「映画」の記事一覧(16 / 48ページ)
2017年5月19日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 恋愛ニュース, 映画]
<p> かつてアメリカ大陸はインディアンが自由を謳歌する楽園だったが、白人入植者たちの勘違いによって長い長い殺戮の歴史が始まった。インディアンには土地を所有するという概念がなく、白人入植者たちが土地を譲渡してもらう代わりに渡した銃やナイフをプレゼントだと思って喜んで受け取った。ところがインディアンがいつまでも土地から出ていかなかったため、契約違反だと怒った白人たちはインディアンの大量虐殺を始めた。人類はそんなコミュニケーションの行き違いによる悲劇を何度何度も繰り返してきた。『ブレードランナー2049』(10月公開)でも注目されるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のSF大作『メッセージ』(原題『ARRIVAL』)は、人類と地球外生命体とのファーストコンタクトを描いたもの。SFファン以外にも様々なインスピレーションを与えてくれる魅力に溢れた作品となっている。</p>
<p>『メッセージ』の主人公はひとりの女性言語学者。ルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)は別れた夫との間にひとり娘ハンナがいたが、病いによってハンナは若くしてこの世を去った。心にぽっかり空いた穴を埋めるべく言語学の研究に勤しんでいたルイーズのもとに、米軍大佐のウェバー(フォレスト・ウィテカー)が現われ、米軍の極秘調査に協力して欲しいと頼む。折しも世間は宇宙から飛来した巨大飛行体のニュースで大騒ぎとなっており、その宇宙人とのコミュニケーション方法をルイーズに考えてほしいという依頼だった。ウェバー大佐が持ってきた音声データだけでは、宇宙人が何をしゃべっているのか見当もつかない。エイミーは宇宙人と直接会うこと以外に彼らの言語を理解する方法はないと進言する。</p>

「他言語を学ぶとは新しい世界観を手に入れること。新時代の扉を開ける宇宙からの福音『メッセージ』」の続きを読む
2017年5月17日 [04スポーツ, スポーツ, プロ野球, 大泉洋, 恋愛ニュース, 日本ハムファイターズ, 映画, 野球]

日本ハムファイターズ公式サイトより
「最下位は脱出したものの、まだそんなに差がないですからね。4月には10連敗して最下位に沈むなど開幕ダッシュに失敗するし、何より大谷翔平のケガが誤算でしょうね。現時点で復帰のめどが立っていないのはつらいところですよ。監督にとっても、今年はどうしても優勝しないといけない理由もありますからね」(スポーツ紙記者)
昨年のプロ野球日本一のチーム、北海道日本ハムファイターズが苦戦を強いられている。
「今年はWBCの影響で主力選手の中田翔やケガの大谷などがオープン戦に出場していなかったこともあって、開幕前からチームに覇気が感じられませんでした。そのまま開幕ダッシュに失敗して、5月に入った今も立て直しを図っている最中ですね」(テレビ局関係者)
栗山英樹監督が就任してからというもの、就任初年の2012年にはリーグ制覇、翌13年には最下位、そして昨年は日本一と順位は激しく乱高下している。
「当然、2年続けて結果を残すのは難しいですが、今年も優勝の翌年最下位に沈むようなことがあれば、進退問題につながりますね。しかも、これは直接的に監督だけの責任ではないのですが、実は今年の12月に公開の映画『探偵はBarにいる3』に監督は本人役で出演してるんです。主演の大泉洋さんが北海道出身で、作品の舞台も北海道ということもあって、北海道を盛り上げたい制作サイドから球団に出演オファーがあったそうです」(芸能事務所関係者)
確かに公開直前に日本一にでもなれば、北海道がお祭り騒ぎになるのは間違いないが、現状の成績だと雲行きは怪しい。その肝心の役どころはというと……。
「札幌市内でのインタビューシーンでセリフもありますし、周囲でアクションシーンもある重要な場面なので、今さらカットはできません。最悪なのは、途中で成績不振で更迭されることです。少なくとも今年いっぱいは監督を務めてもらわないと……。映画スタッフも、今の日ハムの成績には頭を抱えてますよ。それ以上に監督は、出演を後悔してるかもしれませんね」(映画関係者)
バーにいるのは探偵ではなく、ヤケ酒をあおっている栗山監督かもしれない。

