「コラム」の記事一覧(18 / 29ページ)

石原さとみが、半同棲中の山下智久を『24時間テレビ』にゴリ押し!? 小山慶一郎とは「出たくない」

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 今年の『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)のチャリティーパーソナリティーに決定した女優の石原さとみが、“半同棲”が報じられた山下智久を「番組に出演させて」と番組関係者にゴネているという。

『24時間テレビ』のパーソナリティーは だいぶ前からジャニタレが独占しているが、今年も早々に嵐・櫻井翔、KAT-TUN亀梨和也、NEWS小山慶一郎がメインパーソナリティーに決定していた。

 しかし、小山に関しては、地下アイドルとの交際が発覚。そのアイドルは、小山との交際発覚が影響し、所属グループを解雇されたにもかかわらず、小山はわれ関せずと無視していることから、ネット上では「キャスター失格」「パーソナリティーを降ろせ」などという批判の声が上がっている。

 それとは別に、以前から石原は小山を「キモ男」と呼んで毛嫌いしており、『24時間テレビ』のオファーが来たときも「小山が一緒なら出たくない」と出演を渋ったという。

 石原は昨年、昨年10月期に同局で放送したドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』の平均視聴率が12.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)とまあまあの視聴率だったことから、この秋にスペシャルドラマの放送が予定されている。スペシャルの視聴率次第では「パート2」も予定しているというが、凋落激しいフジテレビのドラマ出演が目立っていた石原にとっては、王者・日テレに定着できるいいチャンス。そのスペシャルの番宣も兼ねるということもあって、パーソナリティーを引き受けたという。

 だが、石原はそれを引き受ける条件として、毛嫌いしている小山に代わって、山下を出すよう要求しているというのだ。日テレとしては『校閲ガール』のパート2を制作したいだけに、むげに断れない。かといって、今さら小山を切るようなことはできない。ジャニーズ事務所さえ許せば、山下に番組内の1コーナーを担当させるという線が現実的だが、どう調整するかの決断を迫られている。本番まで、ひと波乱あるかもしれない。
(文=本多圭)

海外ドラマを牽引する売れっ子クリエーター! ライアン・マーフィの押さえておきたい代表作3選

<p> 新作ドラマの数が急増しているアメリカTV界で、押しも押されもせぬ売れっ子がライアン・マーフィーだ。以前紹介した『アメリカン・ホラー・ストーリー』でアンソロジー・ドラマ人気に火をつけ、大御所女優ジェシカ・ラングを起用。監督を務めた映画『食べて、祈って、恋をして』に主演したジュリア・ロバーツと意気投合し、映画女優だった彼女を『ノーマル・ハート』でTV界に引っ張り出した辣腕ぶり。生存競争の激しい世界でアンソロジー・シリーズというひとつの潮流を生み出し、定着させた功績は大きいだろう。今、アメリカのドラマを見るなら彼の作品は外せない。なかでもまずは押さえておきたいマーフィー作品をチョイスした。</p>

もうゴリ押しなんて言わせない!? 『女囚セブン』で剛力彩芽が獲得した、新たな“ハマり役”

<p>『女囚セブン』(テレビ朝日系)に出演する剛力彩芽が神々しい。</p>

<p> 本作は、金曜23時15分から放送されている、女性刑務所を舞台にしたコメディタッチのドラマ。<br />
 <br />
 京都で働く芸鼓の神渡琴音(剛力彩芽)は、先輩の雪乃(寺川里奈)を殺害した罪で逮捕される。しかし、それは冤罪だった。自らの汚名を晴らし、真犯人を突き止めるために自ら進んで女子刑務所に入る琴音。</p>

電撃引退から半年 成宮寛貴に“美川憲一的復帰プラン”浮上中「ゲイ疑惑をネタにしてしまえば……」

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 昨年末に芸能界を電撃引退した成宮寛貴の復帰に関する情報が諸説流れているが、広告代理店関係者から“美川憲一的復帰”を計画しているという情報を入手した。

 昨年末、成宮は「フライデー」(講談社)に“コカイン使用疑惑”と“ゲイ疑惑”を報じられた。成宮は、コカイン使用については否定したが、「プライバシーが人の悪意により暴露され続けるのは耐えられない」という理由で芸能界を電撃引退し、日本を脱出した。

 その後、バリ島などに潜伏していたが、2月には、国内で開催された有名ブランドのパーティーで目撃され、帰国していたことが明らかになった。以前から、ファッションに興味があるとしていた成宮は、デザイナーになるつもりでパーティーに参加したともいわれている。

