「05本」の記事一覧(5 / 17ページ)

“怪物”と呼ばれた漫画家の軌跡……谷口ジロー版まんが道『冬の動物園』

<p> 2月11日、谷口ジロー先生が逝去されました。心よりご冥福をお祈りいたします。一昨年『孤独のグルメ2』発売記念イベントに出演させていただいた際、関係者の方から谷口先生の体調があまりよろしくないという話を聞いておりました。いつかまた元気になって『孤独のグルメ』の新作を描いていただけるものと思っていましたが……。</p>

<p> フランスの芸術文化勲章「シュヴァリエ」を受章するなど、海外でも評価が高かった谷口先生ですが、近年の代表作としては『孤独のグルメ』『「坊っちゃん」の時代』といった作品が語られることが多いです。実際、僕も『孤独のグルメ』をきっかけとして谷口先生の作品を読むようになったのですが、ハードな作風の『事件屋稼業』『餓狼伝』『神々の山嶺』、あるいは動物をテーマとした『犬を飼う』『シートン』などの作品に思い入れがある人も多いことでしょう。</p>

出版界に大旋風! 『夫のちんぽが入らない』こだまが語る、夫とネットと大喜利と

<p>「このタイトルで出せないなら、他社に持っていく」。担当編集者にそこまで言わせる作品は、昨今なかなかないかもしれない。文学フリマで異例の大行列を生んだ同人誌「なし水」。そこに収められた一編のエッセーが、2017年出版界に大波乱を巻き起こしている。ただ衝撃的なタイトルに惹かれて読み進めれば、必ずやいろいろな意味での裏切りに遭う。お涙頂戴路線で読もうとすると、センスあふれる表現力が痛快に感動のはしごを外す。ちんぽが入る人も入らない人も、すべての生きとし生けるものたちへの挽歌『夫のちんぽが入らない』(扶桑社)。うらやましい、あやかりたい、そして、こだま氏の素顔が知りたい!!</p>

まるで井之頭五郎の老後……? 谷口ジロー作画の『センセイの鞄』がいい味すぎる!

<p> 自分より、ひと回りもふた回りも年下の恋人ができる。ほとんどの男性にとって、憧れのシチュエーションですよね。「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載されている『恋は雨上がりのように』は、17歳の美少女が、さえない45歳のバツイチ子持ちファミレス店長を好きになってしまうという年の差恋愛を描く作品で、僕らのようなアラフォー世代をキュンキュンさせてくれます。</p>

<p> しかし文学の世界には、この『恋は雨上がりのように』をも超越する、ハイレベルな年の差恋愛の世界があります。それが『センセイの鞄』という作品。70歳近いおじいさんと、30代後半独身女性の恋を描く本作。それも、加藤茶クラスの大物芸能人の話などではなく、ごく普通の教師と教え子の関係です。</p>

「名古屋闇サイト殺人事件」ハンマーで40回殴打されながら、被害者が守り抜いたものとは?

<p> 2007年8月24日夜の11時過ぎ、その事件は起こった。</p>

<p> 帰宅途中の磯谷利恵さん(当時31歳)が、愛知県名古屋市千種区の路上を歩いていたところ、白いワンボックスカーから出てきた男に道を尋ねられた。そして、一瞬の油断をつき、利恵さんは車の中に押し込まれ、手錠をはめられてしまう。バッグから現金とキャッシュカードを奪った3人の男たちは、拉致現場から30キロメートルあまり離れた愛西市の駐車場まで移動。彼女の頭にガムテープをぐるぐる巻きにし、頭にレジ袋をかぶせた上、40回にわたってハンマーで殴りつけて殺害。無残な遺体は、岐阜県内の山林に埋められた。</p>

『スター・ウォーズ』に高田馬場が登場していた!? 名前のルーツを探る!『知っているようで知らない「ネーミングの謎」』

<p> 日刊サイゾー読者のビジネスマン諸氏に、ぜひともおすすめしたい一冊がある。『知っているようで知らない「ネーミングの謎」』(三笠書房)では、ありとあらゆる商品名の由来や、企業名の成り立ちについて解説している。</p>

<p> さて、誰もが知る大ヒットシリーズ『スター・ウォーズ』。現在、新作が絶賛公開中だが、同作品に、早稲田大学などで知られる学生の街、高田馬場の名前が登場するのをご存知だろうか?</p>

<p> 本書によれば、15年に公開した『フォースの覚醒』で登場する「タコダナ」という惑星が高田馬場から取って名付けられたという。『フォースの覚醒』の監督は、JJエイブラムス。エイブラムスが初来日した際に、宿泊したホテルが高田馬場にあり、その思い出を込めてつけたとのこと。<br />
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相模原障害者殺人事件は前触れにすぎない? 植松容疑者の「思想」はなぜ、共感を呼んだのか

<p> 神奈川県相模原市にある障害者福祉施設「神奈川県立 津久井やまゆり園」で、この施設の元職員・植松聖(当時26)の凶行によって19人の入所者が殺害された事件から、およそ半年が経過した。戦後日本国内で発生した事件として、「津山三十人殺し」に次ぐ犠牲者の多さとその規模もさることながら、ネット上に寄せられたこの事件の犯人に対する共感は、ショッキングな出来事として記憶された。いったい、なぜこの事件は起こってしまったのか? そして、この事件から何を考えなければならないのか? 社会学者で、『弱くある自由へ』『精神病院体制の終わり』(青土社)などの著作を持つ立岩真也と、『非モテの品格』(集英社新書)、『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院)などで知られる批評家の杉田俊介による共著『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』(青土社)から、この事件を振り返る。<br />
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もしも、国がクイズによって統治されたら……衝撃のディストピアマンガ『国民クイズ』