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2017年5月16日 [21インタビュー, インタビュー, 恋愛ニュース, 映画]
<p>『マジンガーZ』『キューティーハニー』など、TVアニメのジャンルでも数々の傑作を残してきた天才漫画家・永井豪。欧州での人気も高いとウワサには聞いていたが、これほどだったとは!? イタリアで大ヒットした実写映画『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』は、1970年代にイタリアでもテレビ放映された永井豪原作アニメ『鋼鉄ジーグ』(英題『Jeeg Robot』)がきっかけで、ローマで暮らすケチなチンピラ男が正義のヒーローへと目覚めていくというユニークなアクションドラマ。イタリアでは2016年の年間興収ベスト5にランキングされ、その年のイタリア国内の映画賞を席巻するなど、多くのイタリア人の心に突き刺さった作品なのだ。来日したガブリエーレ・マイネッティ監督にイタリアでの永井豪作品の人気ぶり、そしてイタリアでこれまでスーパーヒーローものが生まれなかった社会背景について尋ねた。</p>
<p>──イタリアで日本産TVアニメの放映が始まったのは1978年から。中でも永井豪原作の『UFOロボ グレンダイザー』(英題『Goldrake』)は凄まじい人気を呼び、翌年には『鋼鉄ジーグ』が放映されることになったそうですね。1976年生まれのガブリエーレ監督は当時まだ3歳だったわけですが……。</p>

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2017年5月13日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 恋愛ニュース, 映画]
<p> グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」「赤ずきんちゃん」を“無縁社会”という現代的キーワードで解釈し直したホラーサスペンス『ヴィジット』(15)で復活を果たしたM・ナイト・シャマラン監督。大ヒット作『シックス・センス』(99)は現代版『雨月物語』、『ヴィレッジ』(04)はレイ・ブラッドベリの古典的SF小説のオマージュ作として楽しむことができる。ネタそのものは昔からあるものを、新しい視点で描くことに優れた演出家だ。そんなシャマラン監督が新たに再発見したのが“多重人格”。ハリウッドでは『イブの三つの顔』(57)をきっかけに度々取り上げられてきた題材だが、シャマラン監督は密室サスペンス『スプリット』を極めてオーソドックスに、かつ新解釈を交えてスリリングな物語へと昇華させている。</p>
<p> 幼少期に虐待されたなどのトラウマによって人格分裂が生じると言われる多重人格(解離性同一性障害)。これまでに『サイコ』(60)ではアンソニー・パーキンス、『真実の行方』(96)ではエドワード・ノートン、NHKドラマ『存在の深き眠り』(96)では大竹しのぶ、といった実力派俳優たちが多重人格者役を熱演してきた。『スプリット』で多重人格者に挑んだのはジェームズ・マカヴォイ。『ナルニア国物語/第1章 ライオンと魔女』(05)の“半神半獣”タムナスさんから、『フィルス』(13)で演じたコカイン中毒の悪徳刑事、『X-MEN』シリーズの超人たちを束ねるプロフェッサーXまで、作品ごとに異なるキャラクターを演じ、多重人格者にはうってつけ。本作では23もの人格をもつ主人公を演じている。</p>

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2017年5月11日 [21インタビュー, インタビュー, 恋愛ニュース, 映画]
<p> 人間が人間ならざるものと交わり、新しい世界を築いていく異類婚姻譚。現在大ヒット中のミュージカル映画『美女と野獣』や日本神話のひとつ「豊玉姫」など、様々なケースが古くから世界各地に言い伝えられている。そんな異種婚伝説をモチーフにした官能ファンタジーが有森也実主演作『いぬむこいり』だ。人気ドラマ『東京ラブストーリー』(91年、フジテレビ系)でブレイクし、清純派の印象が強かった有森だが、本作では犬男を相手に大胆な濡れ場を繰り広げ、過去のイメージを一掃してみせている。上映時間は4時間5分という超大作で、さらに共演陣は、石橋蓮司&緑魔子夫妻(劇団『第七病棟』!)、「頭脳警察」のPANTA、ジャズパンクバンド「勝手にしやがれ」のボーカル・武藤昭平といった異色の顔ぶれ。どんな物語が展開されるのか予測不能な本作を撮り上げた片嶋一貴監督に、作品に込めた想いを聞いた。</p>
<p> 片嶋監督はこれまでもパンクな映画を撮り続けてきた。高校生テロリストたちの暴走を描いた代表作『アジアの純真』(11)は国内外で大いに物議を醸した。小栗旬主演作『ハーケンクロイツの翼』(04)ではアナーキーな青春が描かれ、ブラックコメディ『小森生活向上クラブ』(08)では古田新太がテロリストとして覚醒していった。『いぬむこいり』もまた、アラフォーの元小学校教師・梓(有森也実)が神のお告げから南の島へと渡り、あらゆる世間の常識から身も心も解放されていく物語となっている。なぜゆえ、片嶋監督はパンクな映画を撮り続けるのだろうか?<br />
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「鈴木清順、若松孝二の“遺伝子”を継ぐ男の咆哮!! 上映時間4時間超のパンクオペラ『いぬむこいり』」の続きを読む
2017年5月10日 [00芸能, 011SMAP, 01ジャニーズ, SMAP, ジャニーズ, 二宮和也, 嵐, 恋愛ニュース, 映画, 木村拓哉]