 これを受けて、スポンサーをつけてアパレルブランドを立ち上げるというウワサが流れた。さらに、テレビ朝日の人気ドラマシリーズ『相棒』で共演した水谷豊が、成宮の復帰に協力的だという情報もある。また、大手芸能プロ「ケイダッシュ」の川村龍夫会長の後押しで、今秋にも小さな舞台で復帰するという報道もあった。

 いずれにしても、あれだけ世間を騒がせたのだから、復帰するには騒動に対する釈明が求められるだろう。引退撤回の際には「触れられたくないプライバシーとはなんだったのか?」という点に再び注目が集まることは間違いない。成宮にとっては酷なことだ。その点、広告代理店関係者が計画している“美川憲一的復帰プラン”なら、その必要性はない。

 その昔、美川は「柳ヶ瀬ブルース」などの大ヒットで演歌歌手としてブレーク。『NHK紅白歌合戦』にも連続出場を果たしたが、大麻取締法違反容疑で2度の逮捕。有罪判決を受けて、芸能界から干された。

 デビューの頃は“美少年歌手”として売り出したが、美川がゲイだということは芸能関係者の間では知る人ぞ知る話だった。実際、芸能界を干された美川は、新宿3 丁目でサパークラブを経営し、店では堂々とオネエ言葉を使い、ゲイであることを隠していなかった。

 その美川の存在が、コロッケのもの まねで再び注目を集める ようになった。それに乗じて、美川自身はちあきなおみと一緒に「タンスにゴン」のCMに出演。オネエキャラ全開で出演したCMが大当たりし、再ブレークにつながった。とともに、美川がゲイであることが自然な形で世間に刷り込まれたのだ。

「成宮にも同様の戦略がハマるのではないか」と広告代理店関係者は言う。もちろん、成宮がゲイであるかどうかはわからないし、それを明かす義務もない。

 だが、芸能界復帰に向けてなんらかの回答が求められるのであれば、美川同様にCM上の演出として“ネタ化”してしまうのは有効な手段ともいえる。成宮は罪を犯して芸能界を去ったわけでもなく、話題性を求めて、彼を起用する企業もあるはずだ。一見、とっぴな復帰計画だが、なんでもアリなのが芸能界。実現するか否か、注目したい。
(文=本多圭)

“タレント活動休止”の泰葉に、和田アキ子が戦々恐々!? 「アッコの息の根を止める」と業界から期待も

タレント活動休止の泰葉に、和田アキ子が戦々恐々!? 「アッコの息の根を止める」と業界から期待もの画像1

 6日に、各マスコミに向けて「タレント活動休止」を告げるファックスを送付した泰葉。今後は、父である故・初代林家三平の意思を継ぎ、「芸道」の道を極める決意を明かし、「歌手、作詞家、作曲家、古典芸能人、プロデューサー、そして、現在経営している弊社泰葉エンターテイメントの経営者、実業家」(原文ママ)として活動していくという。

 このところ、元夫で落語家の春風亭小朝からの虐待を告発し続けていた泰葉だが、その動向が気にかかって仕方がないのが、歌手の和田アキ子だろう。

2日、都内の帝国ホテルで会見を開き、小朝と、“芸能界のご意見番”を気取る歌手の和田アキ子を民事訴訟で提訴することを発表した泰葉。業界内では「泰葉の暴走が、和田の息の根を止めるのでないか」と、ひそかに期待されているという。

 和田は4月29日放送のラジオ番組『ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回』(ニッポン放送)で、泰葉がブログで小朝を告発していることに苦言を呈したが、それに対して泰葉が激怒。ブログで「最後にもう一人 告訴します 和田アキ子です」と爆弾宣言した。

 和田は泰葉のブログでの告発に対して、「(泰葉が)『金髪野郎』と言ったとき、小朝さんは反応しなかったでしょ? 」と発言。さらに、小朝のいじめの 被害者として、2001年に自殺した故・桂三木助さんの名前を出したことに「お亡くなりになった方に失礼。家族もいるし、ちょっと違うと思う。小朝さんは元夫婦ということで百歩譲ってしょうがないと思うけど、(三木助さんについては)言っちゃいけない」と、泰葉を批判した。

