</p>

結局は9割が大樹に拠った……80年代に「フリーター」を推奨した人々の、その後の人生

<p> フリーターという言葉を広めたのは、リクルートのアルバイト情報誌「フロムエー」。</p>

<p> 1987年には「フロムエー」創刊5周年を記念して『フリーター』というタイトルの映画もつくられている。この映画、金山一彦演じるフリーターの若者が、羽賀研二や鷲尾いさ子とともに人材派遣サークルなるもので活躍する映画。なぜか途中から三浦友和とビジネスで対決するという筋立てで、フリーターというよりはベンチャー企業を立ち上げた若者たちの青春映画という趣き。</p>

<p> ともあれ、この映画を通じて喧伝されたのは、フリーターという新しい生き方。その生き方で享受されると信じられたのが、会社や社会に縛られない自由な生き方というものである。</p>

1989年、女子高生エロスの誕生──雑誌「GORO」がロリコンをとことん変態扱い!

<p> 長らく中断しておりました連載「100人にしかわからない本千冊」。このたび、バブルの熱気を再現した著書『1985-1991 東京バブルの正体』(MM新書)も無事刊行。</p>

<p> 自分では、相当濃厚に記述したつもりなのだが、まだまだ書きたいことはウンとある。というわけで連載第2期は、雑誌・単行本単位ではなく80年代をテーマ別に取り上げる。</p>

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