元SMAPの木村拓哉が、来年公開の映画『検察側の罪人』(原田眞人監督)に主演し、嵐の二宮和也と初共演することが3日、各スポーツ紙で報じられた。
キムタクといえば、ドラマ・映画版がいずれもヒットした人気シリーズ『HERO』での型破りな検事役がおなじみだが、同作で演じるのも検事役。雫井脩介氏が2013年に発表した小説が原作で、東京地検刑事部に配属された正義感の強い新人検事・沖野啓一郎(二宮)と、有能なエリート検事・最上毅(木村)が同じ部署に配属。ある金貸しの殺人事件をきっかけに、次第に2人の考え方はすれ違い、いつしか敵同士になって対決する姿を描いたサスペンス作品だという。
「主演はキムタクだが、相手は演技力には定評がある二宮。脚本次第では二宮が主演に見えてしまうこともありそうで、キムタクにとっては、なかなかリスクのある作品。しかし、ジャニーズ事務所の幹部としては、SMAP解散で事務所内の“派閥”が解消したことをアピールする格好の機会として、2人の共演作を実現することになった」(芸能デスク)
このニュースの前日の2日夕方、4月29日と30日の全国週末興行成績(興行通信社提供)が発表された。29日に全国331スクリーンで公開されたキムタクの主演映画『無限の住人』は、オープニング2日間で動員14万5,000人、興収1億8,900万円で6位という成績。同日公開の菅田将暉主演の『帝一の國』の4位を下回ったどころか、最終興収46.7億円を記録した『HERO』の初週成績を大きく下回る結果になってしまった。
「キムタク史上最大規模の大プロモーションを展開したにもかかわらず、いわば惨敗の成績。とはいうものの、マスコミ向けの試写会などでの下馬評は『帝一』のほうが上回っていたため、おそらく、ジャニーズの幹部もある程度、結果は予測できていたのだろう。『無限』の結果が記事にならないように、二宮との共演作を翌日付の紙面で仕込んでいたようだ。そのおかげで、『無限』の惨敗ぶりを報じたのは、一部のネットメディアのみだった」(映画業界関係者)
5月17日から開幕するカンヌ映画祭の「アウト・オブ・コンペティション部門」では、『無限の住人』が上演される。おそらく、各メディアはキムタクをこれでもかというぐらい持ち上げまくることになりそうだ。

「『無限の住人』惨敗は想定内!? 木村拓哉と嵐・二宮和也、“共演作”発表の裏側」の続きを読む
2017年5月6日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 恋愛ニュース, 映画]
<p> 自由を手に入れるということは、孤独さを受け入れるということでもある。都会で暮らす若者たちのそんな自由気ままさと背中合わせの孤独さを、繊細な映像を積み重ねることで描いてみせたのが、石井裕也監督の最新作『夜はいつでも最高密度の青色だ』。石井裕也監督(1983年生まれ)とはほぼ同世代である詩人・最果タヒ(1986年生まれ)の詩集『夜はいつでも最高密度の青色だ』(リトルモア)からの引用やアニメーションを散りばめながら、2020年の五輪開催に向けて再開発が進む東京の景観と時流に迎合できずにいる若者たちの屈折した心情をスクリーンに映し出していく。</p>
<p> 大阪芸術大学の卒業制作『剥き出しにっぽん』(05)で監督デビューを果たし、満島ひかり主演作『川の底からこんにちは』(10)がスマッシュヒット。さらに『舟を編む』(13)で国内の映画賞を総なめした石井裕也監督。満島ひかりとの共同生活は5年ほどでピリオドを打つことになったが、3年ぶりの劇場公開作となる『夜はいつでも最高密度の青色だ』は第二のデビュー作と呼びたくなるほど瑞々しい作品となっている。</p>

