「33テレビ裏ガイド」の記事一覧

おっさんたちのテラスハウス『バイプレイヤーズ』が仕掛ける「関係性萌え」

<p>「いま、3つ事件追ってるから」<br />
「俺も3つ」</p>

<p> 食卓を囲みながら、6人の男が話をしている。といっても、刑事や探偵ではない。</p>

<p>「この間、総理大臣やったら、ゴジラに殺されたんだよ」</p>

<p> 最年長・大杉漣がそう言って苦笑いした。<br />
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テレビウォッチャー・てれびのスキマが選ぶ、2016年のテレビ事件簿【ドラマ編】

<p> いまだ「逃げ恥ロス」や「真田丸ロス」から抜け出せない人も多いのではないだろうか?</p>

<p> 2016年はドラマの当たり年だった。年間を通してNHK大河『真田丸』が引っ張り、上半期は『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)や『ちかえもん』『トットてれび』(ともにNHK総合)、『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)、『重版出来!』(TBS系)などが、下半期は『逃げるは恥だが役に立つ』(同)、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』『黒い十人の女』(ともに日本テレビ系)などが大きな話題を呼んだ。</p>

テレビウォッチャー・てれびのスキマが選ぶ、2016年のテレビ事件簿【バラエティ編】

<p> 2016年、テレビは激動の年だった。</p>

<p> SMAPの解散報道に対する“公開謝罪”から始まり、“文春砲”などと言われた週刊誌によるスキャンダル報道でベッキーをはじめとするテレビの主役たちが仕事を激減させたり、長年続いた小堺一機の昼の帯番組『ごきげんよう』(フジテレビ系)や『新チューボーですよ!』(TBS系)の終了、『笑点』(日本テレビ)の司会交代、そしてSMAP解散が本当になってしまうなど、大きな“事件”が数多く発生した。</p>

<p> 間違いなく、2016年は、今後テレビの歴史を語る上で、ターニングポイントの年となるだろう。</p>

<p> そんな2016年のテレビバラエティを振り返ってみたい。</p>

「判定なんかどうでもいい」『SMAP×SMAP』でタモリがSMAPへ贈ったもの

<p>「SMAPが空中分解になりかねない状態だと思いましたので、今日は自分たち5人がしっかり顔をそろえて、皆さんに報告することが何よりも大切だと思いましたので、本当に勝手だったのですが、このような時間をいただきました」</p>

<p> 今年1月18日、カメラの前で木村拓哉を中心にSMAPメンバーが並び、“公開謝罪”した。</p>

<p> この映像は衝撃的だった。なぜなら、あまりにも生々しく、そこで発せられた以上のことを見る側に伝えたからだ。<br />
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松本人志が作る『ドキュメンタル』という新しい“笑いの戦場”

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「お断りします」</p>

<p> 招待状を受け取ったブラックマヨネーズの小杉竜一は、困惑しながらそう言った。</p>

<p> 差出人は松本人志だ。</p>

<p>「松本さんの頭脳で考えたものにこんな感じで入ったら俺、死んでしまいますわ!」</p>

<p> また松本人志が新たに動き始めたのだ。<br />
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激しい会話劇『黒い十人の女』で見せる、天才・バカリズムのロジック

<p>「全員狂ってるよ」</p>

<p> そこに集まったのは10人の女たち。テレビプロデューサー・風松吉の9人の愛人と、ひとりの妻である。つまり風は“10股”しているゲス野郎なのだ。</p>

<p> 集まった10人を前に、ひとりの愛人が口を開く。</p>

<p>「一緒に風を殺さない?」</p>

<p> もともと『黒い十人の女』は市川崑が監督し、船越英二が主演した昭和の名作映画である。これを、お笑い芸人・バカリズムが脚本を担当してリメイクしたのが、ドラマ版『黒い十人の女』(日本テレビ系)だ。</p>

『ドラクエ』vs『F.F.』が実現? 『勇者ヨシヒコと導かれし七人』が挑む冒険

<p> 『ドラゴンクエスト』と『ファイナルファンタジー』といえば、日本のコンピューターゲーム界における2大RPGだ。</p>

<p> ライバルである2つの世界観が相まみえると、どうなるか?</p>

<p> そんな夢の対決が実現した。ドラマで。</p>

<p> それが『勇者ヨシヒコと導かれし七人』(テレビ東京系)の第3話である。このドラマは2011年から始まった「勇者ヨシヒコ」シリーズの第3弾。数々の深夜ドラマを手がけてきた福田雄一が演出・脚本を担当する「予算の少ない冒険活劇」コメディである。</p>

