「012マンガ」の記事一覧(3 / 3ページ)

“昭和漫画”を現代へ受け継ぐ漫画家・史群アル仙が語る、ADHDとの付き合い方

<p> 手塚治虫やちばてつや、永井豪といった漫画家に影響を受け、昭和を彷彿とさせる懐かしくてどこか哀愁漂う作風で人気の漫画家・史群アル仙。不安障害やADHD(注意欠陥・多動性障害)など、メンタル面にさまざまな支障を抱える彼女が、自身の経験を赤裸々につづったコミックエッセイ『史群アル仙のメンタルチップス〜不安障害とADHDの歩き方〜』(秋田書店)を上梓した。WEB連載時から話題を呼んでいた本作だが、作品を描き上げた現在の心境と、社会的な認知が広がりつつあるADHDについて、アル仙氏に話を聞いた。</p>

『BOYS BE…』の玉越博幸氏が描く、AV業界の赤裸々な内情とは?

『BOYS BE…』の玉越博幸氏が描く、AV業界の赤裸々な内情『余命一年のAV女優』の画像1
表紙は遺影になっている

 余命1年を宣告された女の子が、AV女優という道を選択して業界のトップを目指し、自分の生きてきた証しを世に残す――。そんなストーリーの漫画『余命一年のAV女優』が、6月9日より小学館のモバMAN(http://csbs.shogakukan.co.jp/book?book_group_id=12380)でスタートした。

 ヒロインはAVメーカーの「ピーチ・デマンド」から単体デビューする「天月もゆ」という名前の女優。そんなヒロインが憧れるのは、超売れっ子女優の「成宮心菜」。そして、ヒロインの父親である業界の大御所監督は「ハメ撮り」が得意で、「ナイスですよ」ならぬ「ブラボーですよ」というのが口癖。どこかで見聞きしたことがあるような名前のメーカーや人物、設定ばかりのように思えるのは気のせいだろうか?

「この漫画の作画を担当しているのが、90年代に人気を博した『BOYS BE…』(講談社)の作者・玉越博幸先生です。出てくる女優さんたちが、とにかくかわいくて、そこが作品の魅力になっています。残りの限られた人生でいちずにAV界のトップを目指す、天月もゆを、ぜひ応援してほしいです」(編集スタッフの太田ぐいやさん)

『BOYS BE…』の淡いエッチ描写で青少年をドキドキさせた玉越氏が、20年の時を経て、本作ではAVという題材で、より濃厚なエロ描写に挑戦しているという。

 それにしても、AV出演強要問題が世を騒がせている昨今、なぜ、こんなAV賛美にも思える漫画が作られたのだろうか?

 2016年3月、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)が、出演強要の報告書を発表して以降、AV業界は激震している。大手AV事務所の摘発をはじめ、無修正AVを制作する業者の摘発、キャンプ場で撮影した作品の摘発などが相次いだ。そして今年5月18日には、政府が全国の都道府県警にAV事案に関する専門官を配置するなど、国も本腰を入れ、AV問題に取り組み始めている最中だ。

 AV業界には逆風が吹き荒れ、業界に対してポジティブなイメージは抱きにくくなっている。しかし、本作は、「今のAV事情を反映したもの」だという。

「出演強要問題って、スカウトの入り口の段階でだまされるっていうケースもあるんですけど、その一方で、AV女優をやろうって決意したものの、やってくうちに『なんで、こんなことまでやらされるの!?』といった事態に遭遇して心が折れるといった事例も、同時に問題視されています。本作が描いているのはそこです。本作の中では、こうしたAVならではの過酷な撮影が、試練となってヒロインの前に立ちはだかります。AV女優をやっていると、台本なしで、お笑い芸人のようにむちゃぶりされることだってありますし、HRNが報告書に記載したように、12リットル以上の水を飲まされたケースもあります。それは、演技ではない、ドキュメンタリー性を重視するAVというメディアの特性です。本作では、そんな撮影をめぐり、出演者と制作者サイドのバトルが描かれているんです」(原作者の井川楊枝氏)

 出演強要問題で騒動となっている今だからこそ生まれた作品だという。作画の玉越氏も「AV業界のウンチクがいっぱいあって、見ると誰かに言いたくなります」と、リアルなAV業界に即した作品の魅力を語る。