「嫌な予感しかしない東京で見つけたささやかな灯り 石井裕也監督『夜はいつでも最高密度の青色だ』」の続きを読む
2017年5月4日 [21インタビュー, インタビュー, 恋愛ニュース, 映画]

原発事故によって福島から東京へと避難する若い夫婦。様々な情報が錯綜し、出産をめぐって疑心暗鬼に陥る。
日本での公開は難しいと思われていた韓国の鬼才キム・ギドク監督の『STOP』が、5月13日(土)より劇場公開されることになった。『STOP』はキム・ギドク監督が脚本&プロデュースに加え、撮影・照明・録音も兼任し、2015年に日本でロケ撮影を行なったインディーズ作品。原発事故によって福島から東京へと避難してきた若い日本人夫婦が出産をめぐって葛藤するサスペンスドラマだ。カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭での受賞歴があるキム・ギドク監督の作品は、性器切断などハードな描写が多いことでも知られているが、本作でも妊婦の出産シーンは思わず目を覆いたくなる。来日したキム・ギドク監督に日本ロケを敢行した本作の製作内情について尋ねた。
──キム・ギドク作品は“痛み”を感じさせる作品ばかりですが、今回の『STOP』はこれまで以上に大きな痛みを感じさせます。
キム・ギドク 私たちはみんな、福島で起きた原発事故についてよく知っていますし、日本には被害者の方が大勢います。被災地の方たちと同じように大きな痛みを感じる人は多いと思います。それにこの作品は痛みだけでなく、恐怖も描いています。それもあって、そのように感じたのではないでしょうか。私はこれまで20本以上の映画を撮ってきましたが、私の良心に誓って、誰かを傷つけたり、苦しみを与えようと思って映画を撮ったことはありません。傷を負っている人がいれば、その傷を癒してあげたいという気持ちでこれまで映画を撮ってきました。今回の『STOP』は同じような原発事故が再び起きることを防ぎたい、新しい傷を負わずに済むようにしたいという想いから撮ったものです。
──2011年の東日本大震災のニュースを、キム・ギドク監督はどのような想いで接したのでしょうか?
キム・ギドク 津波が町を呑み込んでいく様子がニュース映像としてテレビから流れ、その映像は今も強く脳裏に焼き付いています。それから福島第一原発が続けて爆発する映像も流れ、本当に恐ろしくなりました。でも、これですべてだろうか、原発事故は1回だけで済むのだろうかと、他の人たちと同じような気持ちでニュースを見て、ショックを受けました。また、人間は本当に弱い存在だと感じました。大自然の前では、人間はとてもちっぽけな存在だと。人間が考え出した原発という大きな装置も大自然の前では簡単に壊れてしまい、またそれによってさらに大きな災害を招くことを改めて知ったわけです。ショックと恐怖を同時に感じながら、自分はひとりの人間として何ができるだろうかと考えました。同じような災害が再び起きることを防ぐような映画をつくりたい、地震を防ぐことはできなくても人間が生み出した原発による事故は防ぐことはできるはずだと。それが映画監督である自分の役目ではないかと思ったんです。