 その小朝は、今年1月から放送されたBSプレミアム時代劇『雲霧仁左衛門3』で雲霧を目の敵にする磯部主膳役を演じた。磯部は権力欲が旺盛、傲慢で陰湿、かつ狡猾な性格で、小朝は地で演じたといわれたほどだ。そんな性格の小朝に愛想を尽かしたのは、泰葉だけでない。元恋人で女優の岸本加世子、2人の仲を取り持とうとして小朝に裏切られたビートたけし。それに、その 権力欲に振り回された笑福亭鶴瓶や東京の落語家たちの中にも、小朝とは距離を置いている者が多い。

 そういった事情も知らずに、したり顔で苦言を呈す和田に泰葉がブチギレ。ラジオの発言は営業妨害に当たり、かつて和田に挨拶しようと楽屋に行ったとき「なんで、そんな肌出した服着てるの?」と言われたことが名誉毀損だとして、提訴するという。

 これに頭を抱えているのは『アッコにおまかせ!』(TBS系)のレギュラーを務める、泰葉の義兄・峰竜太。彼が苦しい立場に追い込まれるのは想像に難くない。

 しかし、峰の妻で泰葉の姉である海老名美どりと泰葉の不仲説は有名な だけに、我関せずかもしれない。

 一方、泰葉から攻撃を受けた直後の和田がレギュラーに加わったドラマ『小さな巨人』(同 )の出演者やスタッフはいい迷惑だ。『小さな巨人』は、和田が初出演した週の視聴率がダウン。業界内では、原因は視聴者の「和田アレルギー」が出たなどといわれた。もちろん因果関係は証明できないが、嫌いなタレントランキングで常連になっている和田が業界内でお荷物扱いされているということだろう。今回の泰葉の告発を、“ご意見番”気取りの和田にお灸を据えるという意味では歓迎する向きも多い。

 いずれにしても、口は災いのもと。これを機に、世間知らずで傲慢な和田が“ご意見番”気取りするのはやめたほうがいいだろう。
(文=本多圭)

案内人に怒鳴られてもヘラヘラ!? 張成沢処刑前夜に見た、「右から左へ」しながら生き抜く北朝鮮人のメンタリティ

<p> あれは今から約3年半前、2013年の年末のことです。</p>

<p> 当時の平壌の雰囲気は明らかに違っていて、張り詰めた空気が街に漂っているようでした。</p>

<p> 案内員も前回とは違って冗談が通じない人が配置され、取材箇所の交渉も一筋縄ではいきませんでした。</p>

<p> その回の訪朝では大手テレビ局と一緒に回っており、車代もテレビ局負担のため、野良記者の私に決定権などなかった点も大きかったのでありますが、前回ほど自由なコミュニケーションが取れず、内心、困惑しておりました。</p>

<p> そんな中、ホテルで親戚に会ったとき「これからうちに来る?」という話になりました。</p>

東京五輪キャスターまであと一歩!? 関ジャニ∞・村上信五のMC力を鍛えた『村上信五とスポーツの神様たち』

<p> 今年の『FNS27時間テレビ』の総合司会者はビートたけしに決定。そのたけしを脇で支える「キャプテン」として、関ジャニ∞・村上信五が起用されることも発表された。</p>

<p> これ、総合司会=ビートたけし、は間違いだと思う(フジがそう発表しているのだから、間違いも何もないのだが)。編成・営業的な理由で「ビートたけし」の冠を立てなければならないのは明らか。たけしという旗印のもと、実質的な司会者として村上が番組のかじ取り役になる、と捉えたほうがいいはずだ。</p>

<p> 実際、SNSを中心に懸念されているのが、たけしの今の滑舌で長時間の番組が成り立つのか、ということ。だからこそ、村上の司会力・MC力が問われることになる。</p>

“ゴジラ映画史上最大の異端児”坂野義光監督に捧ぐ『ゴジラ対ヘドラ』にまつわるエトセトラ

ゴジラ映画史上最大の異端児坂野義光監督に捧ぐ『ゴジラ対ヘドラ』にまつわるエトセトラの画像1
『ゴジラ対ヘドラ 東宝DVD名作セレクション』(東宝)

『ゴジラ対ヘドラ』という映画がある。

 ゴジラシリーズの11作目として1971年に公開されたこの映画は、シリーズ最大の「異色作」ともいわれ、一部ゴジラファンの間で熱烈な人気を誇る。

 当時の社会問題であった「公害」が受肉し、そのまま実体化したような怪獣「ヘドラ」と、ゴジラが戦う――。新怪獣とのバトルが通例となっていたこの時期の娯楽路線のゴジラにおいて、ヘドラは異端の対戦怪獣だった。