 ベテラン漫画家が挑戦する「2017年のAV業界内幕」漫画に注目だ。
(文=渡辺則明)

●「モバMAN」http://csbs.shogakukan.co.jp/book?book_group_id=12380

ぜんぜんエロくない!? 純粋な少女マンガが描く、ソープ嬢の日常『お風呂のお姫様』

幸せとか夢とか……泣ける! 純粋な少女マンガで描く、ソープ嬢の日常『お風呂のお姫様』の画像1
『お風呂のお姫様』(朔本敬子/CoMax)

 関東ローカルな話で恐縮ですが、僕がよく行く「おふろの王様」というスーパー銭湯のチェーンがありまして、特に「スーパージェットバス」の泡ジェットが腰に効いて最高なんです。

 今回ご紹介する作品『お風呂のお姫様』は、名前こそ似ていますが、スーパー銭湯とは全然関係なく、お風呂はお風呂でもソープランドが舞台。「ここは吉原、私はソープ嬢です」というオープニングナレーションで始まる、ソープ嬢がヒロインのマンガです。

 風俗をテーマにしたマンガは世にたくさんあります。しかし、その多くはオヤジ向けの劇画誌で描かれており、エロエロでギラギラしてますよね? それに対し『お風呂のお姫様』は純粋な少女マンガ作品である、というところが珍しいのです。ソープがテーマのマンガでありながらもエロさはなく、むしろエレガントさすら漂っています。

 主人公のソープ嬢、桃世(本名:青山朋美)は3年前に失踪した父親が残した借金の返済のため、母親に内緒で吉原のソープランド「ジュリエット」で働いています。そう、ワケアリなんです。

 母親には広告代理店で働いていると偽りながら、日々ソープで稼いで借金返済の毎日。そして借金を返済したあかつきには、マンションを購入し、苦労が絶えない母にプレゼントする、そんなささやかな夢を持っています。イマドキ珍しい、親孝行な娘さんですよね。

 こういうお仕事ですから、当然ながら、いろいろな客がいてストレスもたまります。例えば、時間を延長せず店外デートに持ち込もうとする客、難癖をつけて料金を値切ろうとする客、嬢をだまして身ぐるみはがそうとするホストくずれなどなど……。こういった面倒くさい客、セコい客に対しても笑顔とプロ根性で乗り切ります。すべてはマンション購入のために!

 しかし、ようやく借金を完済し、マンション購入の夢に向かって前向きに生きようとした矢先、桃世に最大の危機が訪れます。そう、DVを繰り返し、借金を作って失踪したはずの父親が、桃世の前に再び現れたのです。桃世がソープの人気嬢であるという情報をつかみ、金をたかろうとする父親。「300万円出さなければ、母親にソープで働いていることをバラすぞ」と脅迫してきます。自分の借金を娘に返済させた上で、さらに金をたかるとは、なんというクズ・オブ・クズな父親でしょうか。

 金を出すことをかたくなに拒否する桃世に対し、仕事場(ソープランド)や母親のいる自宅にまで嫌がらせに来るクズ父親。ついに我慢できなくなった桃世は、夜の公園にクズ父親を呼び出し、直接交渉へ。手にはナイフを忍ばせて……。

 果たして桃世は、自分の父親を殺めてしまうのか? ソープ嬢に幸せが訪れることはないのか? ラストシーンはぜひ、作品を読んでいただければと思います。

 ちなみに、本作品は生粋の少女マンガだけあって、幸せとか夢とかが満載の泣けるソープ名言が数多く出てきます。最後にいくつかご紹介しましょう。

「みんな幸せになろう、私たち泡姫ですもの、きっといつか王子様が…」
「さあ仕事に戻ろう、私は私の夢を手に入れるために、できるならみんな幸せに、笑顔の未来が手に入りますように」
「私はあなたの2時間だけの恋人、ドアを出たら忘れていいの、それがこの街のルール」

 最後のやつだけ、やたら現実的ですね……。結局、2時間制ってことですか。
(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくんhttp://ablackleaf.com/>)