<p> もしも、あらゆることがクイズによって決まる、クイズ至上主義の世界があったなら、あなたはどうしますか? エンタメ感にあふれ、戦争もない、ほのぼのした世界――。ちょっと住んでみたいと思いませんか?</p>

<p> 今回ご紹介するマンガ『国民クイズ』はまさに、もし日本がクイズで統治される国になってしまったら……という世界を描いた作品。</p>

<p> 舞台は、世界一の経済大国であり、軍事大国になった近未来の日本。民主主義を捨て、国民クイズ体制に移行してイケイケになった日本には、もはやアメリカも中国も、国連すらも逆らうことができないのです。</p>

かわいいアイツも食べるとウマイ!?  アルマジロ、イグアナ、アルパカ……珍肉エッセイ『世界のへんな肉』

かわいいアイツも食べるとウマイ!?  アルマジロ、イグアナ、アルパカ……珍肉エッセイ『世界のへんな肉』の画像1
『世界のへんな肉』(新潮社)

『世界のへんな肉』(新潮社)は、100以上もの国や地域を訪れたフリーライター・白石あづさ氏が、旅の話を交えながら“珍肉”の味を伝える、ほんわか珍肉エッセイ。「おとなの週末.com」での連載「世界一周“仰天肉グルメ”の旅」を加筆修正し、書籍化したものだ。

 白石氏は、プロフィール写真だけ見ると、線の細い色白美女といった感じだ。しかし、なんでもよく食べる。南米グアマテラでは「君の肌もツルツルさ」と勧められ、ゼラチン質たっぷりの「アルマジロのブラウンシチュー」を、エルサルバドルでは、“樹上のニワトリ”と呼ばれる「イグアナのスパイス炒め」、スウェーデンではちょいとおしゃれに、日本で天然記念物に指定されている「雷鳥のロースト」と「トナカイのカルパッチョ」を食す。

 ほかにも、イグアナ、水牛、ビーバー、ダチョウ、ガゼルなど、20種類以上の珍肉を食べまくった。その中には、日本ではアイドル的な存在の、もふもふの毛に、くりんくりんの長いまつ毛が愛らしいアルパカの姿も。「Oh、残酷!」と嘆く人もいるかもしれないが、南米のレストランでは、結構よくメニューに登場する動物である。

 筆者も、ペルーへ行った時に現地人に勧められて食べてみたが、これが……うまいんですよねぇ。本書でもつづられているが、脂肪たっぷりでやわらかく、臭みもない。申し分なく、ウマイ肉なのだ。日本では、食用肉といえば、豚、鳥、牛の3種類が超王道だが、世の中には、日本人は知らぬ食用肉だらけ。動物をペットとして見るのか、ハタマタ、食用とするのかは、人間次第で国によってさまざま。

 なお、日本にも家畜としてワニを300匹ほど飼育する、食用ワニ牧場があるそうで、白石氏は果敢にも“ワニおじさん”に会いに出かける。そして、ワニの背中部分のゴツゴツとした部分を煮込んだスペシャルカレーを食べることに。気になる、そのお味は……。

 まずは本書を呼んで、国内のどこかでお確かめを。
(文=上浦未来)

●しらいし・あづさ
日本大学芸術学部学科卒業。地域紙の記者を経て、約3年の世界放浪へと旅立つ。帰国後はフリーライターとして旅行雑誌、グルメ雑誌等に執筆。これまでに訪ねた国や地域は100以上に上る。著書に『世界のへんなおじさん』(小学館)。

「あなたを殺したくて殺したわけではない……」増え続ける『介護殺人』の悲しい現実

<p> こんな悲劇があっていいのだろうか?</p>

<p> ニュースを見ていると、しばしば目にする「介護殺人」の文字。介護への疲れから逃れるために、殺人へと発展してしまう、痛ましいこの種の事件。超高齢化社会を迎えた日本において、1年間に発生する介護殺人の件数は数十件に上るとみられており、もはやありきたりな事件のひとつとなってしまった。だが、毎日新聞大阪社会部取材班による書籍『介護殺人』(新潮社)を読めば、そんなニュースに立ち止まらざるを得なくなってしまうだろう。介護殺人事件の「加害者」たちを追った本書に描かれているのは、愛するがゆえに殺人にまで追い込まれてしまった、介護者/殺人者たちの苦悩である。</p>

滑稽すぎる! 戦争が生み出した本気の“おバカ珍兵器”『マンガ 本当にあった! 世界の珍兵器コレクション』

<p>「人生は近くで見ると悲劇だが、 遠くから見れば喜劇である」これは喜劇王チャールズ・チャップリンの言葉である。人間は必死に生きる。その“必死さ”は関係のない他人からすれば、滑稽に見えるのである。戦争という人類が起こせる最大の災厄の中においても、その“必死さ”が生んだ兵器群には、滑稽なものが多々ある。</p>

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