キム・ギドク監督自身が自主配給することで、問題作『STOP』の日本での劇場公開が決まった。
■自分ひとりで責任を負うという覚悟
──脚本とプロデューサーだけでなく、撮影・録音・照明も自分ひとりでやることは早くから決めたんでしょうか?
キム・ギドク 最初はシナリオを書きながら、日本の整った製作条件の中で撮れればいいなと思いましたし、きっと日本で震災を題材にした映画がいろいろ製作されるに違いないとも思いました。でも、なかなかそういった作品は日本からは現われませんでした。もちろん園子温監督の『希望の国』(12)のような作品もありますが、原発問題に率直に向き合い、問題の解決の糸口を提示するような作品は少ないように私には思えました。日本の映画監督たちがとても慎重になっている状況を見て、日本の製作条件で自分が思ったような映画を撮ることは難しそうだと分かり、それだったら自分ひとりで責任を負う形で撮ろう、スタッフなしで映画を撮ろうと決心したんです。
──原発事故によって日本中が心理的パニックに陥った状況が低予算作品ながらリアルに再現されていますが、謎めいた政府のエージェントが福島から避難してきた若い夫婦に中絶を強要し、警戒区域内で捕まえた動物を精肉にして東京に卸す個人業者が現われたりとフィクションも交えた作品となっています。現実とフィクションの兼ね合いはどのように図ったのでしょうか。
キム・ギドク 確かに政府のエージェントや肉を卸す業者はフィクションです。今回のシナリオを書くにあたって、この問題は福島だけに限ったものではないと思ったんです。もっと大きな事故になっていた可能性もあるという前提で、シナリオを書きました。もっと大量の放射能が漏れていたら、どんな事態になっていただろうと私の想像力を働かせて書いたのが、政府のエージェントや汚染肉の業者です。チェルノブイリ原発事故の後、周辺国で奇形児が生まれたことは事実です。奇形児が次々と生まれるような事態になれば、政府は何らかの形で動くのではないでしょうか。
──妊婦から奇形児が生まれてくるシーンのショッキングさから、劇場公開を躊躇した日本の配給関係者もいると思います。その点に関してはどのように考えていますか?
キム・ギドク 映画が恐怖心を与えることは絶対によくないと思います。でも、だからと言って恐ろしい現実を隠すことも、よくないのではないでしょうか。原発事故後も警戒区域内にずっと残っていた妊婦が奇形児を産むシーンが中盤にありますが、放射能事故によって奇形児が生まれるということはチェルノブイリ事故後に現実に起きています。福島では実際にはみなさん警戒区域から退去されているので、『STOP』で描かれている状況とは異なります。それに奇形児のエピソードが物語のエンディングなら問題だと思いますが、『STOP』のラストは人類にとって新しい希望を感じさせるものにしたつもりです。

原発事故の裏側では闇ビジネスが蔓延っていた。警戒区域内で野放し状態の動物を捕まえ、精肉化する闇の業者。
■キム・ギドクが日本ロケで感じたこと
──日本での撮影はかなり大変だったと思います。
キム・ギドク 通常の映画なら、助監督や撮影・照明・録音にもそれぞれアシスタントが就くわけですが、全部ひとりでやらなくてはならず、あらゆることに気を配らなくていけないので、本当に大変でした(苦笑)。それで今回はひとりで撮影もでき、照明を当て、録音もできるような新しい機材を手作りで用意したんです。少し水準は下がるかもしれませんが、何とか一人でやることができました。スタッフは私ひとりだったので、その分日本人キャストのみなさんには大変助けられました。俳優のみなさんが演出部の役割まで買って出てくれたんです。
──都内でのロケだけでなく、キム・ギドク監督は福島にも向かったと聞いていますが……。
キム・ギドク ロケハンの際に、ひとりで福島まで行きました。ですが、警戒区域内は許可なしでは入れないので、撮影はせずに警戒区域の近くまで行っただけです。実際の撮影は新宿などの都内と福島の警戒区域の雰囲気に似ている場所を千葉県で見つけて撮影しました。東京タワーでも撮影しています。2回、3回とリテイクすることなく、1回だけでの撮影で終えることが多かったですね。周囲の人たちの迷惑にならないよう気をつけて撮影しましたが、一度だけ住宅街での撮影でひとりの主婦から「うるさい」と抗議されたことがありました。そのときは日本の俳優たちがみんなで私の前に立ち、私の代わりに頭を下げて「すみません」と謝ってくれたんです。韓国から来た私のことを庇う、日本人キャストのみなさんのこのとっさの行動には、本当に心を打たれました。韓国ではよく使われる言葉に「恨」と「情」があります。「恨」は感情が心の中に連なっていくことを表していますが、今回の日本での撮影ほど「情」を感じたこともありません。
──日本語によるドラマということで、演出上の難しさはありませんでしたか?
キム・ギドク もちろん、あったと思います。でも今回は韓国語で書いたシナリオを丁寧な日本語にした翻訳版を用意し、その翻訳版は各キャラクターの感情が反映されたものになっていました。また、日本のキャストのみなさんは『STOP』を自分たち自身の物語だという気持ちで、誠意を込めて演じてくれました。『STOP』が無事に完成したのは、しっかりした翻訳版があったことと、日本人キャストのみなさんの力のお陰です。