 そもそもゴジラは、人間の生んだ「核」という負の領域からヌッと現れた怪獣だ。54年の第1作『ゴジラ』で、人々はその存在に戦争の亡霊を見いだし、恐怖した。その脅威を排除するために全力を尽くし、沈みゆくゴジラに自らの過去も重ねて祈りを捧げた。

 それから時がたち、地球の、子どもたちの味方になっていったゴジラの前に立ちはだかったのは、くしくも同じ人間が生んだ「公害」という負の領域からヌッと現れたヘドラだ。言うなれば、ヘドラは70年型の「新ゴジラ」だった。

 この映画では、メッセージを背負っているのはゴジラではなく、ヘドラのほうなのだ。子どもの声に応えてどこからともなく現れたゴジラは、もはや実態を持たない、子どもたちが生んだ妄想のヒーローのようにすら見える。重量もなければ、奥行きもない、書き割りのようだ。そして、ヘドラは強い。ゴジラが対峙した怪獣の中でも最強の部類だ。

 感情を見せず、ただヘドロやスモッグを吸いつくし、全身から有害物質をまき散らし、無尽蔵に成長することだけを本能としている。それはそのまま、公害を撒き散らしながら膨れ上がる日本の姿を暗示している。メッセージを持った敵は強い。

 痛みも感じず、体が崩れても死なないヘドラに対して、今作のゴジラは鬼神のように立ち向かう。新たな「ゴジラ」であるヘドラに勝つには、自身の「ゴジラ」を取り戻すしかない。敵の「重さ」をむしり捨てるように、ヘドラの肉体をえぐり取っていく。

 これはゴジラにとって「アイデンティティー」の戦いなのだ。

 そこには余裕に満ちたヒーロー然とした姿はなく、ただ目の前の脅威を消滅させるために泥にまみれ、片目を潰され、腕は白骨化し、人類の武器まで利用して、満身創痍で辛くも勝利する。夕日に照らされ、死にゆくヘドラを傍目に佇むゴジラ、そこにかぶさる荘厳なコーラス。その姿は、自らの亡霊を葬り去っているかのようだ。第1作で沈み行くゴジラを見つめた人々と、ゴジラがダブる。

 映画は、「そして、もう一ぴき?」という新たなヘドラの出現を予感させるスーパー(字幕)で終わる。

 これもまた、新たなゴジラの存在を予感させた第1作目の『ゴジラ』と同じだ。

 僕は、この『ゴジラ対ヘドラ』こそが、第1作目の『ゴジラ』に迫ることができた唯一のゴジラ映画だと思っている。そこには、監督の「ゴジラには、その時代の文明批評的なメッセージが必要だ」という並々ならぬ想いがあるからだ。

 この映画を監督したのが、坂野義光さん。生涯において、メインの監督作はこれ1本。そして、その坂野さんは、5月7日に亡くなった。享年86歳。

 少し自分の話をしたい。人にはそれぞれの「特撮」を卒業するタイミングがある。僕にも、特撮を卒業しそうなときが二度あった。一度は、小学校高学年になったとき。アニメや漫画やゲームに夢中で、特撮番組を見なくなった。これは、ほとんどの人が特撮番組を卒業する至極まっとうなタイミングで、多くのクラスメイトも戦隊ヒーローの話をしなくなったし、怪獣ソフビを買ったり、ウルトラマンのガチャガチャを回す人もいなくなった。

 でも、そのときハマったアニメとその監督が、特撮のDNAを持っていることに気づき、すぐに戻ってきた。

 そのアニメは『新世紀エヴァンゲリオン』で、監督は雑誌でスペシウム光線のポーズを決めている庵野秀明さんだった。

 次のタイミングは中高生のときで、こちらのほうが大きかった。音楽に目覚めたのだ。それまで漫画家志望だったのに、一夜で音楽家に変わった。とにかく曲を作ったりする人になりたかった。特に「サイケ」と言われる音楽が妙に気に入った。どこまでがハードロックで、どこらへんがサイケで、どこからがプログレかよくわからなかったが、反復されるリズムや、エコーの効いたボーカル、主役のオルガン、ワウ、ファズが気に入った。

 子どもの頃に好きだった特撮に対する興味は薄れて、音楽に夢中になった。

 そんな時に、何かの雑誌で「ヘドラはサイケだ!」という一文を見つけた。言われてみれば、子どもの頃に見た『ゴジラ対ヘドラ』は変な映画だったよな……と思い返し、レンタル屋で借りて見てみた。