「ザオリク的マンガ読み」過去記事はこちらから

『HUNTER×HUNTER』連載再開も募るファンの不安……「次回作構想」発言に非難の声も

『HUNTER×HUNTER』連載再開も募るファンの不安……「次回作構想」発言に非難の声もの画像1
『HUNTER×HUNTER 33』(集英社)

 冨樫義博の人気漫画『HUNTER×HUNTER』が、6月26日発売の「「週刊少年ジャンプ」(集英社)2017年30号で連載再開することがわかった。同日には、コミックス最新34巻も併せて発売されるという。

 ファンとしてはうれしいニュースだが、冨樫はジャンプ執筆陣の中でも悪名高き“休載作家”として知られる。口さがないファンの間では「どうせ、またすぐに休載するんだろ」といった声も聞かれる。

「『HUNTER×HUNTER』が最後に掲載されたのは、約1年前の16年31号。連載が始まったのは1998年ですが、頻繁に休載を繰り返していて、2014年からは2年にもわたる長期休載でしたからね。週刊誌での連載19年でコミックスがたったの34巻なんて、通常は考えられないですよ」(男性コミック誌編集者)

 そんな冨樫だが、昨年には姉妹誌「ジャンプGIGA」誌上での発言がヒンシュクを買った。『NARUTO -ナルト-』の作者・岸本斉史との対談で、次回作の構想について問われると、冨樫は「僕めちゃくちゃあるんですよね。描きたいやつ」と応じたのだ。

「当時休載中だったにもかかわらず、この発言ですからね。連載中の作品すら全うしていないのに、よく次回作の構想なんて口にできたものです。厚かましいにもほどがありますよ。たびたび休載してしまうのは、持病の腰痛のせいだなんていわれていますが、単に連載に飽きてしまったのでしょう」(同)

 連載を再開するというだけでニュースになってしまうのは、冨樫と『HUNTER×HUNTER』の人気の高さをうかがわせるが、またしても休載に突入してファンをぬか喜びさせないよう願いたいものだ。

『逃げ恥』だけじゃない! 読めば読むほど煩悩が蓄積する「童貞マンガ」特集

<p> 2016年もいよいよ年の瀬ですが、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)というドラマがとんでもなく話題になりましたね。海野つなみ先生による同名マンガが原作となるこのドラマは、ガッキーこと新垣結衣主演の契約結婚をテーマにした作品です。</p>

<p> 特筆すべきは、星野源演じる津崎平匡が36歳にして童貞。さらに、石田ゆり子演じる土屋百合は50代にして処女という、かつてないほどに高齢童貞&処女がクールな存在として持ち上げられている、まさに“神ってる”作品なのです。</p>

<p> そんなわけで今回は、30代童貞がちょっとカッコイイものとなりつつある、この『逃げ恥』ブームに乗じて、「恋ダンス」はないが「濃い童貞」が出てくる、ガッキーはいないがエロガキならいる、そんな世界を描く珠玉の「童貞マンガ」をご紹介したいと思います。</p>

手塚治虫が嫉妬――妖怪漫画家・水木しげるさんの「壮絶人生」と「ポジティブ精神」に最敬礼

<p>『ゲゲゲの鬼太郎』や『悪魔くん』などの人気漫画家で、文化功労者の水木しげる(本名・武良茂)さんが30日、心不全のため東京都内の病院で死去した。93歳という年齢は「大往生」と呼ぶに相応しい。ネット上では「ショック」「ただただ残念」と悲しみに暮れる声や、「不死身だと思っていた」など、90歳を超えても時折元気な姿をメディアに見せていた水木さんの死に、実感が湧かないといった声も非常に多い。</p>

<p>「妖怪」という用語を『ゲゲゲの鬼太郎』などを通して一般化し、妖怪研究の第一人者でもある水木さんの功績は計り知れず。彼の存在がなければ、ここ数年大ブームの「妖怪ウォッチ」が生み出されることもあり得なかっただろう。</p>

<p> 大阪生まれの鳥取育ちである水木さんは、少年時代からその超がつくほどのマイペースぶりで周囲では有名だったようだ。大人になってからもインタビューや対談がつまらない時は、突然散歩に出かけてしまうというハプニングもあったようで、その性格は生涯変わらなかったらしい。</p>

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