「日7戦争」勃発! “負け戦”必至のTBS『クイズ☆スター名鑑』の戦い方

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『クイズ☆スター名鑑』TBSテレビ

 いよいよ“日7戦争”が始まった。

 今秋から、日曜午後7時台のテレビは、かつてないほどの激戦区となる。

 これまで視聴率的に“絶対王者”に君臨していたのは、日本テレビ系の『ザ!鉄腕!DASH!!』。『笑点』から始まり、『世界の果てまでイッテQ!』『行列のできる法律相談所』へと連なる鉄壁のラインナップは、視聴率を支えるファミリー層に絶大な強さを誇る。

 その強力な相手に、単独で応戦してきたのが、テレビ東京系の伊藤隆行による『モヤモヤさまぁ~ず2』だ。

 そして、10月からテレビ朝日系では、加地倫三の『アメトーーク!』がゴールデンと深夜の2本立てになって登場。さらに、TBS系では、藤井健太郎による『クイズ☆タレント名鑑』が『クイズ☆スター名鑑』と名前を変えて奇跡の復活。

 王者『鉄腕!DASH!!』に、各局のお笑い番組のエーススタッフが挑む、という構図ができあがった。

 ちなみにフジテレビでは、やや遅れて11月から古舘伊知郎のバラエティ番組レギュラー復帰作となる『フルタチさん』がスタート。Eテレでは、先日『24時間テレビ』(日本テレビ系)の真裏で、「感動ポルノ」批判で話題を呼んだ『バリバラ』もあるという充実っぷりだ。

 この“日7戦争”が開戦となったのが、『アメトーーク!』『スター名鑑』がスタートした10月16日だ。

 どちらの番組も初回に弾みをつけようと2時間スペシャルを組む中、迎え撃つ王者・日テレも容赦がない。『鉄腕!DASH!!』と『イッテQ』の合体スペシャル「はじめての交換留学」と題したコラボ企画をぶつけてきたのだ。

 一方の『モヤさま』も、2時間半スペシャルで番組アシスタントを務めてきた狩野恵里アナの卒業、そして注目された次期アシスタントの発表という目玉を用意した。

『アメトーーク!』の2時間スペシャルは、「芸人体当たりシミュレーション」と「ついつい食べ過ぎちゃう芸人」という、これまでのゴールデンスペシャルでも鉄板の人気企画。

 そんな中、『DASH×イッテQ』や『アメトーーク』よりも数分早く、18時55分に放送が開始された『スター名鑑』。ここはその数分で少しでも視聴者をくぎづけにし、奪いたいところ。そこで『スター名鑑』が投入したのは、まさかのベン・ジョンソンだった。

 どう見ても、数字を持っているとは言い難いドーピング男である。この不可解ともいえる人選のオープニング。しかし、『クイズ☆タレント名鑑』ファンは歓喜した。

『スター名鑑』の前身は、前述の通り『クイズ☆タレント名鑑』だ。約4年半前にあえなく終了したが、ファンからは熱烈な支持を受けた番組だ。

 2010年8月からレギュラー放送が始まり、「日本一下世話なクイズ&バラエティ」を自称したこの番組は、「クイズ」を隠れみのに、隅々まで悪意をまぶし、悪ふざけの限りを尽くした。この『クイズ☆タレント名鑑』が日曜夜8時という完全なるゴールデンタイムに放送されていること自体が、それだけで「今もテレビは面白い!」と胸を張れるものだった。

 だが、ファンの熱狂とは裏腹に、視聴率は決して高いわけではなかったため、正直言って、番組ファンもいつ誰かの逆鱗に触れて終わってもおかしくないと思っていた。

 そして、2012年1月。ついに終了が発表された。

 その“大役”を結果的に担ったのが、ベン・ジョンソンだったのだ。230メートル先の本殿を目指して一斉に男たちが走りだし、先着3名だけが「福男」の称号を得られ、「福」が訪れるという「福男選び」。