 そこからの91分。開始早々に突如流れる「かえせ!太陽を」というサイケデリック歌謡曲、「水銀、コバルト、カドミウム……」と公害物質を連呼するAメロ、「かえせ!」「かえせ!」の大合唱、子どもからゴジラに捧げる作文、オタマジャクシのようなヘドラの融合と成長、ボディペインティングの歌姫と、魚人間が踊り狂うゴーゴークラブ、荒削りなバンドの演奏、麻雀中にヘドロに巻き込まれて死ぬサラリーマン、ヘドロに沈むメガネ、32分割されるニュース映像、赤ん坊の泣き声、不吉なアニメーション、バタバタと倒れる女子学生、めちゃくちゃ唐突に白骨化する通行人、富士の裾野1万人ゴーゴー(100人くらいしかいない)、役に立たない自衛隊、そして悲痛なまでのゴジラの死闘、強烈なイメージの数々が流れ込んできた。

 この瞬間、自分の「好きになった物」と「好きだった物」がつながり、直列電流のような強力な電気が体内を走った。

「おれ、こういうのが好きなんじゃん!」

 人生が決まってしまったような瞬間だった。

 それ以来、僕は自分が好きになるものを、直列電池のようにつなぎ合わせて生きてきた。一人の人間のことだ。同じリズムの中で愛したものに、古いも新しいも、はやりもダサいもない。

『ゴジラ対ヘドラ』は、僕の中で大きな作品となった。

 さて、冒頭で書いたように坂野さんは、この『ゴジラ対ヘドラ』の1本しかメインでの監督をしていない。もともと東宝で黒澤明監督はじめ数々の巨匠の助監督を務めた経験のある坂野さんは、70年の大阪万博・三菱未来館での映像制作を大成功させ、新進気鋭の監督として抜擢された。その記念すべき1作目が『ゴジラ対ヘドラ』だったのだが、それだけのキャリアを持つ坂野さんがこれ1本しか監督をしていないというのは不思議な話だ。一部では「坂野義光は“ゴジラを飛ばして”東宝の逆鱗に触れて、干された」ともいわれている。

『ゴジラ対ヘドラ』のクライマックス、死闘の末にヘドラを追い詰めたゴジラだったが、ヘドラは使い古した肉体を脱ぎ捨てるように脱皮し、飛翔して逃げ出してしまう。それを追いかけるべくゴジラが取った行動は、尻尾を抱え込むようにして丸まり、口から地面に向けて放射火炎を噴き出したのだ。その「逆噴射」ジェットで空に飛び上がったゴジラは、そのまま飛行してヘドラを追いかけ、体当たりで叩き落とす!

 それまでのゴジラにはなかった強烈なこの「空飛ぶゴジラ」のシーンが、坂野さんが「ゴジラを飛ばした男」とまで呼ばれる由来だ。

 しかし、公開後にこのシーンを見たプロデューサーの田中友幸さんが難色を示し、「ゴジラのキャラクターを変えてもらっては困る」「坂野にはもう特撮映画は撮らせない」と述べたという。真偽のほどはわからないが、日本映画の斜陽とも重なり、この数年後に坂野さんは劇映画の世界を離れることとなる。

 では、これで坂野さんの映像作家としてのキャリアは終わってしまったのか?

 そんなことはない。むしろ、ここから坂野さんは、その行動力と企画力で、数々の功績を残していく。

まず、坂野さんは助監督時代から培ってきた水中撮影の技術で、数々の水中映像のドキュメンタリーの傑作を生み出していく。困難に直面しながらも、水中撮影のノウハウを切り開いてきた坂野さんは、日本の水中撮影のパイオニアと言っても過言ではない。

 さらに万博での経験から、大型映像の未来を予感した坂野さんは、独自に日本初の大型映像「ジャパネックス・システム」を開発。80年代には、大型映像用のコンテンツの制作にも積極的に関わっていく。

 いまやIMAX3D、4DMXなどの大型上映システムが映画の主流になっているが、坂野さんは40年も前からこの未来を予測し、その普及と発展に尽力してきた。

 そして坂野さんの夢は、この大型映像システムで、もう一度ゴジラの映像を作り出すことだった。2003年、坂野さんはIMAX3D用にゴジラとヘドラが登場する短編を企画し、東宝との権利契約も締結する。