主人公のカメラマンは、福島の警戒区域内で暮らす妊婦が子どもを産む瞬間に立ち会うが……。
■キム・ギドク監督の作風が変わった理由
──以前のキム・ギドク作品は、ひとりの人間が抱える普遍的な悩みを題材にしたものが目立ちましたが、近年は本作も含め、『殺されたミンジュ』(14)、『The NET 網に囚われた男』(16)など現代社会の問題を描くようになってきました。監督の中で心境の変化があったのでしょうか?
キム・ギドク 最近は私のことを多くの人に知ってもらうようになりましたが、知られる前は私の個人的な悩みや考えを映画の中で描いてきたわけです。でも、多くの人に知ってもらえるようになり、自分には社会的責任があるのではないかと思うようになってきました。それもあって個人として何か発信するよりも、社会に向けて発信することを考えるようになったんです。それで政治的問題を扱った『殺されたミンジュ』、南北問題を扱った『The NET』、そして『STOP』のような作品を撮るようになったのでしょう。多くの人に自分の名前を知られるようになったことで、社会に対して発言する資格を手に入れたと同時に責任も生じたと考えています。もうひとつ考えられることとして、私は年齢を重ねることでひ弱になってきたということです。映画を撮り始めた頃は自分は強い人間だと思っていたので、作品も強さを感じさせるものが多かったと思います。でも、だんだんと社会の中で暮らしていくうちに、自分は社会の中では弱い人間ではないかと思うようになってきたんです。政治問題や南北問題など扱うことで、自分は危険な目に遭うのではないか、殺されるのではないかという恐怖を感じるこ
ともありますし、もちろん大災害によって死ぬこともあるかもしれません。以前はそんなことを想像しても怖いとは思わなかったのですが、今はとても怖いと感じるようになりました。それもあって、安全に暮らしたい、恐怖に打ち克ちたいというメッセージを込めた作品を撮るようになってきたようです。
──今のキム・ギドク作品は、責任感と恐怖心が映画づくりの原動力になっているわけですね。低予算で撮られた『STOP』ですが、キム・ギドク作品に共通する“生きる上での痛み”や“贖罪”といったテーマがくっきりと浮かび上がっていることも印象的です。
キム・ギドク そういうふうに感じてもらえると、とてもうれしいです。最後にもうひとつ言わせてください。私は韓国の監督として福島の原発事故を映画にしましたが、本当に私が撮ってもよかったのか、この映画を撮る資格が私にはあったのかと今でも自分に問い掛けています。でも、私は決して日本のことを嫌悪して、この映画を撮ったわけではありません。そのことが気がかりです。『STOP』は日本人や韓国人であるということを抜きにして、地球上に生きているひとりの人間として撮るべきだと思い、全力で撮った作品です。もし、この映画を観て、少しでもつらい思いをしたり、トラウマを感じる人がいれば申し訳なく思います。原発は日本だけでなく、世界中でこれからますます増えていくことになります。『STOP』が原発問題を再度考えるきっかけになれば本望です。
(取材・文=長野辰次)
『STOP』
監督・撮影・照明・録音・編集/キム・ギドク プロデューサー/キム・ギドク、合アレン
出演/中江翼、堀夏子、武田裕光、田代大悟、藤野大輝、合アレン
配給/Kim Kiduk Film、Allen Ai Film 5月13日(土)より新宿K’s シネマ、キネカ大森、6月24日(土)より横浜ジャック&ベティほか順次ロードショー
※作品収益の一部は震災被害のあった福島、熊本に寄付されることが決まっている。
(c)2017 by Allen Ai Film
https://www.stop-movie.com
●キム・ギドク
1960年韓国・慶尚北道奉化郡生まれ。1996年に『鰐 ワニ』で監督デビュー。『魚と寝る女』(00)と『受取人不明』(01)が2年連続でベネチア映画祭コンペ部門に選ばれ、欧州での評価が高まる。『悪い男』(01)はベルリン映画祭コンペ部門に選出。『サマリア』(04)はベルリン映画祭銀熊賞(監督賞)、『うつせみ』(04)はベネチア映画祭銀獅子賞(監督賞)、セルフドキュメンタリー『アリラン』はカンヌ映画祭ある視点部門の作品賞を受賞し、韓国人として初の世界三大映画祭受賞監督となった。『嘆きのピエタ』(12)はベネチア映画祭金獅子賞(最高賞)を受賞。その他の主な監督作に『春夏秋冬そして春』(03)、『弓』(05)、『絶対の愛』(06)、『ブレス』(07)、『悲夢』(08)、『メビウス』(13)など。脚本&プロデュース作に『映画は映画だ』(08)や『レッド・ファミリー』(13)がある。事故で韓国に流された北朝鮮の漁師の理不尽な運命を描いた『The NET 網に囚われた男』は日本で今年1月に公開されたばかり。