 番組では「福男チャンス」と題して、山田勝己、ダンテ・カーヴァー、そしてベン・ジョンソンという3人の刺客を「福男選び」に送り込んだ。クイズ優勝チームが賞品獲得を懸けて、誰が「福男」になるかを当てるクイズ企画だった。

 しかし、あえなく3人は「福男」となることができなかった。

「3人のふがいない走りにより、2012年の『タレント名鑑』に福が舞い込むことはなかった」

 そんなナレーションとともに、『タレント名鑑』の終了が発表されたのだ。

「ベン・ジョンソンのせいで……」

というテロップ付きで。

「打ち切り」の発表にまで、笑いと悪意をねじ込む徹底っぷり。そこに『タレント名鑑』の神髄があった。

 だから、復活スペシャルのオープニングは、ベン・ジョンソンでなければならなかったのだ。

 こうした『タレント名鑑』や、終了から復活までの4年間で藤井が手掛けた『テベ・コンヒーロ』や『Kiss My Fake』などから継承された“ネタ”が、本編でも随所に登場。もちろんこれらは、長く番組を見れば見るほど気づき、楽しめるものだ。だが、それに気づかなくても、ちゃんと面白い。

 藤井は自著『悪意とこだわりの演出術』(双葉社)の中で「『わからなくても成立するけど、わかったらもっと面白い』要素がありつつ、その中に引用やオマージュが多く入っているのが僕の作りの好み」と書いている。また、「気づかなくても楽しめるけど、気づけば気づいた人にだけ楽しめるモノを用意しておく。そんな奥行きのようなモノを少し意識しています」とも明かしている。

『スター名鑑』は、まさにその「奥行き」が深い番組だ。

 今のバラエティ番組の主流は、“親切さ”最優先。「ながら見」でも途中から見ても、視聴者が理解できるようにきめ細かい工夫がされている。もちろん、それは視聴者を楽しませるという観点でも、視聴率を獲るという観点でも正しいアプローチだろう。

 だが、そればかりではつまらない。

 毎週見ていないと置いていかれるから、食い入るように見る。そんな番組こそ、僕たちは見たいのだ。ベン・ジョンソンが福男にリベンジしても、早坂好恵の名前がやたら出てきても、ボビー・オロゴンが米俵を抱えて走っても、クイズなのに「予約」がある、意味不明なシステムがあっても、視聴率は上がらないだろう。犯罪者や前科者の名前が頻出したり、気まずい空気の不穏で怖い映像を流しても、クレームのリスクが高まるだけかもしれない。だけど、ここでしか味わえない面白さがあふれている。

 本来、バラエティ番組は、「面白さ」こそが最優先されるべきものだったはずだ。視聴率的には“負け戦”かもしれない。けれど、だからこそ「面白さ」だけを追求するのが『スター名鑑』の戦い方だ。

 終了から4年半。前フリは十分すぎるほど効いている。

 いよいよ、面白いだけの“クソ番組”が帰ってきた!
(文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

地獄のような空気が漂う『水曜日のダウソタウソ』に見る、藤井健太郎「地獄の軍団」の真髄

<p>「若林は、歌ヘタくそやもんね」<br />
「そうなんですよ、すごい透明感あるなと思って。隣に“奇跡の歌声”いますからね」</p>

<p> そうオードリー若林正恭が振ると、すかさずハリセンボン近藤春菜がお決まりのフレーズを言う。</p>

<p>「いや、スーザン・ボイルじゃねーわ!」</p>

<p> さらに、宮川大輔が「あれ、ギターは?」と追随。<br />
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千原ジュニア、ロバートが自らのネタを種明かし! 過酷な芸人サバイバル『笑けずり』が“けずる”もの

<p> マッチョな美容師が、客にポイントカードを渡す。が、そのカードがめちゃくちゃ重い。そんなボケを駆使した若手コンビ「あがすけ」のコントを見た時、千原ジュニアはこう評した。</p>

<p>「最後にポイントカードを彼(美容師役のタツキ)がまあまあ重そうに出したとき、そこでネタ作ってるのはこっち(客役の吉村)なんやってわかりました。あそこは、普通に出したほうがいい」</p>

<p> 確かによく見ると、タツキは若干だが、重そうにポイントカードを差し出した。重いはずのないものがめちゃくちゃ重いというボケなのだから、そこは一瞬でもそんなそぶりを見せると、ボケが台無しになってしまう。</p>

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