 しかし、この『新ゴジラ対ヘドラ』は資金難に直面し、企画は頓挫寸前になってしまう。転機は10年、この短編3D映画の企画がとある人物の目に止まり、そこから「坂野版3Dゴジラ」は、さらに規模を拡大してハリウッド製作の長編映画として生まれ変わることとなる。

 その人物が、レジェンダリー・ピクチャーズのトーマス・タル会長であり、その企画から生まれたのが、14年に公開されたギャレス・エドワーズ監督作『GODZILLA』だったのだ。この大作映画のスタッフロールに、坂野さんは「エグゼクティブ・プロデューサー(製作総指揮)」として大きくクレジットされた。

 坂野さん自身の願いであった「環境問題に根ざしたシナリオとメッセージを」という想いも反映され、原子力発電所の事故を背景としたシナリオが完成した。

 坂野さんは、自らのデビュー作であり、自身が特撮映画の世界を去るきっかけともなったゴジラの世界に、40年ぶりに帰ってきたのだ。そして、それはゴジラ映画自身の10年ぶりの復活でもあり、その復活の仕掛け人がゴジラ映画史上最大の異端児だった、というオマケ付きだ。

 こんな痛快なことがあるだろうか?

 スタッフロールに出た「YOSHIMITSU BANNO」の名前に、多くの『ゴジラ対ヘドラ』ファンは感動した。この坂野さんの企画書からスタートしたレジェンダリー版ゴジラは、今後も続編が予定されており、坂野さん亡き後も続いていく。

 長年の夢を実現させ「新ゴジラ」をハリウッドで完成させた坂野さんだが、まだまだやりたい企画が山ほどあるようだった。14年、僕が見に行った坂野さんのトークショーでも、ヘドラが登場する新しい企画を進めたいと語っていた。

 最近も、福島第一原発事故により新たなヘドラが登場するという『新ヘドラ』の企画を進めていたという。亡くなる直前まで、いくつもの企画を構想し、最新の映像技術を追いかける「現役映像作家」だった坂野さん。

 そのエネルギーを『ゴジラ対ヘドラ』という1本の映画の中で追体験できる僕らは幸福だ。そして、坂野さん自身による『新ヘドラ』は残念ながら実現しなかったが、人間がいる限り、その陰から生まれる怪獣もまた、必ずいる。

 新たなゴジラ、新たなヘドラは、時代の陰からヌッと現れてくるだろう。だからこの原稿も、このスーパーで終わる。

「そして、もう一ぴき?」

参考文献:『ゴジラを飛ばした男 85歳の映像クリエイター 坂野義光』

ゴジラ映画史上最大の異端児坂野義光監督に捧ぐ『ゴジラ対ヘドラ』にまつわるエトセトラの画像2
●タカハシ・ヒョウリ
“サイケデリックでカルトでポップ”なロックバンド、オワリカラのボーカル。たまにブログでつづる文章にも定評あり。好きなものは謎、ロック、歌謡、特撮、漫画、映画、蕎麦。
HP:http://www.owarikara.com/
ブログ:http://hyouri-t.jugem.jp/
Twitter:https://twitter.com/TakahashiHyouri?ref_src=twsrc%5Etfw

“カツラ疑惑否定芸人”と化した演歌歌手・細川たかしに美容師証言「最近のカツラは、もっと優秀です」

<p> 最近、細川たかしが「カツラ疑惑否定芸人」化している気がする。</p>

<p> きっかけは、昨年9月15日放送の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)出演時。毛髪に違和感があったことから、ネット上で「明らかにカツラ」「放送事故レベル」といった声が続出した。</p>

<p> そうした疑惑を受け、同25日に行われた北海道・増毛町のイベントでは「私にもカツラ疑惑があったけど」「私は大丈夫。今日は短く切ってきました」と堂々宣言。「30年くらい前から、1回のセットでヘアスプレー1本使い切るほどガチガチに固めたことから、カツラと言われるようになった」とヘアスタイルについての説明までしていた。</p>

井ノ原快彦 VS国分太一、山口達也 VS 伊野尾慧……ジャニタレ「裏番組」視聴率バトル

<p>今回は特別編。裏番組で戦っているジャニーズを、視聴率で徹底比較する(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)。両番組は、視聴者層が重なっているところが多く、お互いしのぎを削っている。ということで視聴率を比べてみると、結果はご覧の通り。<br />
『ZIP!』8.9%<br />
『めざまし』8.1%<br />
</p>

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