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2017年4月28日 [00芸能, 011SMAP, 01ジャニーズ, SMAP, ジャニーズ, 恋愛ニュース, 映画, 木村拓哉]

4月29日に公開される主演映画『無限の住人』のPRのため、連日、木村拓哉の全国行脚が続いている。
これまでのキムタクなら考えられない番組や媒体にまで登場するバーゲンセール状態に、業界内でも驚きの声が上がっているが、ジャニーズサイドがここまで必死になっているのには、ワケがあるという。
「実は、大手広告代理店の事前調査では、映画は大コケ濃厚という結果だった。というのも、三池崇史監督の個性でもあるグロいシーンが大量にあって、子どもにはとても見せられない。正直、R-15でもおかしくない内容です。キムタクが、とにかく敵を斬りまくるだけですからね。一部では、娘を海外に音楽留学させるのに合わせて、木村も海外に移住し、国外での活動にシフトするという話も浮上していましたが、妻の工藤静香がテロを懸念し、国内に留まることが決まった。“海外逃亡”ができなくなったことで、絶対にコケられなくなったのも安売りの理由のようです」(スポーツ紙デスク)
それ以前から、キムタクに恥をかかせられないとばかりに、ジャニーズはある別の映画作品にも強権を発動していたという。
「7月公開の『銀魂』ですよ。実は、当初『銀魂』もGWに公開予定だった。映画にはKinKi Kidsの堂本剛が出演しているのですが、ジャニーズが全圧力をかけて公開日を動かしたとささやかれているんです。『銀魂』と『無限の住人』は共にハチャメチャな時代劇という意味では設定が似ている。原作のメジャー度でいえば『銀魂』のほうが上ですから、ガチンコなら負けていたでしょうからね」(映画ライター)
あらゆる手を使ったキムタクとジャニーズが底力を見せるのか、それとも醜態をさらすことになるのか。結果はまもなく出そうだ。

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2017年4月28日 [00芸能, 堺雅人, 恋愛ニュース, 映画, 高畑充希]

映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』公式サイトより
「その年の朝ドラの主役と大河ドラマの主演がそろった映画は、そうないと思いますよ。かなりの期待作ですから、興収も30億円を最低ラインとしているようです」(映画関係者)
昨年のNHK大河ドラマ『真田丸』で主演を務めた堺雅人と、昨年上半期の朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で主演を務めた高畑充希が共演する映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』の打ち上げが、先日行われた。
「監督とスタッフは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの山崎貴監督とそのメンバーが集まりました。監督が挨拶で『堺雅人さんと仕事をしたかった』と言えば、堺さんも『山崎監督と仕事をしたかった』と相思相愛でしたね。会場でも2人は、じっくりと話し込んでいる様子でした」(芸能事務所関係者)
会場には200名近くが集まり、豪華景品があたるビンゴ大会も行われた。
「その中でも、なぜか一番はしゃいでいたのが、安藤サクラさんでしたね。妊娠していて食欲があるのか、叙々苑の券が当たって『肉だ! 肉だ!』と騒いでました(苦笑)。会の最後には、CGを作る前の編集されたVTRを見て大歓声が上がる場面も。堺さんは、日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を取るためにこの作品を選んだといわれていますし、すでに続編の話も出ています。そのためにも興収は『ALWAYS 三丁目の夕日』くらいはいってもらいたいですね」(映画スタッフ)
超豪華キャストたちの結果やいかに――。

「異例のビッグキャスト! 朝ドラ女優&大河主演がそろった『DESTINY 鎌倉ものがたり』打ち上げ模様」の続きを読む